Disry v.s. CIMA
UMB2017 TCIY BEST32 Disry v.s. CIMA
今回はUMB2017 THE CHOICE IS YOURSからこちらのバトルを取り上げたいと思います。
[Disry]
もう目を見た瞬間に分かる
今日一番アツいBEST BOUTがこの場所だ
Motherfucker 熱韻スタイル
ライム吐き出す松山レペゼンだ
ZEPPとかなんだ? 難関を越えてく
なんだその目俺はどこ見てrapをする
まずは先攻 言語の動向 これが即興
同胞 松山四国から上げてきたぞ
[CIMA]
目を合わせた瞬間に逸らしてる
服装だけじゃなくてオーバーだな
コーナーから 攻めてけ俺ならゴージャスだな
関西ローカル 案外じょう出す
いつも饒舌使い
オマエはどこ?
愛媛ウワサほどではないぜ
熱韻 余裕綽々
[Disry]
おい 違ぇぜ
服も心もオーバーサイズのゆとり世代
オマエに見せたい世界
You & I step die, can I kick it?
いつものようにmicで接待
蹴りたいライムがあって東京まで来たぜ
調子どうだ? ZEPP TOKYO
今日もmicrophoneをcheck, yo yo
[CIMA]
大丈夫っすよ
熱さの向こう側を見れてないMC
俺今年は目じゃない
そろそろ見ろよ熱さの向こう側
俺なら不動だな
このフローから 醸し出す
関西 兵庫
ZEPP TOKYO
Rep 兵庫 パラダイム
ゴージャスなプラン
オマエじゃ無理だ 持ってこいブランツ
[Disry]
おい90’s気取りのB-boy
ゴージャスって言う割にカネが無さそう
颯爽と現れて俺はカマすぜ
熱さの先? コイツよりLIVEがしてーよ
オマエが指定してるとこ 師弟関係ではない
手堅いライムで目がないこのフリースタイル
いつまでも行きたいとこに行きたい
期待も全部背負って東京いただくぜ
[CIMA]
オマエはビートにも乗せられてるし
服にも着られてる存在 わかる?
ちゃんとサイズを合わせて来い
AFTERBASE 一二三屋 問題ない, right?
東京遊べよ 暇なんだったら観覧車でも乗れ
俺なら元旦のノリ
シャンパンよりもポン酒ってwoo wee
概要
8小節3本
勝者: CIMA
解説
UMB2017 TCIY BEST32 Disry v.s. CIMA
今回はUMB2017 THE CHOICE IS YOURSからこちらのバトルを取り上げたいと思います。この試合は熱いMC同士がぶつかり合う「バチバチな」対戦になってます。
それでは早速内容です。まず先攻はDisry。ここはその前の試合、MAVELとmol53の試合からの引用になってます。
Disryはその場その場で思いの丈をスピットしていくバイブス先行といったタイプなのですが、CIMAを相手にしてもなんら臆することなくそのキャラクターがしっかり出ています。
続いて2バース目、ここはDisryが勢いで返していた場面で、個人的にかなり好きです。
ただしCIMAの「服装だけじゃなくてオーバーだな」というラインに対するアンサーなので、反論にはなってないですね(笑)あくまでもrapの調子と勢いで上回った感じです。
Disryは自らのスタイルを「熱」と称してはいますが、CIMAのバイブスに合わせてスピットしていく場面と、ちょっと抜けたフローで相手を茶化していく場面が半々という感じですね。
こういうドがつくほどシンプルな押韻でもそれらしくなるのが非常にDisryらしくてイイ感じです。
続いてCIMA。そんなDisryのスタイルへの攻撃がこのラインです。
その後には「ZEPP TOKYO」「Rep 兵庫」とDisryと同じライミングでかぶせていくのですが、真正面から突っ込んでスピットしているようで、こういうところは芸が細かい。
そして3バース目、Disryから直球の切り返し。このラインも全力で相手を茶化しにいく感じで面白いです。
続いて「熱さの先? コイツよりLIVEがしてーよ」と先ほどのラインへアンサーしていくのですが、スタイルどうこうの話よりも勝ち進んでLIVEがしたいという内容になっていて、返す言葉がけっこう真っ当な感じです。
そして最後は拍を度外視して詰め込めるだけ言葉を詰め込んだラインで一息に疾走してバースが終了。ここも緩急です。
対して後攻のCIMA。ちょっと長めの引用ですがこの切り返しがやりとりの上では本試合最大のハイライトではないかと思います。
まず前半2小節はここまでの流れのおさらいで、「オーバーサイズ」のくだりとビートキープの話題を一挙にdisります。
さらに「サイズを合わせて来い」はそれらのテーマに対してダブルミーニングになってるわけですね。このムダのない流れ、スゴくないですか?
そして続けざまのラインが「AFTERBASE」「一二三屋」あたりの内容で、ファッションの話題から身近なテーマにスムーズに推移していくような流れになってます。
CIMAがスゴいのはこれら一連の流れをrapのクオリティを一切落とさずめちゃくちゃスムーズに繋げているところで、「内容シフト」「フローシフト」といったつなぎ目を本当に感じさせません。
そんなわけで勝者CIMA。彼のスタミナは本当に素晴らしく、何本やってもこの安定感は揺るぎそうにない感じでした。例えこの試合が延長になったとしても、その先も疲弊した相手に危なげなく勝利していたと思います。そう思わせるくらいにCIMAのスタミナが尋常ではありませんでした。さすがです。