[K-razy]
クソガキ? 俺は若手
断ち切る大阪連覇の流れ
HIDDADY ERONE
あとR越えた 大阪 K-razyだ いいか
準備OK? みんながしっかりとやっていく中
言葉吐いていくぜ
西を詰め込んで ぶち込んでいくぜ
[Rozetta]
準備なら俺もOK
当然 no pain, no gainだぜ ここが表現だ
俺が表現者 通せんぼ
オマエにはたどり着けないぜ桃源郷
大阪今日なら俺が倒すぜ
Rozetta かっこいいだろ? 北海道
超最高のテンションで到着
大東京 揺らしていく会場を
[K-razy]
見据えていく桃源郷
見るぜ 両目からこの望遠鏡
Yo 俺はブリブリ
ポパイみたいに吸わないホウレン草
関係ねぇなおめーのその言葉
キリンのアヤ この間違い方
間違い yo オマエ 立場をわきまえろ
[Rozetta]
Yo 立場なんて 明日俺が決めるぜチャンピオンになってな
オマエK-razyっていうけど意外と普通
みんな俺に夢中 それがオマエにゃ苦痛
そう 辛そうだね こっちも退屈
俺がカネで買ってやるよ ダサい靴
チャンピオンは今日は俺になる
俺が一番星獲る オリジナル
概要
8小節2本
ビート: SMITH-CN & SIMON / ESCAPE TO THE PARADISE
勝者: K-razy
解説
UMB2015 BEST32 大阪代表 K-razy v.s. 北海道代表 Rozetta
今回はUMB2015からこちらの一戦を取り上げたいと思います。どちらも本選初出場同士の対決となりました。
前年までのUMB、大阪チャンプと言えば5年連続でR指定。そしてその前はHIDADDYやERONEが並ぶ超がつくほどの激戦区でしたが、3連覇を遂げたR-指定の後釜が注目される中でこのK-razyが勝ち取った格好となりました。
1バース目先攻のK-razy、冒頭から熱の入ったこちらのラインですが、そんな状況の中で吐き出される言葉にお客さんも沸き立ちます。
対して北海道代表のRozettaですが、こちらはハードなライミングで言葉を切れ目なく並べていくスタイルで、北海道勢でいうとKAIなどに近いかもしれません。
北海道と言えば松島の異色さが際立ちますが、実はKAIやNastyTEZ、しろくまなど、押韻シフトのスタイルがけっこう多いのですよね。それにしてもベースのスキルはさすがのものがあると思います。
特に2バース目、「立場をわきまえろ」に対するアンサー。ここの切り返しは非常によかったです。ただストックの披瀝に終わらずしっかり相手の言葉へ打ち返していく姿勢を感じますね。
加えてこちら。K-razyにとっては各所で散々言われ尽くしたdisではあるのですが、Rozettaのスタイルと妙にハマっていてあまり陳腐な感じがしません。
こちらはK-razyの2バース目。Rozettaの「桃源郷」という単語に合わせた返し技で、その瞬発力はさすがですね。
K-razyは私が知る中でも特にアンサーが上手いと思わせるMCで、単に相手の発言の単語単語の表層へ返していく感じではなく、話の前後関係や抽象的なニュアンスまで含めた意味に対して打ち返していく感じがスゴいんではないかと思います。
その意味で同じ大阪でも梅田サイファー界隈とはまた違った面白さがある気がします。あちらがスタミナ無尽蔵のガトリングガンなら、K-razyの方はロングレンジのスナイパーライフルといった感じでしょうか。
とにかくアンサーの射程が広く、一発必中のラインが出てくる瞬間は見ていて非常に面白いです。
この試合は両者の良さがそれぞれ出ていたバトルで、タイプの異なる両者がお互いの武器で殴り合う感じがよかったです。
特にK-razy、R-指定三連覇でハードルが上がりきっていたところ、一回戦からいい具合に存在感を示せたのではないでしょうか。
続くBEST16の句潤戦でもかなり面白い戦い方をしていて、個人的には大阪代表=R-指定というイメージをものの数試合で刷新したインパクトは大きいと思っています。
[UMB2015] K-razy v.s. 句潤
ネタバレしてしまいましたがこの試合の勝者はK-razy。大阪勢には珍しくライミング先行ではなくアンサーに真価を発揮するタイプのMCで、ハマった時の展開の面白さはスゴいと思います。