[SIMON JAP]
女だろうと容赦しねぇぜ
性別だけじゃ評価しねぇぜ
今日はオマエの命日
Ai yo 俺がSIMON J.A.P
Motherfucker
盛り上げるぜADRENALINE
やってやるぜ この子はあどけない
少女? かもしんない でも行くぜ
オマエ上がれるかよ頂上
[椿]
あどけない10代なんてとっくに
終了してるぜ ハイハイ
アンタもな いいとこまで行くけど
結局は負けちまうキャラ
脆弱してるマスコット
Yo 知ってるぜ少しは腕が立つこと
アブノーマルなフォーカス
目の前の若作り
隅から隅までいたぶる減らず口
舐めてかかった瞬間にくたばるぜ
[SIMON JAP]
おめぇは全然フローがねぇ
そんなんじゃみんなから苦情だけ
が来ちゃうんじゃねぇ?
期待はねぇな そんなんじゃ
さっきのLIVE 良かったけど
バトルはちょっと みんながそっぽ
向いちゃうんじゃダメだぜ
オマエの即興
Ai yo 東京 盛り上げる
こみ上げる想い胸に今
[椿]
Yo フリースタイル即興の副毒性
取り憑かれたまずはここだ ステージの上
オマエは私も一緒だろうが
噛み噛み? フローのないスタイルを
オリジナルさ 誰々に負けて?
でもな自分の牙を研ぎ続ければさ
自分なりにはそれでいいし
私を信じてくれる奴には
曲げないリスペクトを送るぜ
概要
8小節2本
ビート: Nas / Nas is like
勝者: SIMON JAP
解説
ADRENALINE MC BATTLE 2014 SIMON JAP v.s. 椿
今回はこちらの一戦を紹介します。ご存知SIMON JAPに若手フィメールの椿が挑む格好のマッチアップとなりました。
そしてビートはNas is like。バトルでもかなり使われてる超クラシックですね。
まず先攻はSIMON JAPから。「女だろうと容赦しねぇぜ」と完全にバトルモードで幕を開けます。一回り以上年下の女の子に対しても完全に戦闘モードで決して手を抜くことをしません。いいですね。
また、アティテュードだけではなく、「この子はあどけない」のラインなど、状況踏まえたライミングもバシッとハマっていて、内容の面でも調子の良さが目につきます。
対する後攻の椿。1バース目立ち上がりから「あどけない10代なんてとっくに終了してるぜ」と見事に切り返して、大先輩SIMONへ噛み付いていきます。このアンサーはなかなか綺麗です。
その後も「いいとこまで行くけど結局は負けちまうキャラ」「少しは腕が立つ」など、こちらも遠慮無しに食ってかかっていて、インファイトな打ち合いを演出しています。
椿はその可愛らしい見た目とは裏腹に、非常にラッパー然とした語り口や内容、バース構成になっていて、女であることを武器にしたようなコケティッシュなラインは一切ありません。
それどころか完全にHopHopマナーに則ったrapを心がけていたように感じます。泥臭くも爽快といった感じで、見ていてrapやHipHopへの強い想いを感じさせるような内容ではないでしょうか。
そして後半の2バース目。SIMON JAPは彼の十八番である平板ながらも器用な押韻と試合の流れに上手く乗った熱いメッセージングで会場を沸かせていきます。
特に後半の「バトルはちょっと」の辺りではLIVEとバトルのクオリティのギャップを突きついた、disの内容的にもかなりハマった一節です。SIMON JAP、この日かなり調子よかったんじゃないでしょうか。
対する椿は相手へのdisというよりも自身の精神性をrapにしていきます。1バース目同様にHipHop然としたボキャブラリーで、この人は本当にrapが好きなのだと思える内容で、見た目やキャラクターとのギャップがより一層そのことを際立ててます。
SIMONが前のめりに攻撃を重ねていただけに、もう少し相手へdisをぶつけててもよかったかもしれませんが。
そんな感じのバトルでしたが、結果は判定によりSIMON JAPの勝利。やはりキャリアや場数の差がそのまま結果に反映された感じでしょうか。
試合全体の流れでいくと、熱のこもった言葉の応酬になっていましたが、会場の温度感で言ってもしっかりと沸きどころを作れていたのはやはりSIMON JAPだったように思います。