晋平太 v.s. 呂布カルマ
UMB2017 一回戦 REVENGE代表 晋平太 v.s. 愛知代表 呂布カルマ
今回は発売されたばかりのUMB2017から、晋平太と呂布カルマの対戦を取り上げます。このカードで一回戦です。
[晋平太]
Yo 元気? 名古屋コーチン
R-指定 相手に失禁
木っ端微塵 いつもの自信
さすが名古屋コーチン ていうかチキン?
それでモンスター? 本当っすか?
試してもう1回いいっすか?
見れば分かるぜ? ヘビとマングース
だがすべて賭けてる ラスト1チャンス
[呂布カルマ]
さっき駅前で食ってきたファミチキ
ここで2匹目のチキン ごっそうさま
クリスマスはもうとっくに過ぎてるのに
俺の頭ではピヨピヨ 鳥が舞ってるぜ
昔のチャンプよりもちゃんと今のチャンプの方が強ぇってところを見せねぇと
証明してやるぜ
オマエは俺のお膳立てのために帰ってきただけ
花道を飾らせてくれよ 俺はあと引くぜ
[晋平太]
本物のチャンプはオメーじゃねぇ
お膳立て? するのは俺じゃねぇ
思い出せ 5年前 remember men?
Yo 優勝させろよもう10回
ヘビを操る猛獣使い yeah
オマエがピヨってんだろ 日和ってんだろ ビビってんだろ?
奇跡起こす モーセの十戒
これで十分かい?
なんならやってやるぜ延長戦でもな もう一回
[呂布カルマ]
もう今のうちから延長見定めた言葉を吐いてる
オマエの覚悟の無さ
俺はハッキリ言ってmicheck1, 2で
オマエのカラダを1, 2 真っ二つに分ける
理由はどうあれ 帰ってくるのは格好悪いぜ
まるで都会から出戻りしてきた姉ちゃんみたいだ
女の腐ったやつ 晋平太
人前で涙ボロボロ流すもんじゃねぇぜ 男ならな
概要
8小節2本
勝者: 呂布カルマ
解説
UMB2017 一回戦 REVENGE代表 晋平太 v.s. 愛知代表 呂布カルマ
今回は発売間もないのUMB2017からこちらの一戦を取り上げたいと思います。
とうとう2017のDVDが発売されたUMB、まずは一回戦の試合を取り上げようと思っていたところ、目に付いたのがやはりこのビッグマッチでした。
司会の座を退いてから2年、プレイヤーとしては実に2012以来5年ぶりとなる晋平太のUMB挑戦で、初めて優勝した2010大会と同様、リベンジからの出場となりました。
対する呂布カルマ。前年は「ヤングたかじん」という変名で出場したものの、惜しくも決勝でNAIKA MCに敗戦。それだけに今年は周囲からも期待がかかっています。間違いなく優勝候補の一角と言っていいでしょう。
[UMB2016] NAIKA MC v.s. ヤングたかじん
それでは試合の内容を見ていきます。
Yo 元気? 名古屋コーチン R-指定 相手に失禁
– 晋平太
まずは先攻晋平太の冒頭。ここ、ご存知の方も多いかと思いますが、TV番組の「フリースタイルダンジョン」、その3rd season Rec.5-7でR-指定と対戦したときのことを揶揄した内容になってます。
3本勝負の2本目でR-指定の攻勢に成す術なく投了してしまったシーンを蒸し返しているわけなんですが、「木っ端微塵 いつもの自信」とだいぶストレートな表現でdisを重ねていってます。
ちなみにこの「名古屋コーチン」というのもその時のR-指定のバースから引用しています。この一連の流れはたぶん対戦が決まった時から考えてた気がしますね(笑)
見れば分かるぜ? ヘビとマングース
– 晋平太
続いてこちらのライン。これは呂布カルマを「ヘビ」に、自身を「マングース」になぞらえて天敵同士の関係を表現した一節になってますが、画像見てお分かりの通り、そのイメージがめちゃくちゃハマってます。ここは地味に上手いなと思いました。
