[戦極MC BATTLE 第17章] Amateras v.s. BATTLE手裏剣

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Amateras v.s. BATTLE手裏剣

戦極MC BATTLE 第17章 1回戦 Amateras v.s. BATTLE手裏剣

今回は戦極17章からこちらの一戦を取り上げたいと思います。話題の一戦。

[Amateras]

(8小節を費やし無言で縄跳びの準備)


[BATTLE手裏剣]

(対戦相手の様子を見据えて立ち尽くす。こちらも一言も発さず。)


[Amateras]

(無言のまま縄跳び開始)


[BATTLE手裏剣]

(呆れた様子で途中退場)

概要

8小節2本
ビート: CALL OF JUSTICE – KEN THE390/DOTAMA/RUDE-α/Rei©hi/じょう/ACE/MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻 /Lick-G/KOPERU
勝者: なし(両者敗退)

解説

戦極MC BATTLE 第17章 1回戦 Amateras v.s. BATTLE手裏剣

今回は戦極17章からこちらの一戦を取り上げたいと思います。

大会史上、というよりシーン全体で見ても例のない展開となった一戦で、当時ネット上で様々な意見が飛び交い騒然となっていました。

この試合、結果から言うとその場の采配でノーコンテスト = 両者敗退という形になったのですが、その経過も含めて本試合を簡単に振り返ってみたいと思います。

まず試合前、Amaterasはセコンドと思しき人物を1名引き連れての入場。

これに対して手裏剣さんが「小道具アリなの!?」と運営に確認しますが、得られた回答が「まぁルールとしては定めてないんですけど・・・」というもの。そりゃそうですよね(笑)

そして入場するなり何やらマイク以外のものを準備しだすAmateras。この時点で会場にはただならぬ空気が漂っています。

ここからは普段通りにビートが紹介された上、司会の八文字による取り仕切りのもとで試合が開始されます。

さて試合が始まりました。先攻はAmateras。

「韻」と書かれたパネルをオーディエンスに確認させた上、そのパネルを地面に置き、靴を脱ぎ始めます。

脱いでいる途中でビートスクラッチが鳴り尺が終了、もうこの時点でAmaterasがやりたいことはなんとなく察しがついていたんじゃないかと思います。

ちなみにここまで彼は一言も発してません。上記の状況はすべて沈黙の中を進行していました。

対して後攻のBATTLE手裏剣。rapをする様子を見せないAmaterasに対して、こちらも無言のまま。

相手をじっと見据えて無言のまま「どうするんだお前?」と訴えかけるようです。そのまま棒立ちの状態で8小節終了します。

試合も半分経過しましたが、ここまで両者とも一言も発してません。ただビートだけは変わらず進行していましたが、ざわついた会場内には異様な空気が漂います。

そして試合の後半。Amaterasは前のバースで準備していた縄跳びを開始。先ほど用意した白いパネルの上で披露していきます。

もうお分かりかと思いますが、Amaterasはおそらくrapをせずに「韻を踏む」というパフォーマンスをしてるわけですね。縄跳びに関してはそれをより戯画的に見せるための単なるギミック以上のものではないでしょう。

本当に黙って縄跳びしてるだけで8小節が経過してしまい、手裏剣さんの手番へ。

続く手裏剣さんですが、こちらも1バース目同様に立ち尽くしたまま。のみならず、途中で愛想を尽かした様子で小節を残したままステージを後にしていきました。

この前代未聞の展開にどよめく会場と、そして裁定を決めかねる進行陣。

通常は双方のパフォーマンスをもとに「どちらか良かったか」を挙手と歓声の大きさで決めるルールになっていますが、今回ばかりはそのままこの方式が適用されず。

進行役の八文字が「(この展開で)勝敗を決めてしまってもいいのか?」と問いかけ、会場の総意をもとにノーコンテスト、つまり無効試合による両者敗退という結果を導き出すことになりました。ようするにそもそもMCバトルの試合として成立していなかった、という判断ですね。

この試合は当時、その経過とともに非常に物議を醸していて、twitterなどでも賛否様々な意見が飛び交っていました。

私個人としては今回の判定には賛成で、今回のAmaterasの振る舞いはMCバトルを期待して足を運んだオーディエンスに対するある種の裏切りにしか見えず、意図はどうあれその場を盛り上げられなかった時点で賭けに負けたのだという印象しかありません。

試合を途中で放棄してステージから退いたBATTLE手裏剣に関しては、奇をてらい過ぎたAmaterasのパフォーマンスに乗っていくことをそのプライドが許さず、試合を棄てざるを得なかったという感じでしょうか。

ことMCバトルに関しては、明白にrapによる勝負が想定されたコンペティションであるため、今回Amaterasの手法は行き過ぎを感じた人も多かったのではないでしょうか。

言葉を使ってない以上はもはやrapですらなく、例えばこれが仮にスポークンワードのような異種格闘技戦のフィールドだったとしても許されなかったでしょう。

今回の一戦、人によって受け止め方や意見は様々あるかと思いますが、他の方がどう捉えているのか気になってもいますので、コメント等でぜひご意見もらえたらと思います。

それにしてもAmaterasも手裏剣もそうなのですが、これぐらいの規模の大会で1小節もrapできないまま出番を終えてしまうのは本当にもったいないですね。

最後に余談になりますが、ほぼ同時期の大会であるUMB2017はトラブルになったシーンがカットされていたり、編集に色々と難があったことを思えば、戦極ではこれらやり取りがすべてノーカットで映像に収録されてますね。嬉しい限りです。

