呂布カルマ v.s. GIL
UMB2017 TCIY 1回戦 呂布カルマ v.s. GIL
今回はUMB2017 THE CHOICE IS YOURSからこちらのバトルをピックアップします。
ヤングたかじん・・・ではなく今回は呂布カルマです。
[呂布カルマ]
正気の沙汰じゃねぇ
まったく何の恨みもねぇ片田舎のMCを
こっからギッタンバッタンにやるしかねぇ
ドリームマッチ なんのことか分かんねぇ
俺にとっちゃオマエなんてどーでもいいよ
夢に見たことないし この先も見ない
見るのはオマエが悪夢
[GIL]
残念 俺が見るのは悪夢じゃない 現実
今も乗っかった旋律
そう ストリート 路上
あいにく俺もオマエのことは見えてねぇ
自分自身 それを映し出すことがHipHop
これは芸術でもスポーツでもない
等身大 それが俺のrapスタンス
[呂布カルマ]
おめーがどこの道端にいるのか知らないが
ストリートで培ったことその程度
俺は家でネットも触る 膨大な情報量
オマエの地元がどこだか知らねぇ
俺も知らねぇ そりゃ一生遭わねぇ
一生やってろ 路上の隅っこで
俺はでけーステージでやりたいことやるぜ
[GIL]
今日はでけぇステージで会えた
オマエのことを見てねぇと言ったが
年末 福島来てくれたじゃねぇか
Oh お互い知った顔だな 今更
だが オマエの情報量よりも
オマエより自分のポテンシャル
それを探り出していく
ヘタなものに惑わされず生きていく
[呂布カルマ]
Yeah yeah 当たり前に不公平
最初から無いヤツは一生無い
最初から持ってるヤツは失わない
俺とコイツの違い 一目瞭然
両手に花の状態
オマエ鼻垂らした寒い街のヤツ
風邪ひいてんのかよ? 顔が真っ白か
これはライトのせいじゃねぇな
[GIL]
Yeah ライトのせいじゃねぇよ
生まれつきオマエを斬る白い悪魔だ
これは黒人とかじゃない
JPN 福島のラッパー
このフレーズだけで 俺は生きた心地を感じてる
失いっぱなし それだから
今日獲ったもの 大切にしたいんだ
概要
8小節3本
勝者: GIL
解説
UMB2017 TCIY 1回戦 呂布カルマ v.s. GIL
今回はUMB2017 THE CHOICE IS YOURSからこちらのバトルを紹介したいと思います。
呂布カルマ対GIL。さすが投票で選ばれただけあって豪華なマッチアップ。これが一回戦とはもったいなさ過ぎる感じもしますね。
この試合、ジャジーなトラックの上を各々が言いたいこと言いまくっていく展開になるのですが、それぞれにキャラの出ているパンチラインが飛び交い、期待を裏切らない面白い経過を辿っていくことになります。
まったく何の恨みもねぇ片田舎のMCを
こっからギッタンバッタンにやるしかねぇ
まず先攻の呂布カルマ。自身も名古屋という地方をrepするMCのはずなんですが、彼にかかれば全国的にプロップスを持つGILも最初からこの言われ様です。
あいにく俺もオマエのことは見えてねぇ
続いて後攻のGIL。これは「俺にとっちゃオマエなんてどーでもいいよ」に対するアンサーになっていて、GILもメッセージングで負けていないです。
このラインはGILだからこそ沸いたものの、呂布カルマに対してこの手のdisを吐くには、言う側にもある程度のプロップスが必要になっている感じがしますね。
これは芸術でもスポーツでもない 等身大
ここはモロにGILのキャラクターが出ているラインと言えるでしょう。上からズケズケと物申す呂布カルマに対して、こちらは下手に言い返さずに自身のアティテュードを淡々と提示していくワーディングで、オーディエンスの沸き様を見る限りこの戦術は功を奏しているように見えます。
GILと言えば「裸一貫」や「等身大」と言った実直な語彙が際立つのですが、そうしたクセや好みがこの時点ではいい感じにハマっている感じでしょうか。rap自体もビートとの相性抜群で格好いいです。
おめーがどこの道端にいるのか知らないが
ストリートで培ったことその程度
一生やってろ 路上の隅っこで
俺はでけーステージでやりたいことやるぜ
対して呂布カルマ、これは先のUMB2016、mol53戦でも同様のスタンスからスピットしていましたが、アンダーグラウンド勢をこき下ろすようなdisはもはやお家芸な感じですね。いい感じです。
オマエのことを見てねぇと言ったが
年末 福島来てくれたじゃねぇか
続いてGILの2バース目から。ここでマジレスです(笑)
呂布カルマの方はある程度エンターテインメントとして「演じている」節があるのですが、GILはもうキャラクターそのままに思ったことをバシバシ言っている感じで、それはそれで好感が持てるのではないでしょうか。
お互いに臨戦態勢のまま舌戦が続くとピリピリしっ放しで試合が経過していくのですが、GILの方がそれを良しとしなかったのだと思います。
罵り合いの最中にこうした人間性が垣間見える瞬間もまたバトルの醍醐味ではあるのですが、彼ほどそれが顕著に出るMCもいないかもしれません。
当たり前に不公平 最初から無いヤツは一生無い
最初から持ってるヤツは失わない
そして最後、3バース目です。
個人的にはここが本試合最大のハイライトで、よりパンチラインらしいパンチライン、ここにきてズシンとくる重たい一撃が呂布カルマの口から放たれた格好となります。
リリカルかつ両者の差異を鮮明に打ち出すフレーズで会場を沸かせていて、GILのキャラクターが固定化されている分効果てきめんだったのではないかと思います。さすがですね。
ライトのせいじゃねぇよ 生まれつきオマエを斬る白い悪魔だ
続いて後攻のGIL。こちらは呂布の「顔が真っ白か これはライトのせいじゃねぇな」というラインへのアンサーになるのですが、このGILの雰囲気と言い切っている語気の強さでかなりオーディエンスも沸いていました。
これは黒人とかじゃない JPN 福島のラッパー
ご存知のように彼は毎回同じようなメッセージを打ち出しているのですが、その場その場のタイミングや雰囲気など、毎回rapとしてのかっこ良さやメッセージングの印象強さで聴き手に強烈な印象を残している感じがします。
とにかくGILの重たいラインがガッチリはまるとお客さんの沸きがすごいのです。
飾らない言葉選びと、決して崩れない地元repのスタンス相まって、プロップスだけでは説明できない、どこか応援したくなるような人間性がGILの長所であり、キャラクターなのではないかと思います。
そんな感じのバトルでしたが勝ったのはGIL。より沸かせていた方が勝つという納得の判定ではありますが、呂布カルマが一回戦落ちということを考えればサービス延長でもよかったのかな、という印象があります。
この試合はジャジーなビートの雰囲気もあって、いつまでも観ていられそうなほどクオリティの高い戦いになっています。
バトルビートはシリアスな熱い雰囲気のものも好みですが、やはりジャジーで言葉が映えるトラックもいいものですね。それにしてもGILの一家戦負けはもったいない!
この試合勝ったのは
ギルの方ですよ。
それから呂布カルマの
1バース目は
ローリングタッチじゃなくて
ドリームマッチだと思います。
試合前に司会が言ってたので
多分そうだと思います。
> けんてぃ さん
コメントありがとうございます!
ご指摘の箇所を訂正させてもらいました。他の大会と勘違いしてしまっていたようです(汗)
戦極12章のKZ vs カクニケンスケの試合お願いします!
> しゃかゆり さん
コメントありがとうございます!リクエスト承知しました!