[MCニガリ]
久しぶり2014年以来だね
覚えてるぜKOKI 岩手の雑魚ラッパーだろ?
コイツは二年越し
でも下手くそなrapじゃ資源ごみ
終わりだなKOKI
どこに帰ってく岩手の方に
帰ってけよ オマエなんてこの場所で耳元まで
ここでピリオドだぜ
[KOKI]
なんの変わり映えも無ぇな
成長したのはその腹だけか?
どうしようもない奴
俺は苦渋をなめた 二年前
今年は違ぇ ニガリ 危険だぜ
オマエのその目線 かなりやる気なさそう
やる気ゼロ 諦めろ 突き刺すベロ
ここで起こしてくぜ 俺が大どんでん返し
しっかりと握ってるぜこのMIC
[MCニガリ]
最高のMIC そいつが避雷針になってねぇから言ってんだろ?
やる気なさそうかい
俺のmicrophoneで俺のまたやる気なんてのは出て来ねぇからな
どっちがやべーrapをしてるか
UMB2016見極めな
コイツは俺の引き立て役
でもここで一瞬で 息絶えます
[KOKI]
Yo いいぜ 引き立て役 つまりツマ
聞かせてくれ オマエの断末魔
なんか不安 俺がNo.1
アンダーグラウンドからまたここで
デカい波を起こしてくぜ
ニガリ オマエには上がんないフラッグなんか
オマエに落としてやるよブラックサンダー
これでどうだ発信 間違いねぇだろ
咬ませ犬で終わる気は今日は絶対ねぇからな
概要
8小節2本
勝者: MCニガリ
解説
UMB2016 1回戦 長野代表 MCニガリ v.s. 岩手代表 KOKI
今回はUMB2016からこちらの一戦を紹介します。
この二人、UMB2014で一度対戦していますね。その際はニガリがストレート勝ちしてるのでKOKIにとってはリベンジマッチという格好になります。
それでは試合を見ていきます。
まず先攻はニガリ。この1ラインで大物対無名の若手MCの構図を作り出していきます。
じつは前回のUMB2014では両者本選初出場で、そこから数えて本選へはニガリ3回に対してKOKIが2回とそう変わらないのです。
ただしニガリは高ラ選でのプロップスやUMBはじめ他大会での戦績がある分、この辺りの発言にも箔がついてる感じがしますね。
その後もライミングを交えながら割とハードにdisを重ねていきます。
対して後攻のKOKI。こちらも負けまいとアンサーで反撃。
特に「変わり映えがない」というdisは、ニガリに対して非常に的確な指摘ではないかと感じました。バース冒頭だったのが惜しいくらいですね。
続いてこちら。ライミングも内容も綺麗なラインです。KOKIは押韻もハードに内容と両立させるスタイルですが、個人的にはGIL辺りに近いスタイルを持ったMCという気がします。
対して後攻のMCニガリ2バース目。こちらは最後のラインですが、さすがに上手いです。
ニガリがスゴいのはそうした「決めのライン」をバースの構成上しっかりピークに持ってこれるところにあります。思いついたアンサーや韻を端から吐いていくだけではできない芸当ですが、ここができるMCとそうでないMCでは雲泥の差が生まれてきます。
KOKIと比較して、ニガリのバースに余裕があるように感じられる最大の要因はそこにあるでしょう。ひとつひとつのラインを取り出しただけでは差はほとんどありませんが、構成が違うだけで大きな差になっている感じです。
そして後攻のKOKI。最後のバースです。
中盤のこのライン。ここはナイスですね。例えネタでもアガってしまう、よくできた内容だと思います。
そして最後のスピット。余裕に構えるニガリに対して、思いの丈をストレートに表現したKOKIという構図。
熱の入ったrapを続けたKOKIにかなり感情移入してしまった2バース目となりました。
そんなバトルでしたが、勝ったのはニガリ。それぞれに盛り上がる場面もありましたが、結果としてプロップス的には順当な判定という感じになりました。
この二人は3度目の対戦が見たくもありますね。