[UMB2009] YUKSTA-ILL v.s. ERONE

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YUKSTA-ILL v.s. ERONE

UMB2009 2回戦 名古屋代表 YUKSTA-ILL v.s. 大阪代表 ERONE

UMB2009_YUKSTA-ILL_vs_ERONE

今回はUMB2009からこちらの一戦を紹介します。2009年当時最高峰の押韻バトル、めちゃくちゃ面白いです。では早速試合の模様をご覧いただきたいと思います。

[YUKSTA-ILL]

Yo やってきた二人の 韻踏む奴

ここでヒンシュク買うのはそっち?

本気? どっち?

モンキーみたいな感じだ一般人

V.I.P になるのは俺

つまりセレブリティー レベル1

下の方に落ちるだけ 死ぬだけ

まぁERONEくん ね いつか 優勝できるよ


[ERONE]

Yo yo オマエのレベルは1

そんなんじゃできない満場一致

sucker挟むサンドイッチ

食べたカツサンド 俺は外さんぞ

まず乱闘 しかけるボクシング

俺フリースタイルキング

Looking looking

suckerMC 3分経たずにクッキング


[YUKSTA-ILL]

カツサンド? カツサンド

甘ちゃん過ぎるよサクランボ

錯乱状態になってる

最新のライムはこっち 本気

当分いい ライムを出すから余裕で小休止

した後にERONEくんに交通費

まで請求するくらいだよstay tune bitch!


[ERONE]

払わないぜ 交通費

俺のヤバさに要注意

俺はまるでライオン猛獣に

わかるか? 相方はチューシー

しょうもない韻ばっか

踏んでるラッパー あー死んじゃったー

Hey 南無阿弥陀仏

オマエはここでお陀仏さすぐ


[YUKSTA-ILL]

っていうか だったら言うよナンマイダ

返せよ 被っとけば? サンバイザー

俺が光りすぎて無理

アンパイアもみんな認めてるよ

一回戦の水戸の人と同じ目に遭う大阪

簡単に言うと 大バカ超バカ

豪華なライムを見せるどうだよ

ERONEくんそろそろ回ってるよ走馬灯


[ERONE]

回らないぜ走馬灯

まるで昭和の 古いスタイル じゃ

相手にならないから完全スマイル

オマエアンパイア 俺に完敗や

サンバイザーfrom関西さ

知ってるぜオマエこそかぶっとけばサンバイザー

みなさんサイナラ

オマエは相手にならない

Sucker MCじゃ羽ばたけない


[YUKSTA-ILL]

うるせぇ東海だよ 中日-大阪 10対0

マジ敵ないでしょ

ハイテンション 再起動する

体脂肪すぐゼロ になるテンションなら終わる

ことなくオナる

俺なら排気口の中から言っとく点検表

いつもチェックしてるけどYUKSTA-ILLがセンセーション


[ERONE]

センセーショナルじゃないで

先生オナるのはどうすんですか?

聞いてる言葉の冗舌か

言葉プロセスは出してる

さっきから聞いてりゃ頭悪ぃな

オマエの話は空回りさ

浮かれた話の花咲か爺さん

俺に勝つ? バカバカしいや

概要

8小節4本
ビート: ECD / mass 対 core
勝者: ERONE

解説

UMB2009 2回戦 名古屋代表 YUKSTA-ILL v.s. 大阪代表 ERONE

UMB2009_YUKSTA-ILL_vs_ERONE_3

今回はUMB2009からこちらの一戦を紹介します。

ライミング巧者2名によるガチガチの押韻対決、めちゃくちゃ面白いです。

バトルシーン的には一,二世代くらい前のものですが、とても好きな一戦なのでピックアップさせてもらいました。

現在はフリースタイルダンジョンの解説等で活躍するERONEですが、もともとフリースタイルの実力者として知られたMCです。そしてこの年も当然のようにUMBの本選へ出場しています。それも当時から激戦区の大阪代表としてです。

やはり当時隆盛を誇っていたIFK勢のERONEは強いですね。大阪代表は2005〜2008まではHIDA、2010以降はR指定が独占しているのですが、ちょうどこの時期は隙間にあたり、激選区大阪を制した韻踏合組合のERONEが本選に登場します。

対するYUKSTA-ILLの方も本選はこれで2回目くらいでしたでしょうか。固いライミングとひょうひょうとした言い回しでキャラが立っています。個人的にはこの時期の中でも好きなMCの一人で、今回の試合でもカッコいいバースを蹴っています。特に1バース目終わりの「まぁERONEくん ね いつか 優勝できるよ」のラインなどは彼のキャラが色濃く出ていて気に入っています。

UMB2009_YUKSTA-ILL_vs_ERONE_2

ERONEの方もただライミングが上手いだけではなく、各バース、要所要所のピークアウトの仕方が絶妙で、勘どころを押さえて外さない感じです。

例えば2バース目のラスト。「南無阿弥陀仏」からつないで「お陀仏」と音を重ねていきますが、ここで終わらずすかさず「さーすぐ」とさらに押韻を重ねることで、ボキャブラリーの上でもフローの上でもバリエーションが生まれていて、単調になっていませんね。細かい点ではありますが、こういうところに試合巧者ぶりが見て取れます。

それで勝敗の行方ですが、結果的には僅差でERONEが試合を制します。YUKSTA-ILLも上手いし面白いrapをしてましたが、ERONEは上手い上に強かったという印象です。

大阪勢は層が厚すぎてアレですが、この時のERONEのスキルは本当に当代最高峰だと思います。このまま優勝しちゃうんじゃないかと思えるほど勢いがありました。

2009のUMBは鎮座DOPENESSやPONY、NONKEY、FEIDAWANなどなど、
今もバトルで活躍するMCたちがぶつかり合った大会で、今見ても非常に見応えがあります。
最近バトルを見始めたという方も一度見てもらえると十分楽しめるんではないかと思います。

※ 相方はチューシー

SATUSSY。ERONEの所属する韻踏合組合の組合長であり、CHIEF ROCKERとしてもユニットを組んでいる。

※ 一回戦の水戸の人

水戸予選代表、WOODSMAN。一回戦で敗退している。