GIL v.s. BUCHI DA MIC
UMB2014 一回戦 宮城代表 GIL v.s. 福井代表 BUCHI DA MIC
今回はUMB2014から。
GILの初戦となったBUCHI DA MICとの対戦です。
[GIL]
トラブル乗り越え 会場上げる
それこそrapの腕の見せ所
Uh GIL on da mic
三度目の正直
闘志感じろよホーミー
オマエに映し出す言葉
いくらでも持ってきた 東北の看板
徐々に重くなった
それを背負った分 足跡残しに来た
GIL on da micだ
[BUCHI DA MIC]
Yo クソ真面目なrap 聞きたくないぜ
芸人じゃなくて 全員を上げろ
マイクが無くてもできんだけど
俺は 誇りにするぜアクシデント
オマエなんかを勝たせたがる?
違ぇだろ俺は沸かせたがる
ここにいるぜUMB
アンタは真面目すぎてつまんねぇよ MC
[GIL]
真面目にやるのが俺の見せ場だ
これしか持ち合わせてねぇからさ
腹の中さらけ出すため
表現法がマイクだっただけ
これで何ができるか ってな
勘ぐりながら またこの足場
Oh 路地上がってきた
2014 UMB GILは依然注目
[BUCHI DA MIC]
Yo GIL がどうとか 詩を書くMC
オマエは俺にとっちゃ地を這う毛虫
ハァ? なんだよ首をかしげて
偉く 偉そうな素振りじゃねぇか
違ぇよ 俺の言いてぇこと
それよりも俺は rapちゃんと勝てる
こともしねぇよ ここで中指立てる
右手さえありゃそれはできる
概要
8小節2本
勝者: GIL
解説
UMB2014 一回戦 宮城代表 GIL v.s. 福井代表 BUCHI DA MIC
UMB2014よりこちらの一戦をお伝えします。
宮城代表のGILは2012の初登場から3回連続3回目。本選でもすっかり常連となり、この時にはすでに優勝候補の一角と目されるまでになっていました。
一方のBUCHI DA MICは前年が本選初出場で、2年連続の2回目の登場となりました。
試合は先攻のGILから。後に後攻のBUCHI DA MICから「クソ真面目なrap」と指摘されているように、相手やビートなど、即興としての「遊び」の部分や、その場の状況を踏まえたようなラインは一切ないです。ただただ自身の出自や内面に関することをrapにしてい感じでしょうか。
ただしさすがにビートについては最後までしっかりとキープしていて、基礎的な技術についてはブレていません。内容にもベースとなるrapスキルにも非常に安定感がある印象です。
対する後攻のBUCHI DA MIC。こちらは良く通る声と聞き取りやすいrapで、リズムを保ちつつも攻撃を手を緩めません。
強敵GILを相手に奮闘している感じですが、途中の文脈が繋がらない部分などもあって、口の回転に頭が追いついてないような場面が少々ありました。
トップオブザヘッドに徹してのことか、もしくは緊張のせいなのかは定かではありませんが、1バース目に限って言えば当然ながら無難な内容だった先攻GILと比較して、その辺りは余計に目についてしまったかもしれません。
そしてGILの2バース目。先の「真面目すぎてつまんねぇ」とのdisを受けて、「これしか持ち合わせてねぇ」という切り返してアンサーを返します。
さらにその後も攻勢が続くのですが、「腹の中さらけ出すため」「表現法がマイクだっただけ」という相変わらず一本気なラインを語気を強めて放っていきます。この辺りは会場の盛り上がりもなかなかのものでした。
また、その後に続く「これで何ができるか」という部分ですが、こちらはBUCHI DA MIC1バース目の「マイクが無くてもできんだけど」というラインと意味上の対応関係にあったりします。ストレートなアンサーですね。
この2バース目のGILは全体を通してかなり技巧的にアンサーを返していることがわかります。
後攻BUCHI DA MICですが、rapの安定感は最後まで維持していたものの、2バース目にGILのような直接的なアンサーを返すことができずで終わってしまいました。おそらくその辺りが決め手となって勝敗が分かれたのではないかと思います。
ということで本バトルはGILの圧勝。こうして文字に起こして改めて見ると、GILの即興の瞬発力の高さに驚かされます。
ボキャブラリーの幅が決して広いとは言えないMCですが、それでも安定したrapスキルと彼自身のキャラクターも手伝ってここぞという場面でのパンチラインが非常に強く、オーディエンスに強烈な印象を与えているのだと思います。あと個人的にはGILの手や体の動きも好きだったりします(笑)
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