Fugry v.s. DOTAMA
UMB2017 一回戦 鹿児島代表 Fugry v.s. 東京代表 DOTAMA
今回はUMB2017 GRAND CHAMPIONSHIPの一回戦からこちらのバトルを取り上げたいと思います。
DOTAMAの初戦、1回戦第1試合です。
[Fugry]
Ladies and gentlemen 始める2017
盛り上がる準備できてんのか?
俺が負けると思っとる?
ひっくり返すからよく見とけ
Mr.UMBとか呼ばれてるけど
コイツが何十年かけて積み上げてきたものを
数バース 一瞬でひっくり返してやるから見とけ
[DOTAMA]
動きが気持ち悪い
まるで存在感 気楽なアプリ
Yeah ぶっ殺してやる カスなFugry
ていうかオマエ バッグ後ろに置いて来いよ
ちゃんと楽屋あるだろうがオマエ
Yeah 迷彩柄着てるオマエの頭はめでたいな
[Fugry]
Mr.UMBとか言ってるクセに
ありきたりなことしか言ってないじゃん
俺は自慢するために来たヴィトンのバッグ
オマエより盛り上げる日本語rap
ハァ? コイツ UMBとか言ってるクセに
ライム読みしちゃってマジ大人気ねぇ
こんなヤツがチャンピオン? 笑わせんな
オマエが大本命とかいう台本無ぇ
[DOTAMA]
悪ぃなぁ 大人気ねぇから13年もここに居座ってんだよ
Yo だから今日こそ獲らせてもらうぜ
ヴィトンのバッグ? 基本 オマエ日本語rap?
それ基本ドラッグみてぇに麻薬中毒のように俺の頭に染み渡ってる
絶対制せねぇぜ今日の天王山
Yeah 鹿児島 頑張ってやって来たけど
アホみたいな君じゃ制せない東京の戦場は
概要
8小節2本
勝者: DOTAMA
解説
UMB2017 一回戦 鹿児島代表 Fugry v.s. 東京代表 DOTAMA
今回はUMB2017からこちらの一戦を取り上げます。
本年も当然のように本選に出てきたDOTAMA。この本選出場回数6回という数字は前年チャンプのNAIKA MCと並んで最多タイです。
一方の鹿児島Fugryは今回が本選初出場。初戦で優勝候補というクジ運の悪さですね。
それでは内容です。先攻はFugry、これが本大会最初のバースとなります。
プロップスの差を跳ねのけるようにして「ひっくり返すからよく見とけ」とスピットしていきますが、これが本日最初の試合ということもあって会場も大きく反応します。
そして最後はこちらのライン。一貫して大物食いを狙う姿勢のFugryですが、ここまでかなり順調にお客さんを反応させていて、会場の空気としては非常にいいファーストバースだったのではないかと思います。
Fugryはどちらかというと笑いを誘うような面白みのあるrapをするタイプなんですが、カジュアルなビートの雰囲気や、対戦相手であるDOTAMAとの相性など、色々な要素が作用してかなりやりやすそうな印象でした。
対して後攻のDOTAMA、冒頭のこちらのdis。ここは個人的にかなり笑ってしまったのですが、こうした斜め上から面白おかしく攻撃していく様はまさにDOTAMAの真骨頂という感じがします。
これには当然のように会場からも笑いと歓声が上がっていくのですが、そんな反応からもみんなに期待されている様子が伝わってきます。
続いてはFugryの2本目。こちらはこちらで「ありきたりなことしか言ってないじゃん」というdisに始まり、あまり劣勢さを感じさせず、飄々と自分のrapで勝負してる感じです。
そしてこのライン。これは先ほどのDOTAMAからのdisへのアンサーになっているのですが、あまりにも分かりやす過ぎたため、後半の「日本語rap」で盛大にライム読みを食らってしまいます。
(ちなみに解説欄すぐ下の画像がその時の様子です)
そして会場の多くもこのラインには予想がついたいたと見えて、ライム読みの展開に大きく沸き立ちます。
Fugryの方はそれに対して「Mr.UMBのくせに大人気ねぇ」と返していきますが、流れとしてはこの辺りでDOTAMAの方に傾いていた感じでしょうか。DOTAMAは勝ちたい気持ちが強過ぎるせいか、躊躇なく相手のバースに割って入っていった印象です。
こうした辺りからも今大会に賭ける意気込みを感じますね。
そして最後、DOTAMAのターンへと移っていきます。
まずは「大人気ない」というdisに対するこちらのアンサー。もう自分で「居座る」と言ってしまう辺りが彼らしくはありますが、それでもこのストレートなラインでさらに会場を味方につけた感はありました。
「オマエ日本語」「基本ドラッグ」といったライミングなど、小手先の技巧も挟んではいますが、やはりDOTAMAは思いの丈を素直にぶちまけるようなスタイルが盛り上がりますね。
結果としてこの勝負、DOTAMAが危なげなく勝利をおさめました。
Fugryも面白いrapをしていて最大限パフォーマンスが出ていたように感じはしましたが、DOTAMAのrapはさらに面白さに磨きがかかっていて、またオーディエンスの沸かせ方にも10年超のキャリアを感じさせる内容でした。
相手が悪かった感はやや否めませんが、鹿児島をrepして会場を上げていてFugryも面白かったと思います。
やはり地方から毎回初顔がたくさん登場するのもUMBのみどころのひとつだと改めて感じました。
いきなりアクセルのかかった試合展開で、今大会も面白くなりそうだと予感させるような1回戦第1試合でしたね。