[掌幻]
やっとやれたな龍道
俺ならしない躊躇
バッチリとブースト かかってるぜ
つまり俺ならエンジン始動
今日勝ち上がって立ててやる前人未到 hey
ただダラダラ並べるだけなら
オマエ簡単だから止めとけよ
最高の組み合わせ 好きなだけぶちかませる
I’m a 掌幻 レペゼンは隅田だぜ
[龍道]
Yeah あんたが隅田 ならば俺は平塚
このフローはならばまるで稲妻
まるでライムはいたずら
だがお客さんを満たすバースかます
ラッパーは抹殺 させるだけの俺のフロー
見せつけてやるぜまるで
あんたの渋谷ハザード
Yeah ここで殺すササっと
Yeah まるでHipHopゾンビ
これは実力行使
Yeah 見せつけてやるhomie
だけどここで勝利 掴むのは俺の方
それをわからせるだけの俺のフロー
[掌幻]
ハァ? 俺のバースまたがんな
Ei-yo motherfucker
簡単な言葉並べやがってこの野郎
オマエが平塚? なんかキナ臭っ
地下臭いところからしっかり上がってやる起爆剤
今日はハザードじゃねぇO-EAST
俺のLIVEは四輪駆動
Hey オマエと馬力が全然違ぇ
Hey yo オマエ今日は敗北を経験して
[龍道]
Yeah 敗北は経験しねぇ
さっき言った言葉使ってやるよ 前傾姿勢
俺はいつでもそう
あんたのマイク電源切れ
そんな感じだぜ 俺はそう
全然あんたには否定してく
そう プロップスあるかもしんねぇ
あんたは掌幻さん
先輩だけどここで見せつける限界
俺は天才 努力の変態
分からせるだけここの展開
見せつけてやるぜ限界 展開
天下一武道会みたいなもん yeah
概要
8小節2本
勝者: 掌幻
解説
戦極MC BATTLE 第15章 一回戦 掌幻 v.s. 龍道
今回は戦極の15章からこちらの一戦を取り上げたいと思います。
この二人、どちらもライミングと内容を両立させつつ、安定感のあるrapをするタイプなのですが、それだにどちらがアンサーで流れを引き寄せるかという感じの展開になっていきます。
まず1バース目。オーソドックスに押韻でつなげていく先攻掌幻ですが、「バッチリとブースト」の辺りなど、規則的なラインが続き中で跳ねるようなフローがあったりして、単調にならずに巧く緩急をつけていきます。
続く「ただダラダラ並べるだけなら」という部分も、二文字ずつ短く切ってトラックのベース音に合わせたりして、多彩なバリエーションを見せている感じです。
対して後攻の龍道。こちらは掌幻以上に規則的・機械的に言葉を落としていくスタイルで、両者の文字量を比べると明白ですが、語の量も龍道の方が一回りくらい多く詰め込んでいます。
掌幻に比べて語彙こそひねりの無い無骨なものになっていますが、ビートがシンプルな分、この龍道のタタタタッという狭く敷き詰めたフローも小気味よく聞こえます。
そして2バース目、「俺のバースまたがんな」、「簡単な言葉並べやがって」とその場の状況に合わせてガシガシ攻撃していく掌幻に対して、龍道は相手の言葉やその場の状況を活かしてライミングこそ繋がるものの、攻撃らしい攻撃は繰り出せず、後攻のアドバンテージを活かし切れずにバースが終わってしまったような印象です。
そんなわけでこの試合勝利したのは掌幻。キャリア・経験の差というべきか、地力の差と言うべきか、やはり掌幻の方が試合の流れを見て相手の手をさばく余裕を持っていたように感じました。そのわずかな差が結果に現れた感じがしますね。