マチネ v.s. 我次郎MIC
UMB2017 一回戦 栃木代表 マチネ v.s. 群馬代表 我次郎MIC
今回はUMB2017 GRAND CHAMPIONSHIPの一回戦からこちらのバトルを取り上げたいと思います。
もう見ての通りで、右側から尋常ならざる異様な雰囲気が漂ってます(笑)
[マチネ]
見た目がなんだか マクドナルド
今から炎上する会場 バックドラフト
Yeah 見た目がピエロ? そのまま消えろ
なんだかイエロー 俺はB-Boy 心はイエロー
見とけガジさん これが俺のやり方
これがビートちゃんとしてる 俺のこんなハメ方
着いてこれるかガジさん どうなの?
ただのお前コスプレ野郎
俺のライムでド突くぜアホ
[我次郎MIC]
乗り方 俺は自由 俺は俺のやり方
マクドナルドじゃねぇ これは『it』
それを見たら終わり お前は終了
そんな感じ マチネ マチネ ヘイ待ちねぇ
とか言っときながら 寿司食いねぇ
Yo お前は調子どう? Masterquench
宇都宮でこの後LIVEがあるんだろ?
だったら一回戦 早めに行けるぞ
宇都宮ありがとよ
調子はどうよ? マチネ
お前とはマイメン 親友同士
そういうとこじゃねぇとこで繋がってる
北関東同士の有志
[マチネ]
OK 俺はMasterquench
お前の頭に爆薬設置
俺が握るぜ爆破スイッチ
速攻でBomb! 頭 これで終了
ガジさん これで俺のやり方わかるだろ?
Yeah 俺が宮サイファー
ゴッドファザー 俺が見せることわざ
Yeah なんてありきたり
つまり そう 犬も歩けば棒にあたる
Disもかわせばどうにかなる
だからOK 猿も木から落ちる
どころかwackも木から落ちる
それを心得た奴が生き残る
[我次郎MIC]
綺麗に韻を踏むなぁお前
俺は今日来る時 NAIKA MCと犬のウンコを踏んできたぞ
ウンコを踏んだ奴は今日運があるってことなんだよ
そういうことだ 俺が踏めるのは韻じゃない
ガムかウンコ それか地雷ぐれえだ
そんな感じだお前マチネ とっとと帰れ
今年UMB終わるんだってな
だったら俺は今年から始まる時なんだよ
Yo 今日は決勝まで6着持ってきたから
次も 次も 次も観たいだろ?
だったら一回戦で帰らすんじゃねぇよ
今日はお前とやれて楽しかった
なんかの因果関係だな
概要
8小節2本
勝者: 我次郎MIC
解説
UMB2017 一回戦 栃木代表 マチネ v.s. 群馬代表 我次郎MIC
今回はUMB2017からこちらのバトルを取り上げたいと思います。
マチネ対我次郎MICの北関東対決、のはずなんですが、もうそんなこと頭から吹き飛んでしまうぐらい見た目の印象が強烈です。
我次郎MICは仮装の常習犯で、過去にも他大会でフリーザのコスプレで出場するなど、見た目から賑やかしていくスタイルがすっかり定着しつつあります。特にこの対はなび戦はフリーザ対スーパーサイヤ人といった様相で、偶然とはいえかなりアツい試合展開になっていました(笑)
[戦極第13章] 我次郎MIC v.s. はなび
そんな我次郎MICの今回のUMB参戦。初戦から(衣装に)力が入ってる感じです。また、トラップライクでシリアスなビートとのギャップもこの異様な雰囲気に拍車をかけてる気がしますね。
それでは試合です。まず先攻のマチネから。
巧妙なライミングとビートアプローチでものすごく調子が良く、実際にお客さんも沸かせています。
本人も「ビートの乗せ方」としている通り、キワモノ感の強い我次郎MICに対してスキルでしっかりアピールしていく正攻法になってます。
ただしこれはこの試合マチネの全バースに共通して言えることですが、この計算され尽くしたライミング攻勢は前半がピークになっていて、最後まで継続することができていない模様です。
中盤から後半にかけて勢いが緩慢になる場面があったりと、前半の流れがスムーズなだけに目につくシーンも少なからず見受けられた印象です。
特に2バース目、「爆薬設置」からのラインは勢いもクオリティも両立していてかなり良いパフォーマンスだっただけに、途中の失速がややもったいない感じでした。
ちなみにこの「爆薬〜」の辺りはUMB2015の個人的大会ベストバウトである、NAIKA対早雲の延長を彷彿とさせる感じでかなり良かったです。
[UMB2015] 早雲 v.s. NAIKA MC 延長
対して我次郎MICは内容面、アンサーにフォーカスしていく戦い方で、こちらはこちらで自分のスタイルで場をしっかり掴んでいきます。
マチネ前半のラインに対してこちらの対応。風貌的にはどう見てもマクドナルドなんですが、映画のタイトル(IT/イット “それ”が見えたら、終わり。)に掛けたアンサーでマチネに傾いた流れを引き戻します。
2バース目、「綺麗に韻を踏むなぁお前」からのラインでは話の流れを自然にとんち・ユーモアの方面へ横滑りさせていて、スムーズに自分の土俵に引っ張り上げていった感じです。うまい戦い方だと思いました。
そしてこのアンサー。スタイルとしてはライマータイプのマチネが好きなのですが、このラインにはやられました。個人的にはこの試合最大のパンチラインがこちらです(笑)
そしてこちらがトドメの一発になった感じでしょうか。
純粋にスキルのコンペティションにしたいマチネに対して、オーディエンスを巻き込んだショーとしての側面を巧みに利用する我次郎MIC、という構図で、試合の流れはしっかり掴んだまま後攻2バース目を締めていきます。
こんなこと言われたら「次も見たい」と思っちゃいますよね(笑) そんな会場の心理にうまく働きかけていくような戦術でした。
そんなわけで勝者我次郎MIC。北関東同士のマイメン対決でしたが、スタイルウォーズの末に「より盛り上げた方が勝つ」という妥当なジャッジと、次の衣装への期待感が印象的でした。