[KIN OF KINGS 2016] ISSUGI v.s. SURRY

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ISSUGI v.s. SURRY

KING OF KINGS 2016 1回戦 ISSUGI v.s. SURRY

今回はKOK2016からこちらのバトルを取り上げたいと思います。

[ISSUGI]

Yeah どいつもこいつもダセェやつばっかだから

ホンモンのrapperが来たぜ

SURRY オマエ相手にすんのもだりぃ

このビート乗れなそうだな

俺はステファン・カリーばりに攻めるぜ

このドリブル ライム フロー 全部もってる

オマエの客がいたらそいつらも全部俺が持ってく

Yeah 取ってつけたようなライムなんか通用しない

16小節rapできんのかよ

俺ならいつも通り 自分のストーリーやってく

今日は革命前夜 百戦錬磨のスキル見せる

火山が今噴火したように

俺のライムには文化がいつも流れてる

そうだろ わかるか? まだ止まらない

Slow, slow 粘つくぜ このビートの上

ステージ KING OF KING このリングの上

誰も相手じゃねぇ 俺が相手じゃオマエもだ


[SURRY]

アンタを王様にさせないために

俺はこのステージに立ち上がんだ

見せつけるぜオマエに対してファイナルアンサー

マジで半端なラッパーは必要ねぇ

とりあえずネタ仕込みのリリック帳に書いたライムなんか一個も持ってきてねぇ

俺はこのフリースタイル 即興

ナチュラルなボーン

とりあえずこうやってフリースタイル頭にまずかまそう

俺の牙城 オマエの牙城

ガード ノーガード戦法

ISSUGI オマエもっと乗っかって来いよ

それがイケてるヤツの証明

まずこの閉じたフロー 俺は苦労せん

ハナから頭の微調整のネジなんか切れてる

だから握ってんだこの会場でmicrophone

俺のステージ まだまだマイクは取んなよ

フリースタイルやって見せつける

今日もSURRYのon the show

女の子みたいなライムなんか使わねぇ

男対男だろ

見せつける ここはモノホンの場所


[ISSUGI]

Yeah yeah 全然つまんねぇ

やっぱ乗れてねぇ 力任せ マジで流れがねぇ

フローっていうのはそういうもんじゃねぇ

俺はゴンのようにシバく

オマエの視界は狭く

終わってんな 聞こえてねぇ内容が

客席の方全然反応ねぇな

何ラウンドでもやってるぜ 俺は担当する

日本のHipHopなんて俺が速攻で変える

Yeah オマエには歴史 次のページめくれないぜ

アタマのネジ ひとつかふたつか

みっつぐらい無くなっちゃって

イカしたアイディアも出てこない

書いては消したような単純なwordplay

オマエの言葉は普通 それ聞くマジ俺は苦痛

16小節たった時に会場は寒くなってる

オマエのライムじゃここは上がらねぇ


[SURRY]

オマエが感じるその苦痛も快感に変えるライマーズ・ハイ

とりあえず持ち込んだ俺のライマーとしてのマイバース プライド

このステージからノーブレーキ

とりあえず雑魚ラッパーはこのステージで殺すべきだぜ, aight?

感じ方 単にカタカナひらがな

イカサマ 皆さま

Yo このアンダーグラウンドの地下から

やって来たんだSURRY S.U.R.R.Y

半端ない 戦い

またハイにさせてやるぜISS

ISSUGI 実にシブいillにill shit

俺はこうやって決め込んだ

相手アンタ だから待ち望んだ 俺の街のオーラ

こうやってオマエと何を交換?

ちゃんと情熱 ぶつけんだ

優れたメンバー

フリースタイルやってんだ

これで取るぜ俺の天上天下

マジですげーbig upするDOWN NORTH CAMP

相手ISSUGIだから俺はますます強くなる

概要

16小節2本
ビート: オリジナル
勝者: SURRY

解説

KING OF KINGS 2016 1回戦 ISSUGI v.s. SURRY

今回はKOK2016から、ISSUGI対SURRYのバトルを紹介します。

ISSUGIはMONJUやDOWN NORTH CAMPのメンバーとして、またソロでも作品をリリースしているバリバリの音源アーティストですが、今なおこうしてバトルの大会にも出場しているのが個人的には嬉しいです。

本大会、第2回の東日本予選を勝ち上がったISSUGIでしたが、予選でもキレキレでかっこいいラインがボコボコ出ていました。

SURRYも試合中に言及していますが、音源が本当にかっこいいのですよね。

この試合、16小節2本の戦いになるのですが、この尺をより上手く活かせているのはISSUGIだったように思います。

SURRYはrapスキルも間違いなく、本試合でも調子の良さを感じるものの、ハードにライミングしつつ相手へのカウンターを狙うタイプのMCであるため、16小節はやや持て余し気味な感じでしょうか。

オマエの客がいたらそいつらも全部俺が持ってく
– ISSUGI

ISSUGIの方は完全にトップオブザヘッドといった感じで、1ラインごと思いつくままに発言していくようなスタイルで、全体の脈略こそないものの、音源さながらのキャラクターや雰囲気、瞬間的なかっこよさがあります。

SURRYが言葉を相手へぶつけていく戦い方だとすれば、ISSUGIの方は言葉をビートへ浮かべて流していく感じがします。

ビートアプローチも誰もが首を振るようなものではありませんが、脱力ともまた違った、自然と抜けていくような肩ひじ張らない調子で、SURRYとは好対照をなしています。

やっぱ乗れてねぇ 力任せ マジで流れがねぇ
フローっていうのはそういうもんじゃねぇ
– ISSUGI

そんな中でこの2バース目のライン。これは実質的に「オマエもっと乗っかって来いよ」というSURRYへのアンサーにもなっていて、内容的にもハマっていた感じです。

対して後攻のSURRY。こちらは相変わらずライミングへシフトしたインファイトスタイルで、終始かなり力の込もったrapになっています。

また、さすがにライミングもハードな上に臨戦態勢であることがそのまま伝わってくるようなデリバリーで、迫力十分。

先ほど持て余し気味と書きましたが、バース中のピークとなる要所要所では押韻を刻みながらしっかりとオーディエンスを沸かせていきます。

「ノーガード戦法」「乗っかってこいよ」、「ノーブレーキ」「殺すべき」など、バースの勢いを殺さずライミングを混ぜ込んでいく部分はやはりさすがの盛り上がりとなっていました。

そして結果ですが、この試合はSURRYの勝利に終わりました。

この二人、さらにSURRYが後攻であることを考えれば、8×4でガッツリ打ち合いを見たかったというのが本音ではあるのですが、16×2でも両者のカラーがちゃんと出ていた面白い対戦になっていたのではないでしょうか。

このISSUGI対SURRYというマッチアップはまた別のシチュエーションで再戦が観たいですね。

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