[UMB2016] ヤングたかじん v.s. mol53

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ヤングたかじん v.s. mol53

UMB2016 BEST4 愛知代表 ヤングたかじん v.s. 宮崎代表 mol53

UMB2016からこちらの一戦。優勝候補の一角同士と言えるマッチアップで、誰もが見たかった対戦ではないかと思います。

[ヤングたかじん]

まぁ ザッと見渡してみたところで

俺の相手務まりそうなのはおめーぐらい

でもみんな言うよな大麻の話題

仕方ない もう開けたのかよ執行猶予は

悪いことすんなとは言わないがせめて巧くやろうぜ

rapと一緒だよ しみったれたツラしてんじゃねぇ

オマエいつまで経ったってアングラ


[mol53]

やっぱオマエ何回見てもヤッバイ

とか言わせないしクソダサいし 説教臭い

オマエの言葉聞いてみても 俺らは心ごと踊れない

Beats&Rhyme わかる? オマエのメッセージしつこくない?

だって揚げ足ばっか取るだけ

それしか出来ねぇザコは消えとけ


[ヤングたかじん]

一回言っても伝わんねぇから何回も言うんだろ

オメーも大概学ばねぇヤツ

いつまでも泥すすってやってんのかHIPHOP?

バトルも大概来るとこまで来た

その先を見せねぇとしょうがねぇ

アングラ? 大いに結構 それ勝手にやってろ

こっから先の世界にオマエは必要無い


[mol53]

そうですか そうですわね

俺はテレビに出ない

オマエテレビに出てチェケラ それ笑えない

アングラは語らせない これ汚させない

いやいやいや ホントなんすよ

4大要素をオマエから感じねぇ

なんだよその古着屋で買ってる安っぽい服

それでタレント気取ってる 笑わせんじゃねぇ


[ヤングたかじん]

勘弁してくれよ 毛玉だらけのトレーナー着てるヤツに言われたかないぜ

つま先からつむじまでなってねぇ

オマエ アングラ 勝手にやってろ

俺も十何年もう飽きるくらいやってきたよアングラ

本物のMCはrapする場所を選ばない

テレビだろうが武道館だろうが

どこでだってやってやるよ

オマエは下水道でやってろ


[mol53]

勝てるからな

オマエは客に目線を下げて合わせてるだけ

「呂布カルマー 呂布カルマー 呂布カルマー」

宗教みたいでmotherfucker

いやいや そうなんすよ

オマエが目線を合わせてカルマを演じる

俺は自分自身 化の皮を剥がす

ヤングたかじん ここで終わる


[ヤングたかじん]

しつけぇな そうだよ ヤングたかじん

誰も呂布カルマとか言ってねぇから

オマエmol53 いつまでたったって燃え残ってる

俺が低温で骨からじっくり焼いてやる

灰にしてフッと飛ばしてやる

オマエ ハイになんの好きだろ?

現実逃避してろ 俺は現実を見てる

なんも手放さねぇ 失くすもんもねぇ

全部掴むんだよ


[mol53]

失くすもんがねぇのか?

俺は失くす物が多すぎて大事にやり過ぎちゃったな

これは深層に行くゲームじゃねぇんだ 綱渡りだ

こっち見んなよ あ? 小言がうるせぇな

こういう小言を使って俺に勝つ

そして前の試合でライブを考える

こっちに来い オマエがこっちを向いてる

その時点でオマエの負け 確定してる

概要

8小節4本
ビート: MACCHO , NORIKIYO , 般若& DABO / Beats&Rhyme
勝者: ヤングたかじん

解説

UMB2016 BEST4 愛知代表 ヤングたかじん v.s. 宮崎代表 mol53

今回はUMB2016からこちらの一戦です。ヤングたかじん対mol53。準決勝でこのマッチアップで、正真正銘の優勝候補同士による大会屈指の好カードとなります。おそらく今大会を語る上でも避けて通れない対戦ではないかと思います。

早速バトルを見ていきます。まず先攻はヤングたかじんからで、1バース目から逮捕の件をネタに戦端を開いていきます。これは前年にmol53が罵倒2015決勝大会への出場を諸事情で見送ったことに対する言及かと思いますが、あまり裏付けのある情報も少なく、界隈では様々な情報が行き交っていた件ですね。

