輪入道 v.s. ムートン
UMB2017 TCIY BEST8 輪入道 v.s. ムートン 再延長
今回はUMB2017 THE CHOICE IS YOURSからこちらのバトルをピックアップします。
これまでの試合の模様は以下のリンクからご覧ください。
[ムートン]
最高だぜ間接キス
ノンストップ フルスロットルdis
悪魔のkiss freestyler dis
俺のイス どかしてこりゃmiss
Kiss なくす 削り飛ばした言葉と
あとこの首をblast
Lightsとlifeと きかしたライター
火着けるライター right here, right now
[輪入道]
Right here, right now
毎日サイファー やってた頃から返した韻だ
恩とか義理 本当は意味なんてねぇのに
温度が地道に 上がってきたぜこの国では
だから見せたい更にクーデター
揺れるフロア 俺が動かす
誰がプロか教えるぜ甘ちゃん
[ムートン]
甘ちゃん カカちゃん
墓場 CT 揺らしたぜ仲間
あるかバリカタ 麺はhurry upだ
のっかした si, si
B-boyはhurry up
挫く彼ら これがやり方
HipHopを感じる
でも案外俺乗りこなす乱気流
One shot, one kill
[輪入道]
one shot one kill, kill kill murder
いつもの通りみんな殺しのpower
出してくだけ お前の言葉で
アンサーしてる奴いっぱいいるぜ
俺も見つめる 先の先の先
そうじゃなければマイクに無い価値
ありがたいことに命がある
だから仕込みじゃなくぶつけるlove
[ムートン]
OK 俺もビルの先の先の先と
谷と輪とアクション
ありとあらゆる事と場所 passion
何が揺らしたacture
言葉の価値だ
uh, 濡らしたヴァギナと針生まま
ちょっとこれじゃダメだ
メーター I gottaじゃねぇステップアップ
くらいなフルート 揺らした手榴弾
[輪入道]
最後の音抜けたところで
気持ちよくハネる それも男で
だけど心得てるぜ
お前の言葉より俺の言葉は重てぇ
Yeah, 分かんなくなるよな 俺もよくある
確認して始めようか
さらに先を見る カチコミ
ハリボテじゃねぇ白河のMC, Uh
[ムートン]
OK, 俺もわかんなくなる
そんでもトンがる 背負ってるローカル
一気にピンポン これに尽きる
付け入るスキならあるからscape
鳴らして芸風 イカした芸風
言葉の雑技団 シルク・ド・ソレイユ
レイプしながらまだ行ける
このまま止まれんな I’m a danger
[輪入道]
いつまでもツキ一滴していいぜ
俺たちの付き合いが長くなるその時が来るまで
街の路地裏で クラブの中で
クソみたいな奴に笑われて
でもまだやれることがあるから
俺もそん時になったら言うさ
お互いのガキか? お互いの親か
今しかねぇんだHipHopは宝
概要
8小節4本
勝者: ムートン
解説
UMB2017 TCIY BEST8 輪入道 v.s. ムートン 再延長
今回はUMB2017 THE CHOICE IS YOURSからこちらのバトルをピックアップします。
白熱したムートン – 輪入道の対戦もこれがラストです。
ちなみにここまでの模様は以下のリンクから順にご覧ください。
[UMB2017 TCIY] 輪入道 v.s. ムートン 延長
この試合は内容に負けず劣らずの熱い雰囲気のビートで、いつでもシリアスでバイブスたっぷりな輪入道にぴったりマッチしているのはもちろんなのですが、それに対してしっかりメッセージングで対応するムートンの方もよくビートを掴んでいました。
この両者のビートとの抜群の相性が最終戦をさらにエモいものにし、盛り上がりに一役買っていたのではないかと思います。
削り飛ばした言葉と あとこの首をblast
– ムートン
まず先攻のムートン。ビートに合わせてゆっくりと着実に一語一語吐き出していくアプローチなのですが、その中でも語の途中の音節を間延びさせたりして、フローに遊びがあります。
例えば引用の箇所だと「とばーしたことばーとあっとことくびをぶらーすと」といったような調子で、心地よさのあるうねるようなフローで乗りこなしていきます。実直に小節単位でのメッセージングを汲みあげる輪入道とは非常に対照的なのですが、この辺りのrapは本当に気持ちいいです。
Right here, right now
毎日サイファー やってた頃から返した韻だ
– 輪入道