[戦極MC BATTLE 第17章] Amateras v.s. BATTLE手裏剣” への6件のフィードバック

  1. 僕はAmateras自身が言うとおり、これは「バトル」ではなく「アート」だったのだと思います。

    ただ、どうしてバトルの現場でこういった表現を行ったのかはおおいに疑問です。SNSや動画サイト、ライブでもできたはずなのに。

    「注目される場所だから意味があった」ということかもしれませんが、「人に用意してもらった場所で、対戦相手もいる状況」で、自分の「アート」を発表するのにモヤモヤしました。

    何より、手裏剣さんのラップが聴けず、損した気持ちです。

    • > RERE さん

      コメントありがとうございます!

      確かに、Amaterasの思惑としてはそうした狙いがあった感じですよね。
      ましてやバトルの、それもあれだけ大きな大会で他のどのMCもやらないであろう表現をしよう、という試みだということは伝わりました(その是非はおくとしても)。

      > 何より、手裏剣さんのラップが聴けず、損した気持ちです。

      ただし観戦者からすれば本当にこの一言に尽きますよね。必要以上のリスクや犠牲を伴った鍵括弧つきの「表現」を、まったくニーズのない場所で投下してしまったという結果にしかなりませんでしたね。

      私も願わくば手裏剣さんの全力パフォーマンスが見たかったです。本当に虚無感だけが残る試合になってしまいました。

  2. この試合に関して
    あくまで私の考えですが、Amaterasはある意味でのアートをみせたかったんでしょうね。ラップも、自分の言いたいことを口頭で示す表現。Amaterasは口での表現を超えたもの(視覚に訴えるジェスチャー)で、耳ではなく目で観客に自分の考えるアートを表現したかったのではないでしょうか。
    しかし、このような表現は相手と対話すべき状況の時にやるべきものではないですよね。そんなに普通のラッパーと違う感性を見せつけたいならYouTubeのような法に触れぬ限りなんの表現でも許されるような場所でやるべきですし、対話を必要とする場所で相手に対する対話をしないことは論外(あくまで”口頭での戦いの場であるラップ”をしにきているのですから最低限のルールは守らないと)。
    なので今回のケースはアートする場所を間違えたAmaterasと、強いて言うなら「ビートが流れたら口頭で2バース相手と対話しなければならない」などの厳格なルールを今回のような不測の事態のために作っておかなかった戦極MC公式が悪いんですかね(まあ、予選も行われるようなでかい大会でまさかラップしない人が現れるなんて誰にも予測できませんが笑)

    Battle手裏剣もっと見たかったなぁ、、、、、、、、、

    • > しゃかゆり さん

      コメントありがとうございます!
      概ね同じ意見で、やはり状況を考えると1試合分丸々スポイルしてしまった帰結は無視できないですよね。
      後からDVDを見ようにもBattle手裏剣パフォーマンスなし、というのはあまりに残念過ぎます(泣)

  3. 窮鼠猫を上沼恵美子

    初めまして。考察、拝見させていただきました。
    他の多くの方が仰っておられる通り、MCバトルのアート的解釈という考え方はわからなくもないのですが、アートと悪趣味は紙一重だとつくづく思います。

    某インタビュー動画内でアマテラス氏が”賛否両論を呼んだ時点でアートだ”といった趣旨の発言をしていたのですが、仮にアートであったとしても私には致命的に欠落したものに思えます。
    しかし、こういった発想が実際に試されるという点において(良い悪いは別とした)彼自身の表現方法には成功しているのではないかとも感じました(それを否応なく”鑑賞”させられた観客の方には同情します)。

    私もtacitusさんの意見と同じく、ノーコンテストとした運営の判断は素晴らしいものだと思います。個人的にはアマテラス氏は”失格”、battle手裏剣氏は”敗退”ということなのかなと推察しています。

    もしもアート的な観点に則って判定するならばbattle手裏剣氏の心情/美学に基づいた上での沈黙という決断が最もアートに近いものだったのかなと思います(笑)

    長々とコメントしてしまい申し訳ありません。これからも更新楽しみにしております!

    • コメント頂きありがとうございます!

      > しかし、こういった発想が実際に試されるという点において(良い悪いは別とした)彼自身の表現方法には成功しているのではないかとも感じました

      こちらは確かに、おっしゃる通りな気がしますね。

      > 某インタビュー動画内でアマテラス氏が”賛否両論を呼んだ時点でアートだ”といった趣旨の発言をしていたのですが、仮にアートであったとしても私には致命的に欠落したものに思えます。

      また、こちらの発言もAmaterasだからこそというか、聞き手としてはそれがただの奇をてらった売名行為ではなく、何か意図があるのだろうと予測させるに十分な状況だったと思わされます。
      (これが本当の無名MCだったとしたら、もう賛否どころの騒ぎじゃなかったでしょう笑)

      今回の一件で、そのキャラクターやパーソナリティがある程度認知されているということは、バトルにおいて想像以上に強力なアドバンテージなのだということを改めて感じました。

      ご意見頂き感謝です、非常に参考になりました!

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