そうした事件・イベントをただの罵倒ではなく身の上話のような語り口で言及していくあたりがヤングたかじんの憎いところではないかと思いますが、そんな流れの中、ここぞというタイミングで出た「悪いことすんなとは言わないがせめて巧くやろうぜ」というラインが非常にかっこよく、かなり上がりました。もうこれは大会中一番のパンチラインだったかもしれません。

対して後攻のmol53。「クソダサいし 説教臭い」とストレートにヤングたかじんを罵倒していくのですが、純粋なビートキープやrapスキルに傾倒するmol53からすると、プロップスで勝ち上がり評価を集めているように見えるヤングたかじん(呂布カルマ)には思うところもあったでしょうし、これはなかなか心からの主張という面もあるんじゃないかと思ってます。

この点は「俺らは心ごと踊れない」という続く内容からも裏付けられます。「踊れないrap」であることを揶揄し、やはりその方面からdisを重ねていくmol53は対呂布カルマの戦術として打ち出す姿勢が非常に明確です。構図の分かりやすいバトルはオーディエンスの判断もまた明快になるのですが、さてこのバトルはどうなるか・・・

対する呂布カルマのアンサー。「いつまでも泥すすってやってんのか」「アングラ? 大いに結構 それ勝手にやってろ」とこちらもバッサリ相手を斬っていきますね。不遇をかこつアングラ勢をレップしているとも言えるmol53に対してこの物言いです。アングラ界隈のシーンに共感するヘッズにとっては受け止め方の複雑なラインかもしれませんが、双方のメッセージがぶつかり合う、という点においてはバトルらしいバトルという見方もできそうですね。

さて、対するmol53のアンサーですが、「テレビに出てチェケラ」というHipHopシーンに古くからある伝統的な手法を用い、非アングラであることを戯画化して描き出すことで攻撃していきます。

この時点でもう明確に立場の異なる二者の論争といった様相になってきていて、「いやいやいや ホントなんすよ」というビートから離れたmol53の発言からも、もはや表層・表現としてのrapを離れてメッセージと対話の部分に完全にフォーカスしていっていることがわかります。

この対話にシフトした傾向は最後まで続いていくのですが、特に日頃ビートキープやフローに重きを置くmol53の方に顕著です。ラストの「俺は失くす物が多すぎて大事にやり過ぎちゃったな」など、もう完全に話し言葉・平叙文であり、偽らざる心情の吐露という側面がより強調されているように聞こえます。この語気の弱まった調子がまた印象的です。

そんなバイブスの失速を埋めあわせるようにバース後半では罵倒する言葉を重ねていきますが、ヤングたかじんの方がブレずに安定して自身の思想や世界観を語っていたため、若干空回りになってしまった感じでしょうか。特に4バース目の「現実逃避してろ 俺は現実を見てる」との一節はここまでの試合展開を締めくくるラインであり、対話の上での両者の優劣を浮き彫りにするようなパンチラインで、会場もここで沸き立っていました。

そんなわけでこのバトルはヤングたかじんが勝利をおさめるのですが、この組み合わせで対話らしい対話、メッセージの直接的な交換がここまで見れるとは思いませんでした。バトルとしてみたらすごく面白い噛み合い方だと思います。

※ テレビに出てチェケラ

AbemaTVにて同月に放送された「NEWS RAP JAPAN」という番組に呂布カルマとして出演している。

※ 4大要素

HipHopを構成する4つのアクティビティ(Rap、DJ、グラフィティ、ブレイキング)を指す。

[UMB2016] ヤングたかじん v.s. mol53” への3件のフィードバック

  1. mol53の1バース目のBJYのところは、ビーツアンドライムだと思いますよ。この試合のビートがbeats&rhymeという曲のビートなので。

    • > 吉野さん
      > y1107xxさん

      コメント頂きありがとうございます!
      ご指摘頂いた箇所は訂正させて頂きました!また、ビートの欄も反映致しました。
      普通に聞き取ろうとして難儀していた部分でしたので大変助かりました!

  2. BJYじゃなくて、ビーツアンドライム
    ビートの名前ですよ

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