対して後攻の輪入道。こちらはさすが国内トップレベルの即興性で、ムートンの最後のデリバリーを冒頭から即座に拾って巧みに自身のバースに組み込みます。
そしてスタミナも衰えずにそこから平然とライミング+メッセージングがより勢いを増してバースが加速していくのですが、これがインターバルなしの再延長であること、さらにその前一回戦ではJAKEと延長3回に及んだ死闘を終え、さらに二回戦でChill-Bを下した後という事情を考えればこの安定感は異常だと思います。
同日、正味8戦目の戦い方とは到底思えない完璧にクオリティーで淡々とラインを重ねていってます。
ライミングも相手へのアンサーも、吐けば吐くだけさらに強度を増すばかりです。トップオブザヘッドである分ごまかしも利かず、本当に驚異的なレベルです。
そしてそんな超人的な輪入道に呼応するようにムートンも熱量・クオリティーともに加速していき、この試合をより高いレベルへと昇華させていく感じになっているのですがまさに死闘、もう序盤から再延長の締めくくりに相応しく目が離せない展開になってます。
HipHopを感じる でも案外俺乗りこなす乱気流
One shot, one kill
– ムートン
こちらは2バース目のムートン。通常自分がダサいと感じた、認められない相手であれば「HipHopを感じねぇ」と吐き棄てているはずのムートンですが、そこは相手が輪入道ということでこのような発言になってます。ここに至るまでのやり取りで醸成された空気感がここに結実しているわけです。
さらに「感じる」から「乱気流」「one kill」と非常に技巧的につなげていて、メッセージングと両立させたかっこいい着地。延長2戦目にきてまだまだ衰えません。
俺も見つめる 先の先の先
そうじゃなければマイクに無い価値
ありがたいことに命がある
だから仕込みじゃなくぶつけるlove
– 輪入道
続く輪入道の2バース目。こちらはあくまで内容面でしっかりアンサーしていきます。ラストの「仕込み」のくだりは前の試合から持ち越したテーマですね。
バイブスや凄みを聞かせつつも、全体的な内容の整合性や意味上の起伏も外さないのが輪入道のすごいところ。長丁場なだけに、その即興性ももはや会場の誰もが理解するところになってます。
対するムートン。これに対して「先の先の先」の部分を拾ってライミング・フローともめちゃくちゃにビートとシンクロしたかっこいいバースに仕上げていきます。
Rapの技術面では圧倒するも、これまで輪入道に分があると見たのか、「ちょっとこれじゃダメだ」という心情も途中から漏れています。
これはムートンのパフォーマンスが悪かったというよりも、フローとメッセージングのせめぎ合いの中で、どちらが優勢かを推し量っていた中での一節なのだと思います。
お前の言葉より俺の言葉は重てぇ
– 輪入道
続く輪入道。ムートンのフローを認めつつ、このように内容面でさらに追い打ちをかけていく展開。
さらに先述したムートンのつまづきに対しては「俺もよくある」とフォロー。続けて「ハリボテじゃねぇ白河のMC」と対戦相手へエールを送るかのような内容になってます。即興にこだわる対応力ももちろんですが、この人間味というか懐の深さに輪入道のキャラクターがよく表れているように思います。
それにしてもこういうリスペクトを送り合う展開は大抵アツいですね。もうベストバウトと言っていいのではないかと思います。
鳴らして芸風 イカした芸風
言葉の雑技団 シルク・ド・ソレイユ
– ムートン
俺たちの付き合いが長くなるその時が来るまで
街の路地裏で クラブの中で クソみたいな奴に笑われて
– 輪入道
最後のバースです。これまで同様、ムートンはフローとライミングスキルに物を言わせた技巧的なアプローチで、その着地までクオリティーを維持してます。対して輪入道は相手を圧倒するバイブスとストーリーテリングで流れを覆していきます。
ここまでの消耗戦になると最終的に決め手になるのは瞬間的なインパクトになりがちで、最大風速を叩き出した側か、もしくは着地でピークを迎えた側が有利になることが多いです。
今回の勝負では先攻のムートンが勝利しました。最初からクライマックス状態で始まり、もつれにもつれた紛れもない名勝負でしたが、わずかに競り勝ったといった感じです。
それにしても恐るべきは両者のスタミナで、この後2回くらい延長してもまだ変わらないクオリティーでrapし続けそうです(笑)
勝者ムートンやで
ムートンが勝ってませんでしたっけ?
失礼、best4でムートンcimaでしたね!修正doneです!
あんたより乗りこなす乱気流かと思ってたw
でもアンタより乗りこなす乱気流
かと思う