[ふぁんく]
Yo yo お客さん調子どうやー?
残念ながらこいつこの場でwar is over
ここで言わなアカンこと一つだけ言っとく
コイツのあだ名は引退詐欺男
今日からa.k.aつけとけ 宮崎駿って
Yo ただのかまってちゃんなら黙ってろよ
下がってな 分かってないんじゃないの?
[ムートン]
どっちが駿?
早いか遅いか時代は廻る
こいつはジブリ チムチムニー
Chill chill see
こいつはじきに死ぬし
CLUB CITTA
俺のアイドルはみんなここでrapしてた
今日俺が1日時代を戻す
What’s up CLUB CITTA調子どうだよ?
[ふぁんく]
全然心配ナシよ
全然触れてないじゃん 引退詐欺男
ジブリをなんかいじってるだけだ
俺はウォルトディズニー
聞いてる? 僕のdisに
Yo お前は所詮はフローだけ
言語障害者 同時通訳不可
俺の方がもっと踏むか
ブンブンカッ の上で踏む文化
[ムートン]
Oh 言語障害
それでもまた呪文を唱える
なんて言ってるのか分かんねぇのにかっけぇなら
それが一番に決まってんだろうが
あんたUSのrap聞かねぇのか?
なんでかっこいいか分かんねぇのか?
音の取り方だろ? したいだろ?
次第だろ? 時代だろ?
ふぁんく 死体だろ?
概要
8小節2本
勝者: なし(延長)
解説
UMB2018 CHOICE IS YOURS 1回戦 ふぁんく v.s. ムートン
今回はUMB2018 THE CHOICE IS YOURSからこちらの一戦。
一回戦からこのマッチアップ。もちろん大会中でも屈指の好カードになりました。
ちなみにこの組み合わせ、UMB2017の一回戦でムートンが釈楽に敗れたために実現しなかった、いわば幻の対戦でもあります。
それでは内容です。
コイツのあだ名は引退詐欺男
今日からa.k.aつけとけ 宮崎駿って
– ふぁんく
まず先攻ふぁんくの先制打。バトル引退が騒がれたものの、結局こうしてステージに戻っていることに言及したわけですが、それにしてもこの小学生の悪口みたいな切り口がなんともふぁんくらしいです。
裏声でライミングを畳み掛ける後半部分に至るまで、最初から最後まで全編攻撃的な内容で、1バース目はdisりまくってますね。
続いて後攻のムートン。こちらは相手の言葉を拾いつつも、自分のリズムで淡々とrapしていく立ち上がりになってます。
CLUB CITTA 俺のアイドルはみんなここでrapしてた
今日俺が1日時代を戻す What’s up CLUB CITTA調子どうだよ?
– ムートン
そしてこのライン。前半のback in the day的なテンションから後半・ラストにかけて一転してrapに勢いが増していきます。
「今日俺が1日時代を戻す」という言い回しも、ムートンのこのフローの中では非常にカッコよく響きます。熱いです。
余談ですが内容としてはUMB2013のACE戦でmol53が見せた「(かつての)熱を取り戻しに来た」というラインを想起させます。
さて試合後半。2バース目に入っていくのですが、先攻ふぁんくはムートンが言葉尻を弄ぶだけで全然アンサーを返せてない、と反撃。
ユーモラスなラインの間にあって、アンサーに関してはけっこうストレートな表現で真っ当な切り返しになってるように感じます。
そこから続けてムートンのrapスタイルそのものへのdisへ移っていくのですが、「言語障害者」「同時通訳不可」など強めの言葉も飛び出していて、本当にdisにシフトした時のふぁんくは結構ドギツい感じがしますね。
ちょうどUMB2014 BEST4のGOTIT戦がそうであったのですが、個人的にはユーモラスなラインとキツめのdisが共存するあの感じを思い出します。
俺の方がもっと踏むか
ブンブンカッ の上で踏む文化
– ふぁんく
そして先述した強い言葉を中和するように最後はリズムのいい言葉で構成されたユーモラスサイドのrapで着地を迎えます。
押韻それ自体は技術的に決して高度というわけではないのでしょうが、何しろこの言葉のリズムの良さとテンションで不思議と数割増しで巧く聞こえます。ふぁんくはこういうの本当に得意ですね(笑)
本人も度々言及していることではりますが、ビートアプローチや言葉の置き方次第で陳腐なライミングも化ける、というのはふぁんくのrapにありありと表れていますね。そしてそれで実際強いというのが何よりもスゴいのだと思います。
なんて言ってるのか分かんねぇのにかっけぇなら
それが一番に決まってんだろうが
– ムートン
そして最後のムートン。ここが本試合で最大のハイライト、盛り上がりになるのですが、スタイルのdisられたことに対して熱くスピットしながら切り返していきます。
このライン自体も意味の転換を伴った効果的なカウンターになっているのですが、その前の一節、「言語障害 それでもまた呪文を唱える」という部分が枕になっていたことが奏功していたように思いました。
つまり「言語障害」という強め否定ワードを自ら再提示して自らのrapを一度「呪文」というやや自虐的な表現へ貶めたことで、続くピークの部分がより効果的になっていたという訳ですね。
さらにこの流れで「あんたUSのrap聞かねぇのか?」と勢い相手を突き崩しにかかります。
後半の畳み掛けは当然音韻的な効果を狙ったものですが、文脈上もっとも重要なのは「音の取り方だろ?」という最初の部分で、ムートンのrapスタイルのコアの部分がここにそのまま表現されていると見るべきでしょう。
「ふぁんく 死体だろ?」というdisで終わった最後のラインも綺麗で、中盤の勢いを殺すことなく、盛り上がりが高止まりしたままの着地となりました。
そして判定は割れて結果はドロー。大方の期待に応える形で(?)勝負は延長戦へ。
もう会場的にも勝敗どうこうよりもまだまだこの二人の対戦が見れる、という期待の方が大きかったのではないかと思います(笑)
ボイスオーバーではなくwar is over
ご指摘ありがとうございます!こちら訂正させてもらいました!
ありがとうございます!
リリックで聞き取れないとこがあってありがたいです!ふぁんく好きなので嬉しい限りです!
TCIY2018の句潤 vs ムートンの記事作って欲しいです!こちらからリクエストしてすいません!
リクエストありがとうございます!
その試合、ちょうど私も書こうと思っていて現在下書きに溜まっております!ペースが遅くてすみませぬ!