[SIMON JAP]
相手はJAG-ME SIMON JAPかますぜ
それが俺の役目 だからオマエを殺すぜ
そのために俺は戦極 来たぜ
行くぜ ライムの連続
でオマエのことボコボコに
しろよ オマエしとけよほどほどに
[JAG-ME]
ボコボコにしたい 見たいが
どこか民謡みたいなライム
ただズラズラ並べても俺にゃ効かない
この壁高過ぎない?
JAPよりJAGならいい声援くれ
もっと笑み スマイリーになるようなrap
BULL-SHIT やっちゃうようなrap
[SIMON JAP]
確かにオマエは背が高ぇ
でも rapがマジめちゃダセぇ
そんなんじゃ マジで無茶だぜ
俺に勝つのは 俺は武者だぜ yeah
マジ 侍 危ない マジで
オマエ トーナメント表書いたの後悔させる
ふざけんじゃねぇ オマエ公開処刑
マジで このままマジ退場
[JAG-ME]
公開処刑なんてどうなんでしょうねぇ?
テキトーに名前 書いただけ
どこぞの日本人ぐらいならば 石ころのように軽く
ひねり潰してどこかに捨てちゃうヤツ
オマエは下から応援します
だんだん増します俺のフロー
歓声足らねぇけど まるでblow
[SIMON JAP]
確かに俺は石ころ
だけどやめようと思ったことないぜ一度も
この場でコイツにはピリオド
耳元に届いてんだろオマエら
分かってるヤツらだけでいい
分かんねぇヤツはごめんなさい
後で俺が 分からしてやるぜ
HipHopオマエも好きだろ? 俺も好きだよ
そうやってやり合ってこうぜ JAG-ME
[JAG-ME]
後で分からせられりゃそれもいいが
ここでつまづいちゃマジでつまんない
つまんないヤツ CD出したって誰も知らないみたい
聞こえるようなライム ちゃんとしなよ
短髪じゃなくて単発で終わるヤツ 次がないヤツ
NEXT GAME ここGAMEで切り開くfight
概要
8小節3本
ビート: DJ KEN WATANABE / G.O.L.D feat.KOHH
勝者: SIMON JAP
解説
戦極MC BATTLE 第9章 1回戦 SIMON JAP v.s. JAG-ME
今回は戦極9章からこちらのバトルを紹介したいと思います。
SIMON JAP対JAG-ME、どちらも選抜メンバーのため、この本選から参加となりました。
まず先攻のSIMON JAP。「あ-い-て-は-ジャ-グ-メ」と一音一音拍に合わせる立ち上がりからスタートして、後半にいくにつれ徐々にボルテージが上がっていくような構成になっています。
もともと今回のビートが前半4小節の簡素で静的で始まり、後半で音の種類が増えて激しさを増していく、という2段構成になっています。
両者それに合わせてrapの緩急をつけていくのですが、さすがにSIMON JAPはこの辺りの強弱のつけ方が上手く、1バース目から早くもお客さんを盛り上げていきました。
一方のJAG-MEはいつも通りの飄々としたフローですが、内容的にはSIMON JAPに呼応するようにけっこうdis成分が高く、好試合を演じています。
またSIMON JAPほどではありませんが、前半後半のトラックの落差もrapの語気・語調にほどよく表現されていて、コントロールしている印象でした。
こちらは2バース目のSIMON JAPから。当日は空欄のトーナメント表へ各MCがクジで決められた順番で名前を書き込んでいったのですが、SIMON JAPが入っているバトルへ後から記名したのがJAG-ME。そのことを言っているわけですね。
それにしてもここは動きのあるビート後半部分に乗せてスゴい剣幕でガナっていて、かなり迫力あります。目の前でこんなこと言われたらはっきり言って怖いです。「公開処刑」とか言っちゃってます(笑)
そしてそれに対する後攻JAG-MEのアンサーがこちら。荒ぶるSIMON JAPと比較して、こちらは冷めた切り返しになってます。
個人的にはこの2バース目のやり取りが本試合でも大きな見どころだと思っているのですが、大声でまくしたてるSIMONも、淡々としらけた雰囲気で打ち返していくJAG-MEも、それぞれのキャラクターに沿った、「らしさ」のあるrapになっている点がとてもよかったと感じています。
とくにJAG-MEはビートの雰囲気や先攻SIMONの出すバイブスに変に引っ張られず、自分のペースをキープして「付かず離れず」の距離感で対応できていたことがいい感じにrapに表れていたんではないかと思います。
こちらはSIMON JAP最後のバースですが、ライミングが簡素な分、内容的な起伏が今回勝負の決め手になっていたように思います。
そして結果的にはSIMON JAPの勝利。彼のバース中、然るべき場面で会場の声も出ていて、狙い通りに盛り上がりを作れていたような印象です。
ビートの落差に合わせてrapのテンションを調整していたSIMON JAPでしたが、内容・構成が単調にならなかったことで、一層オーディエンスの引き込みに成功していたような感じでした。
対してJAG-MEの方は調子もよく、キャラや個性を失わずに変則ビートへの対応とSIMON JAPへのアンサーを見事に捌いていたように感じましたが、流れをひっくり返すようなヘビーなラインが出せなかったことが敗因だったのかもしれません。