MAC-T v.s. ヤングたかじん
UMB2016 BEST8 岐阜代表 MAC-T v.s. 愛知代表 ヤングたかじん
今回はUMB2016からこちらの一戦を紹介します。名古屋と岐阜、BEST8にしてご近所対決です。
[ヤングたかじん]
よく頑張ったねMAC-T 4年も連続で
ここに上がって未だにその程度
俺は初めてだけど what’s good
大好きな酒も控えてなんとか上がってきたみたいだけど
一緒に来たオマエの奥さんにも今のうちに謝っておくよ
ゴメンな
[MAC-T]
別に謝る必要ない
まだまだこれから上がりたい
4回 岐阜 背負って
豪快にキメてる名古屋をK.O.
俺はそのやり方 自分の生き方
そうやって 酒の飲み方
別に注意される必要はないから
[ヤングたかじん]
俺はオマエのこと 嫌いじゃないけど仕方がない
4回も岐阜を背負ってきてるのに
誰も岐阜のシーン 興味ない
すでに裂固が上げてる
オマエなにやってんの? いつまでも
俺は最年長者だから
名古屋を一番上げるためにここに立ってる
[MAC-T]
残念だな 裂固
出てくると思ったけど
まさか 呂布さんが!?
あーあーあーあー まさかのまさか
人の名前使って上げる
俺はこうやって塗り替えるだけ
新たなページの始まり
俺が掴むぜこの場で必ず
[ヤングたかじん]
「呂布さん」って言うなって
その辺のルール徹底しとこうぜ
MAC-T マコトちゃん
しょうがねぇじゃん
裂固の方が有名になっちゃったんだもの
オマエ何年もやってんのに
もう4回目? 3度目の正直も過ぎたとこ
だから俺は名前変えたんよ
「呂布カルマ」で3回スベってっから
[MAC-T]
呂布カルマで3回 スベってるけど
4回戦でまた滑り出したら他のものは別にない
結局自分で言ってる呂布カルマ
言葉が露わになってく
あらららら あらららららららー
さよならヤングたかじん
初めて名前を言えたよ
[ヤングたかじん]
初登場で優勝しようと思ってますからジャマすんな
次のmol53のこと考えてる
ちんちくりんにばっかりUMB獲らせる訳にはいかないから俺に任せな
この100万を獲って
さらに先の大会のことを俺は見てる
[MAC-T]
Yeah 俺も上見てみたいね
でもちょっと次まで考えすぎ
一回目で出たのにまず目の前の相手をして欲しい
Sweepするだけ ただ ヤングたかじん
でも出てくる言葉の中に 微妙な軽さ
絶妙なスパイス決めて調理さ
概要
8小節4本
ビート:
勝者: ヤングたかじん
解説
UMB2016 BEST8 岐阜代表 MAC-T v.s. 愛知代表 ヤングたかじん
今回はUMB2016からこちらの一戦を紹介します。
名古屋対岐阜。どちらも本選では常連と言っていい顔ぶれになりますね。
まずは先攻呂布カルマ。冒頭から早くも上から目線のrapで、もう最初の「よく頑張ったね」で彼の態度が表現されてますね(笑)
その後もキツめのdisをいれつつ、「勝っちゃうけどゴメンね」といった体でdisを続けていくのですが、意図的にスキを見せつつも終始その態度は崩さず試合を優位に進めようとしています。
対して後攻のMAC-T。そんな呂布のdisに対して果敢にアンサーを返していきます。
特に2バース目のこのライン。すでにプロップスで勝っている呂布カルマが余裕に構えて勝ちを獲りにいこうとするところへ反撃している感じですね。
この「まさかのまさか」というフレーズはUMB2014での当時ディフェンディングチャンピオンだったR-指定との対戦を彷彿とさせますが、強者に立ち向かっていく時のMAC-Tは明白に戦い方を心得ているようで、相手にする方は地味に戦いにくそうだったりします。
[UMB2014] R指定 v.s. MAC-T
続いてはヤングたかじん。
あくまで「呂布さん」と呼ばわるMAC-Tに対しての反論からスタート。本大会ではあくまでもオルターエゴとしての「ヤングたかじん」にこだわってるようです。
そして続くラインではかなりぶっちゃけた話題を展開していますね。この「3回スベって」というのはUMB本選出場回数になるのですが、呂布カルマとしては2011,2012,2014と登場して今回の2016ではや4回目。実はこれキャリアとしてはMAC-Tとまったく同じなんですよね。
この試合の流れだけ切り取って見ていくと見誤ってしまいがちですが、両者の立ち位置はむしろイーブンに近いです。そしてその上でそれぞれにこの試合の戦い方を心得てるところに妙味があるように感じます。
そしてMAC-T。ここでは後半の軽快な乗り方よりも、むしろその前のアンサーの着眼点に注目したいと思います。
あれだけ相手に「ヤングたかじん」と呼ばわることを強いてきたのですが、自ら「呂布カルマ」と発してしまったことを見事に突いています。
MAC-Tは一見フローにシフトしきっているようで、その実相手のスキを少しも見逃さないしたたかさを持っている感じです。
呂布カルマと対峙してもその試合勘は健在ですね。こうした攻防は非常に見応えがあります。
一方のヤングたかじんはそんな相手の攻撃も意に介さずあくまでもマイペースに勝利を確信しているバースになってます。ブレません。
本大会、2016年当時の彼はUMB・KOKの統一チャンプを至上命題に掲げていたのですが、rapの中でもその点は再三言及されています。
実際にもrapの中でその意義をオーディエンスに訴えかけていくのですが、目前の相手をすっ飛ばして話題を展開していく辺りがなんとも呂布らしいです。
そしてMAC-Tのラストバース。こちらは最後まで呂布が見せたスキを突いていくスタイルで、目の前の相手に攻撃の手を緩めていないのはむしろMAC-Tの方だったりしてます。
バトルのアティテュードとしてはこちらの方がまっすぐな表現をしているのですが、いささか一歩踏み込みきれていない感じでしょうか。
MAC-T決して悪くはないのですが、すでに確立しきった呂布のプロップスをどうにも崩しきれていない印象を受けました。
そんなわけでこの対戦はヤングたかじんのストレート勝ち。みごとBEST4へ進出しました。
個人的にはMAC-Tの攻め手は嫌いじゃなかったです。最終的な判定に異論はないものの、お客さんもっと沸いてもよかったような気がします。