ちなみにこの二人、実は約6年前のUMB2011でも本選で戦っていて、その当時晋平太は呂布カルマのことを「オールバックしたトカゲ」とdisしていました(笑)
さっき駅前で食ってきたファミチキ
ここで2匹目のチキン ごっそうさま
– 呂布カルマ
続いて後攻の呂布カルマ。晋平太の「チキン」を受けてアンサーするところからスタートします。
また、続く「ピヨピヨ鳥が舞ってるぜ」とのラインは手数の多い晋平太のrapを揶揄したラインと思われます。
呂布カルマのrapはこのように後から咀嚼して納得する内容が多くあり、例えばこのバース最後の「花道を飾らせてくれよ」という部分も、カムバックした晋平太に対して「お膳立てしてくれるお礼に入場を手伝ってやるよ」という皮肉を言外に含んだ一節になっている感じです。
初見で会場のお客さんが呂布の内容をそこまで噛み砕けていたかは置くにしても、やはり彼のラインでお客さんは結構な盛り上がりを見せていました。
昔のチャンプよりもちゃんと今のチャンプの方が強ぇってところを見せねぇと
– 呂布カルマ
そしてこの試合で呂布カルマが打ち出した姿勢は世代交代で、FSDの2代目モンスターとしても活躍する彼は、その優位を明確にアピールしていきます。
本物のチャンプはオメーじゃねぇ
お膳立て? するのは俺じゃねぇ 思い出せ 5年前
– 晋平太
そして2バース目。もうここはさすが晋平太と言えるようなテクニカルなアンサーなのですが、まず上のチャンプの話題に反撃しつつ、同じライミングで「お膳立て」のくだりも一蹴。さらに「5年前」とUMB2011、初対戦での記憶を想起させています。
どうでしょうかこの一連の流れ。この間すべて同じライミングを継続していて、無駄な言葉も一切なくひとつひとつが相手へ向けた攻撃になっています。
もうこのたかだか2,3小節に彼のスキルが凝縮されている感じです。シンプルなスキルで向かってこられると、真っ当にアンサーしている分だけ呂布カルマも相当やりにくかったはずです。
Yo 優勝させろよもう10回
ヘビを操る猛獣使い yeah
– 晋平太
また、このラインもそうなのですが、晋平太は小節単位で脚韻を挟みつつも、要所要所に緩急がありrapが単調になりません。そういう細かい部分でもスキルや試合運びの巧さをがあり、UMBでのプレイヤーとしてのブランクをまったく感じさせません。
理由はどうあれ 帰ってくるのは格好悪いぜ
まるで都会から出戻りしてきた姉ちゃんみたいだ
– 呂布カルマ
対して後攻の呂布カルマ。ここがおそらく本試合で最大のパンチラインでしょう。こういうサラッと放った何気ないdisで一気に流れを引き寄せていくところが呂布カルマらしいです。当然会場からも大きく声が上がります。
人前で涙ボロボロ流すもんじゃねぇぜ 男ならな
– 晋平太
そして最後、これもトドメになる一撃で、大きな大会では優勝や予選突破の際になにかと男泣きを見せていた晋平太。果ては他人の勝敗でも涙を見せるほどの涙もろさで、そんな彼をグサグサ刺しにくるラインになってます。
もう先ほどまでの流れで呂布カルマはかなり試合の空気感を掴んでいて、結果的にこの最後のラインでも会場を見事に反応させ、そのまま試合を押し切った格好となりました。
そんなわけで勝ったのは呂布カルマ。両者調子がよかっただけに、個人的にはサービス延長を求めたかったところです。
特に晋平太の方は並々ならぬパフォーマンスを見せていただけに、一回戦敗退は非常にもったいないと思わずにはいられませんでした。
モーセの十戒 じゃないですか?
> あんず さん
早速コメントありがとうございます!
ここはおっしゃる通りだと思います!訂正させてもらいました!
2010の晋平太は東京代表で、リベンジ代表で上がってくるのは2011ですよー