[ISSUGI]
Yeah どいつもこいつもダセェやつばっかだから
ホンモンのrapperが来たぜ
SURRY オマエ相手にすんのもだりぃ
このビート乗れなそうだな
俺はステファン・カリーばりに攻めるぜ
このドリブル ライム フロー 全部もってる
オマエの客がいたらそいつらも全部俺が持ってく
Yeah 取ってつけたようなライムなんか通用しない
16小節rapできんのかよ
俺ならいつも通り 自分のストーリーやってく
今日は革命前夜 百戦錬磨のスキル見せる
火山が今噴火したように
俺のライムには文化がいつも流れてる
そうだろ わかるか? まだ止まらない
Slow, slow 粘つくぜ このビートの上
ステージ KING OF KING このリングの上
誰も相手じゃねぇ 俺が相手じゃオマエもだ
[SURRY]
アンタを王様にさせないために
俺はこのステージに立ち上がんだ
見せつけるぜオマエに対してファイナルアンサー
マジで半端なラッパーは必要ねぇ
とりあえずネタ仕込みのリリック帳に書いたライムなんか一個も持ってきてねぇ
俺はこのフリースタイル 即興
ナチュラルなボーン
とりあえずこうやってフリースタイル頭にまずかまそう
俺の牙城 オマエの牙城
ガード ノーガード戦法
ISSUGI オマエもっと乗っかって来いよ
それがイケてるヤツの証明
まずこの閉じたフロー 俺は苦労せん
ハナから頭の微調整のネジなんか切れてる
だから握ってんだこの会場でmicrophone
俺のステージ まだまだマイクは取んなよ
フリースタイルやって見せつける
今日もSURRYのon the show
女の子みたいなライムなんか使わねぇ
男対男だろ
見せつける ここはモノホンの場所
[ISSUGI]
Yeah yeah 全然つまんねぇ
やっぱ乗れてねぇ 力任せ マジで流れがねぇ
フローっていうのはそういうもんじゃねぇ
俺はゴンのようにシバく
オマエの視界は狭く
終わってんな 聞こえてねぇ内容が
客席の方全然反応ねぇな
何ラウンドでもやってるぜ 俺は担当する
日本のHipHopなんて俺が速攻で変える
Yeah オマエには歴史 次のページめくれないぜ
アタマのネジ ひとつかふたつか
みっつぐらい無くなっちゃって
イカしたアイディアも出てこない
書いては消したような単純なwordplay
オマエの言葉は普通 それ聞くマジ俺は苦痛
16小節たった時に会場は寒くなってる
オマエのライムじゃここは上がらねぇ
[SURRY]
オマエが感じるその苦痛も快感に変えるライマーズ・ハイ
とりあえず持ち込んだ俺のライマーとしてのマイバース プライド
このステージからノーブレーキ
とりあえず雑魚ラッパーはこのステージで殺すべきだぜ, aight?
感じ方 単にカタカナひらがな
イカサマ 皆さま
Yo このアンダーグラウンドの地下から
やって来たんだSURRY S.U.R.R.Y
半端ない 戦い
またハイにさせてやるぜISS
ISSUGI 実にシブいillにill shit
俺はこうやって決め込んだ
相手アンタ だから待ち望んだ 俺の街のオーラ
こうやってオマエと何を交換?
ちゃんと情熱 ぶつけんだ
優れたメンバー
フリースタイルやってんだ
これで取るぜ俺の天上天下
マジですげーbig upするDOWN NORTH CAMP
相手ISSUGIだから俺はますます強くなる
概要
16小節2本
ビート: オリジナル
勝者: SURRY
解説
KING OF KINGS 2016 1回戦 ISSUGI v.s. SURRY
今回はKOK2016から、ISSUGI対SURRYのバトルを紹介します。
ISSUGIはMONJUやDOWN NORTH CAMPのメンバーとして、またソロでも作品をリリースしているバリバリの音源アーティストですが、今なおこうしてバトルの大会にも出場しているのが個人的には嬉しいです。
本大会、第2回の東日本予選を勝ち上がったISSUGIでしたが、予選でもキレキレでかっこいいラインがボコボコ出ていました。
SURRYも試合中に言及していますが、音源が本当にかっこいいのですよね。
この試合、16小節2本の戦いになるのですが、この尺をより上手く活かせているのはISSUGIだったように思います。
SURRYはrapスキルも間違いなく、本試合でも調子の良さを感じるものの、ハードにライミングしつつ相手へのカウンターを狙うタイプのMCであるため、16小節はやや持て余し気味な感じでしょうか。
ISSUGIの方は完全にトップオブザヘッドといった感じで、1ラインごと思いつくままに発言していくようなスタイルで、全体の脈略こそないものの、音源さながらのキャラクターや雰囲気、瞬間的なかっこよさがあります。
SURRYが言葉を相手へぶつけていく戦い方だとすれば、ISSUGIの方は言葉をビートへ浮かべて流していく感じがします。
ビートアプローチも誰もが首を振るようなものではありませんが、脱力ともまた違った、自然と抜けていくような肩ひじ張らない調子で、SURRYとは好対照をなしています。
そんな中でこの2バース目のライン。これは実質的に「オマエもっと乗っかって来いよ」というSURRYへのアンサーにもなっていて、内容的にもハマっていた感じです。
対して後攻のSURRY。こちらは相変わらずライミングへシフトしたインファイトスタイルで、終始かなり力の込もったrapになっています。
また、さすがにライミングもハードな上に臨戦態勢であることがそのまま伝わってくるようなデリバリーで、迫力十分。
先ほど持て余し気味と書きましたが、バース中のピークとなる要所要所では押韻を刻みながらしっかりとオーディエンスを沸かせていきます。
「ノーガード戦法」「乗っかってこいよ」、「ノーブレーキ」「殺すべき」など、バースの勢いを殺さずライミングを混ぜ込んでいく部分はやはりさすがの盛り上がりとなっていました。
そして結果ですが、この試合はSURRYの勝利に終わりました。
この二人、さらにSURRYが後攻であることを考えれば、8×4でガッツリ打ち合いを見たかったというのが本音ではあるのですが、16×2でも両者のカラーがちゃんと出ていた面白い対戦になっていたのではないでしょうか。
このISSUGI対SURRYというマッチアップはまた別のシチュエーションで再戦が観たいですね。