[J-MACK]
Yeah 戦極17章
三陸のバイブスを届けに来た
こいつ HipHop?
はぁ? なめんな俺がHipHop
Yo おめーら着いて来い
三陸の荒波に飲まれて来た
Chiva chiva 燃やしたfire
こいつはさいならmotherfucker, bitch
[Core-boy]
Yo お前よりラッパーとして
仕事をもらって金を稼いで
着てるDIESELの11万のジャケット
埃はたいてから言えよ ダセーよ
お前が着てる服 とかそういうのじゃないけどまぁ
オールドっぽいムートンさんですら
ダウンジャケット羽織ってオシャレになってんだけど
お前どうなってんの?
[J-MACK]
おい B-BOYも分かってねぇな
B-BOYはダボダボのジーンズにイケてるスニーカー
分かってねぇのこいつの方だ
俺が real HipHop これでどうだ
ぶちかます俺のライム キメぇクソガキ
食らわすmotherfucker
Bitchには興味ねぇよ なんだその
腹立つクソガキに興味はねぇな
[Core-boy]
Yo B-BOYはダボダボのジーンズにティンバーとか
古過ぎるぜマジで いつまでそれ言ってんの?
てか手挙げてる客ほとんどスキニーパンツ you know I mean?
頭悪すぎ お前みたいなやつ空回るスキル
ダンジョンじゃされちまったクリティカルヒット
励ましのうぇいよーすらクリミナルシット
概要
8小節2本
勝者: Core-boy
解説
戦極MC BATTLE 第17章 1回戦 J-MACK v.s. Core-boy
今回は戦極17章からこちらの一戦を取り上げたいと思います。
J-MACKは山形予選の成績優秀者ということで岩手から参戦。対するCore-boyはゲストバトラーとしての参戦になりました。
それでは内容をみていきます。
先攻のJ-MACK。かなり攻撃的なテンションのrapです。純正HipHopと言えばいいのか、ハーコーを推すスタイルで対戦相手を煽ります。
続いて後攻のCore-boy。「ラッパーとして仕事をもらって金を稼いで」と相手に乗っかる形でさらにかぶせていくようなdisで応戦。こちらも煽ります。
具体的な金額を交えて服のアピールをしていくんですが、岩手出身のJ-MACKと東京出身のCore-boyとで、それぞれの思い描くrapper像、HipHopの理想像の違いが見た目やrapに如実に表れてる気がしますね。
例えばこのライン。B-boyらしいオーバーサイズの出で立ちのJ-MACKに対する皮肉の利いたdisになってます。聞いてる方は面白いんですが、煽られる方はたまらないでしょう。
続いて先攻J-MACKの2本目。そんなCore-boyの煽りを一発でねじ伏せたアンサーがこちらです。
これにお客さんからも大きく声が上がっていくのですが、一瞬で相手の優位を切り崩した妙手と言っていいでしょう。見ていてハラハラする攻防です。面白い。
そして後攻のCore-boy。先ほどのJ-MACKのパンチラインに対しては「古過ぎる」「いつまで言ってんの?」と即座に反応します。
さらにこのラインが続くのですが、これが本試合最大のパンチラインではないかと思います。
不意打ちというか、別の角度から加えられた手痛い追撃といった感じで、個人的にはこういうチクリとくる皮肉が非常に好物です。
惜しむらくはオーディエンスの反応がそれほど大きくなかった点でしょうか。
もちろんCore-boyもある程度誇張して伝えている部分も多少あるかと思いますが、このお台場という土地柄や、戦極の客層を考えるとあながち外していないのでしょう。
この辺りぐらいまでには、先ほどひっくり返された場の空気を改めて引き戻していた印象です。
さらに追い打ちをかけるように最後の着地です。これはパンチラインでしょう。
これは2018年2月(本大会と同年同月)に放送されたフリースタイルダンジョンにて、出場したCore-boyが一回戦でモンスターの裂固にクリティカル負けを喫したことを挙げつつ、さらに当時同番組の進行役だったMCのUZIが同年1月に逮捕され、番組を降板したこともライミングで繋いだ一節で、早い話が非常によく練られたラインというわけです。
これはすさがに完全即興ではないでしょうが、そのタイミングがまさに時宜を得ていて、恐ろしいくらいにピンポイントで突っ込んできた感じがしますね。これは上手いです。
正直このラインを紹介したくて本試合をとりあげたと言っても言い過ぎではありません。そのrapのスムーズさといい、クリーンヒット具合といい、ぜひ映像でご覧頂きたいシーンです。
そんなわけで勝者Core-boy。バイブスに逸るJ-MACKを相手にあっさりと勝ってしまったという感じでしょうか。
なんというかCore-boyはrapそのものよりも単純に口喧嘩が強いのだろうな、という印象です。相手の発言をかわしつつ自分の攻撃をしかけていく摑みどころのない感じがなんとも良かったです。