カクニケンスケ v.s. Y.A.S
戦極MC BATTLE 第7章 カクニケンスケ v.s. Y.A.S
今回は戦極7章からこちらの一戦。
まさにエンターテインメントそのものという感じで、非常に楽しい雰囲気の、また個人的に大好きなバトルです。
[カクニケンスケ]
Yeah OK OK
俺はY.A.Sさん大好きでdisれない
アンタ譲れない想いがあるらしい
悪あがきもいい加減にして欲しい
ていうか 伊豆の代表
わかってるぜ わかってるぜ
ちゃんと勉強してきた
[Y.A.S]
勉強できてねぇから
ベンゾウよりもガリ勉がお似合い
つまり押し合い で言うなら横綱相撲
はっきり言って俺は脱帽
ガッツポーズのネクストレベル
はっきり言ってもう格が違いすぎる
みたいなこと やっぱ伊豆
また3点セット言やいいっすか?
[カクニケンスケ]
格が違い過ぎるならば
スキル磨くそれしかない
しがないヤツらがテキトーにやるから
フローでやるなら乗せるだけだな
アーアーアーアーアーアーアーアーアーアアー
伊豆ならばいずこだろう?
ここは東京 渋谷のASIA
調子に乗ってる俺たちride on
[Y.A.S]
調子に乗ってちゃ いけませんかー?
この先は行けませんわ
・・・・・・
小節のムダ遣い!
とかしちゃうぐらいな余裕
じゃないよ ギリギリ過ぎてこういう展開
・・・・・・
あえて歌わないそんなスタイル
[カクニケンスケ]
・・・・・・
OK OK
あえて歌わないそういうスタイル
アリなら俺もザ・ワールド
・・・・・・
やりたいだけ やりたいだけ
楽しみたいだけ MCバトルだ
一人乗り込む それじゃY.A.S
[Y.A.S]
コイツは俺の罠に引っかかったただのフシ穴
痛いだけ 見せちゃうリサイタル
はっきり言う コイツは痛いヤツ
Yeah OK 理解多数の
もちろん俺には Put your hands up
上野くんじゃねぇけど
こういうヤツには言ってやるよ
ファック ふざけんな
概要
8小節3本
勝者: Y.A.S
解説
戦極MC BATTLE 第7章 カクニケンスケ v.s. Y.A.S
今回は戦極7章からこちらのバトルを取り上げます。
カクニケンスケ、大好きです。エンターテインメント色の強い両者。ぶつかったらどんなバトルになるのか楽しみですね。
ちなみにこの試合の模様は公式のダイジェストにも一部載っています。
DVDをお持ちでない方、まずはこちらをご覧頂きながら読んで頂くと雰囲気はわかってもらえるかも。(4分52秒あたりから始まります)
自称アイドルのカクニケンスケ、型破りかつ自由なフローを見せるMCで個人的にはかなり好きです。
それでバトルの内容ですが、カクニは持ち味の歌い上げるようなフローで相変わらず好き勝手に言っています。
「俺はY.A.Sさん大好きでdisれない」と言ったそばから「悪あがきもいい加減にして欲しい」などと口走ったりしてます(笑)
一方のY.A.Sもスキルフルなrapで押していくタイプではなく、ライミングやビートアプローチもそこそこにオーディエンスを巻き込んだ試合展開を好むタイプです。
1バース目最後の「また3点セット言やいいっすか?」というラインも本人にとっては半ば自虐ネタになるのですが、そこはやはりオーディエンスの喜びそうなフレーズを自ら打ち出していった感が否めません。なんというパーティー野郎。
続くカクニの2バース目からがダイジェスト動画の場面になりますが、このあたりからバトルはあらぬ方向へ盛り上がっていきます。
カクニの方は変わらず歌うようなフローで「アーアーアーアーアアー」など、あまり意味のない言葉も挟みつつ完全にやりたい放題という感じでrapしています。
対するY.A.S。「調子に乗ってちゃ いけませんかー?」とアンサーしつつ「小節のムダ遣い」と称して8小節中2小節を沈黙で自ら浪費していきます。「あえて歌わないスタイル」だなんてまったくフザけてます(笑) こちらもやりたい放題。
この辺りから観客も含めて会場全体が異様な盛り上がりを見せ、非常にエンターテインメント性の強いバトルになっていきました。
カクニのラストバースはY.A.Sに乗っかっていく形でこちらも「歌わないスタイル」を踏襲。
「楽しみたいだけ」という言葉そのままにもうバトルじゃなくて二人のショーケースなんじゃないかと思うくらいに客の方を向いてパフォーマンスを見せていきます。そして「それじゃY.A.S」とライブさながらにバトンタッチです。
そんな流れで最後の後攻Y.A.S。「コイツは俺の罠に引っかかった」と土壇場で手のひら返しです。
自分のペースに引き込んでおきながらあっさりとバトルモードにシフトして「見せちゃうリサイタル」「コイツは痛いヤツ」とこれまでの経緯を踏まえて的確にdisってます。
これはもう場の流れを完全に支配してますねー。rapのスキル以外のところで試合巧者ぶりを発揮しています。
そして最後に着地まで完璧に決めたY.A.S。結果はもちろん圧勝です。
上がりに上がったオーディエンスはもちろん、やってる本人たちも含めて全員が心から楽しんでいた非常にピースフルなバトルでした。個人的にもこの一戦は非常に大好きです。
一方で敗れてしまったカクニですが、こういう空気感のバトルは彼の良さがとてもよく出ています。
ビートや相手MCとの組み合わせによってはやや浮いてしまうようなバトルもあるだけにこの一戦はすべてがうまく作用していて、彼のスタイルにピッタリとハマっていたように感じます。
※ 伊豆のことアニメで知った
TVアニメ「夏色キセキ」のことと思われる。
※ ベンゾウ
刈野勉三。TVアニメ「キテレツ大百科」の登場人物。
※ 3点セット
UMB2012本戦 Y.A.S v.s. Kowree戦にて、Kowreeの放った「出ました嫁・子ども・伊豆半島の3点セット」というライン。
※ 渋谷のASIA
渋谷CLUB ASIA。同大会の会場。
※ ザ・ワールド
マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』第3部の登場人物であるDIOの持つスタンド。時を止める能力を持つ。
※ 上野くん
横浜を拠点に活動するMC、サイプレス上野。