[焚巻]
オマエのことは知らねぇ mol53
だけどその名前
別にいいんじゃねぇかなって思うぜ
俺もゴミみたいなもん
街角の裏路地のストーリー
このままオマエとの生き方の違い
覚悟の違いですれ違い 交わる
人間交差点 どちらがヤバいか証明
暖当たる表現者たちが集まる
バチバチ飛ばす火花で焚く
[mol53]
その表現者が証明さす
No.1 誰でもなりたいと思ってマイクを握った
その頃から変わらない夢や形は
あーだこーだ言われて
女 そんなもんは関係ねぇけど
引きずってる俺のメンタリティ
でもスタミナを磨き ストリートに繰り出し
そこで得たものを倍に
するためにインプットからアウト
何も変わらねぇ 先駆者とおんなじ
[焚巻]
Yeah 俺は先駆者がいないとこが
どこか探しながら暗中模索で
つかんだのがマイク
俺の地元やっぱ 暴力に
そう時に支配されてた
だけどしっかりあった
HipHopで漆黒の闇を
かき消すために実力蓄えてる
ちょっと酔っ払いすぎてるかもしんねぇ
シラフ ギラついた目つき モノホン
だから 心 キャッチボール
言葉で食らわす
[mol53]
俺がマイクを握る時は
先輩たちがやってたイベントを
その中で俺たちはカスタマーにされてたよ
ノルマがカルマになって
ラッパーとして何が一番大事か見失ってた
俺は這い上がった そこで気づいた
マイクを握る重みは 生きた形だ
Rapをいくら練習したって
Rapがいくら巧くなったって
響かねぇもんは響かねぇ
俺はその上の次元でやって
マイクを握ってる
[焚巻]
Yeah わかったよ
だけど俺も譲れねぇ
先輩なら腐るほどいるし
看板もあるぜ
幾千 ドラマ 屍
いつのまにか消えたヤツの分も
勝手に背負って立ってるこのステージ
オマエがモノホン 百も承知
窮地 だけど抜けられねぇんだしがらみ
それも力に変えることを知った池袋
それと川越レペゼン
やめれねぇフリースタイル
[mol53]
間違いねぇ 先駆者がいて
その背中を見たラッパーたちは
胸が強ぇ そして根っこがあるぜ
俺はそういうオマエが大好き
だからマイクでぶつかり
合いながら残す俺たちの価値
般若が来てる
その前でダセェことはしねぇ
誰もが通った道
そこを誰もがレペゼン
してる場所は俺は曲げない
オマエも一緒
だから盛り上げてこう
ストリートとHipHop
概要
8小節3本
勝者: mol53
解説
ADRENALINE MC BATTLE 2015 BEST8 焚巻 v.s. mol53
今回はADRENALINE2014からこちらの一戦を紹介します。
このバトルはどちらも完全に同じテーマで内容を語り合っている点が試合の盛り上がりにつながっていますね。
Rapスタイルの比較で言えば、一定のリズムで機械的に言葉を連ねていく焚巻に対して、得意の独創的なビートキープを捨てて、その分をメッセージに注力しつつ一発一発の威力を重視するmol53といった感じだと思います。
そんな両者が同一のテーマに対してそれぞれのスタイルで自身の経験や胸の内を語っていく、というのが私が見たこのバトルの骨子となります。
中でも中盤の2バース目。後攻mol53のrapは非常にリアルで、「その中で俺たちはカスタマーにされてたよ」のあたりまで、素晴らしいストーリーテリングになっていると思います。
得意とするビートアプローチを抜いても非常に高いパフォーマンスをしているmol53。さすがです。
テーマがテーマだけにこのスタイルは良くハマっていて、リズムの緩急でフローを作り出すスタイルの焚巻はやや分が悪かったかもしれません。
結果、判定はmol53の勝利で、やはりゆっくりとストーリーテリングを聞かせた分、強い印象の残るラインなどはmol53の方が多かったのだと思います。
先攻で話題を設定したのは焚巻でしたが、それに対してビートも踏まえて対応したmol53の作戦勝ちと言っていいのかもしれません。