[ADRENALINE2015] あっこゴリラ v.s. GIL

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あっこゴリラ v.s. GIL

ADRENALINE MC BATTLE 2015 2回戦 あっこゴリラ v.s. GIL

今回はADRENALINE2015からこちらの一戦を紹介します。あっこゴリラかわいいです。

[あっこゴリラ]

Yo GILさん 初めまして

こっからは いつもの堅物なスタイルじゃ通れませんよ

Yo GILさん 角度によってちょっと顔が変わりすぎなんですよねぇ

なんか角度によっては すげーイケメンの元彼に似てんだけど

なんか角度によっては なんか掃除屋のオバちゃんみたいな顔してて

マジどっちなんだよみたいな

その辺をハッキリしてからじゃないとここから先は通れませんよ


[GIL]

ハッキリしてやるよ 角度は関係ねぇ

俺は一直線 前のめりで進んでいるだけ

オマエはどっからどの目線で見てんの?

色物なの? なにきらびやかに惑わされてるの?

そうだよ なんのオモチャか知らねぇが

俺の武器ならmicrophone 言葉だ

Oh これだけで分からしてやるよ

Oh 俺だったら一直線 何度も言っとくぜ


[あっこゴリラ]

Yo 色物? ふざけんじゃねぇぞ

マジで人生とか マジでギャグばっかだから

マジ 生まれて死ぬとかいうこんな不条理

笑ってなきゃやってらんないわ これが私の価値観

そうだよ それを背負って私はやってんだよ

それが 私なりの世界平和を目指してやってんだよ

オマエはなんだ? オマエはなんだ?

リアル? それがリアルhip hopperか? もっと来いや


[GIL]

オマエはさっきは角度ばっか見て

今度は人生の話か 笑わせんじゃねぇ

まったく説得力がねぇぜ

ハナっから オマエの人生をぶつけて来いよ俺にな

Oh そうだ 音に乗っかればな

俺は男気だけで光り輝いてるから

オマエも戦場に立ったら

性別は関係なくやってんのが俺の全力のアンセム


[あっこゴリラ]

Yo 性別は関係あるわ

このシーン来てあたしは分かったんだけど

普通に男尊女卑だろ マジでふざけんな

こっから私が上げてくぜ フィメールの価値ってやつをな

Yo ふざけんなGIL

なんか手の動きがスゲーけど

なんか手マンがスゲーうまそうだな

なにがギャグ? あたしは笑わせることで

みんなにそういう平和を与えてんだよ


[GIL]

おい 俺は言葉だけ一方通行って言ったろ

手の動きに惑わされてんじゃねぇよ

フィメール? オマエ自分から女を武器にすんのか?

このクソmotherfuckerが

強いて言うよ フィメールなら椿でもねぇ

俺はRUMIしか認めていねぇ

これが俺のスタンスだ

内面ぶちまけてやったぜ 文句はあるか?

概要

8小節3本
勝者: GIL

解説

ADRENALINE MC BATTLE 2015 2回戦 あっこゴリラ v.s. GIL

今回はADRENALINE2015から。あっこゴリラ対GIL、という異色と言えば異色の組み合わせのバトルです。

この一戦は公式にも動画が上がっていますので、まだチェックしてない人は是非こちらを見ながら読み進めてみてください。

試合の内容ですが、先攻のあっこゴリラからスタート。「いつもの堅物なスタイルじゃ通れませんよ」と煽りつつ、キャラクターの勝負に持ち込む戦術をとりにいってます。

また、続く内容も「角度によっては なんか掃除屋のオバちゃんみたいな顔」とオーディエンスの笑いを誘うdisで、早くも試合の流れを掌握しにいってます。先攻1本目の話題提供としては非常にイイ感じではないかと思います。

対して後攻のGIL。「角度は関係ねぇ」と見た目のdisを切り捨て、「俺は一直線」とGILらしいボキャブラリーであっこゴリラが作り出したお笑いムードを一掃し、そこからは一本気なGILらしいラインが続いていきます。早くも主導権の奪い合いが展開されている感じですね。

特にGILの方はそれまであっこゴリラが掴みかけていた流れを冒頭のたった2小節で一気に巻き返しており、キャラクターやプロップスを最大限に活かした戦い方が出来ている感じです。

そして2バース目。あっこゴリラはそれまでのコミカルな路線から少し戦術を変えて人生観、価値観の話題を展開していきます。

また、GIL相手にストレートな「それがリアルhip hopperか?」と煽り立てるdisも吐いていて、思いの外真正面からぶつかっていく姿勢が印象的でした。

あっこゴリラのスキルやスタイルから考えても他に戦い方はいくらでもあったはずなのですが、その中であえてストレートなメッセージで勝負に出ていく様子は、もう完全にバトルMCのそれだと思います。

対してGIL。そんなあっこゴリラ渾身のバースを「今度は人生の話か」と一蹴。オーディエンスを味方に付け再びペースを引き込みます。

その後も男臭いラインが続いてGILのプレゼンスが一気に高まっている感じで、勝負の流れで言うとあっこゴリラがやや劣勢に立たされている感じです。

そんなあっこゴリラ最後のバース。先ほどのGILのラインに対して「性別は関係あるわ」と思いもよらない(?)切り口でのアンサーを見せていていきます。

特にその後の「普通に男尊女卑だろ マジでふざけんな」は本当にパンチラインで、この男臭い大会で男臭いスタイルのGILと男臭い試合を展開する中で、メッセージ性の詰まったこのラインは個人的にかなりアガりました。素晴らしいですねあっこゴリラ。

また、その後は「なんか手の動きがスゲーけど」と下ネタで笑いをとることも忘れず、アクの強いGILに負けずに自分のカラーを出したrapをしている印象はあります。

続いて後攻のGIL。「手の動きに惑わされてんじゃねぇよ」と生真面目なアンサーから始まり、「自分から女を武器にすんのか?」とかなりエグいdisを投げつけていきます。このまったく容赦の無い感じがGILらしいと言えばらしいですね。

そして「俺はRUMIしか認めていねぇ」と手を緩めずにdisが続いて熱をもったまま着地。完全に会場の空気をさらっていった感があります。

そんなわけで勝者はGIL。さすがに強いです。また、冒頭あっこゴリラに「堅物」と揶揄されていましたが、どんな内容がこようが愚直に自身のスタイルを徹底できていた点もポイントでしたね。

あっこゴリラの方は後半なんとか巻き返そうとするも、全体通してGILの土俵で戦ってしまった感があります。もっとキャラを出して独自路線を完徹していればまた勝負も面白くなっていたかもしれませんね。

※ 椿

九州出身の女性MC。前回大会 ADRENALINE2014出場。

※ RUMI

般若やMSCらと活動していた女性MC。Sanagi Recordings代表

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