蛇 v.s. KOPERU
戦極MC BATTLE 第11章 蛇 v.s. KOPERU
[蛇]
Yeah yeah 余裕綽々
途中脱落は認めません
滋賀からやってきた KOPERUが相手?
どう出る? 振るなよカワイイおケツ
どう出る? 持ってくこの場所
大阪関係なし滋賀からアート
かますかverse アッと言わせる
そのハートでは出せない能力を
[KOPERU]
Ah アッと トリプルで
オマエに振らねぇよおケツ
オマエが踏んでんのは墓穴
ここで落ちることになる 俺がKOPERUと申す
マイク使ってまるで 遊びの延長線上で
延長戦でも勝てるよっていうくらい
これじゃリベンジにもなりません
っていうかリハビリ程度で
イカすでねーの?
[蛇]
聞き飽きた 「KOPERU」と申す
滋賀からやってきて着火 火を灯す
KOPERUより聞きたい Peto Rock
オマエの心臓ロックするbounce
決めてく大阪 – 滋賀のつながり
実は同い年91世代
全然オマエのこと気にしてない
いつでも見てる上の方とまたはオマエら
[KOPERU]
俺も一緒に上だけ見てる
関係無いことを埋め立ててみる
ライム ライム ライム だけじゃないの
リズムで取ってるの この8尺
まるで余裕が綽々
関係ない これはマジで なんやろな
よくわからん ぐらいな感じかな
you 見せさしな
で勝てるバトルってことです
概要
8小節2本
ビート: DJ Babu and The Beatnuts / Duck Season
勝者: コペル
解説
戦極MC BATTLE 第11章 蛇 v.s. KOPERU
今回は戦極MC第11章からこちらの一戦を取り上げます。
バトル中にも言及がありましたが、図らずも同世代の対決となりました。
まず先攻は蛇から。「余裕綽々」「途中脱落」など、ハードなライミングから入っていきますが、その後は特有の独特なフローでビートに乗っかっていくrapになっていきます。
特に押韻にこだわるでもなく、「言いたいことをただただ言っていく」といった雰囲気なのですが、それでもビートの解釈やフローの乗せ方がオリジナルなので見ていて陳腐さを感じさせません。
そして後攻のKOPERU。こちらは相手の言葉に対してひたすらに踏んで返していく、というサイファー仕込みのスキルでアンサーしていきます。
そしてKOPERUも決して単調にはならず、要所要所でテンポをずらしたり言葉数に緩急をつけたりと、フローの方面でも飽きさせない内容になっています。この辺りの構成はさすがですね。
2バース目に入って後攻の蛇。変わらず言葉の置き方に独特なリズムのあるフローで、一癖も二癖もあるようなrapを披露していくのですが、例えば2小節目の「着火」と「火を灯す」の間にあえて一拍置いている部分などは非常に巧いを感じます。
KOPERUのように声の高低でメリハリをつけつつ小節にライミングを挟むスタイルと対比すると、両者はスタイルはまったく異っていて、純粋にフローの勝負として観てもかなり面白いバトルになっているのではないでしょうか。
そしてKOPERUラスト。「俺も一緒に上だけ見てる」と蛇の言葉を受けた上で、「関係無いことを埋め立ててみる」というラインで応戦。
KOPERUらしい少しおちゃらけたような言葉選びと持ち前のライミングスキルに会場がわきます。しかしその後、中盤に言葉に詰まってしまう場面もあり、リズムこそ失わなかったものの、一時的にヒヤッとさせる展開となりました。
同年代同士ということもあってお互いにキツめの言葉をぶつけ合っていたこのバトル、結果としては後攻のKOPERUの勝利となりました。
ただ内容で見ると実力の拮抗したかなりいいバトルになっていたのではないかと思います。
勝敗だけみると、ベースになるrapスキルの面では蛇のスムーズなリズム感やフローよりもKOPERUのフローとライミングの方が支持されたといったところでしょうか。
※ Pete Rock
USのDJ、ラッパー、プロデューサー。