FEIDAWAN v.s. FORK
UMB2006 準決勝 FEIDAWAN v.s. FORK
今回は10年以上前のUMB2006大会からこちらの一戦。
当時伝説的な強さを発揮したICE BAHNのFORKに対して岡山から若手のFEIDAWANが挑んだバトルです。
[FEIDAWAN]
本当運ねぇよ またも先攻
どうこう言えねぇよな ここは戦場
FORK そう 俺がFEIDA
はじめまして アンタの
マジでついてねぇハッピーバースデー
ここで見せてやるぜ
岡山インデペンデンスデイ
独立 岡山ヤンガン
アンタを撃ち抜く最高 マシンガン
[FORK]
Yo yo まるでマシンガン
FORKというライムマシンが
まるで大魔神か ってくらいに
ヤバいフリースタイル見においで
騙されんなよ勢いで
from 岡山 FEIDAWAN
知らねぇ ここが現場だ
そんなんじゃ掴めねぇぜゲンナマ
半端じゃねぇ
俺のポジションはずっと平和だ
[FEIDAWAN]
騙されねぇ? この勢いで?
この男は 俺と目も合わせれねぇ
パーカーかぶってるだろ 見えてるだろ
俺の目 ブルー
そうさ オマエの気持ちもブルー
俺のルールがここでブーム巻き起すdoop
岡山のみんな ちょっと待っとけよ
Yo FORK そこで待っとけよ
[FORK]
Yo 待っとけ って知らねぇ
まるで万歩計か知らねぇけど
マンコgetするまで
ヤバいもん見してくぜ
その眠そうな目 見ながら
このトーナメントで
タイトルを総なめしてくぜ
まるで交差点
で出合頭みたいな感じで
マジでマジなフリースタイル聞かしてやるぜ
明日 半端じゃなく落ち込む
まるで押し合い 後で落ち合い
[FEIDAWAN]
眠そうな目?
俺なんかマジでアソコもビンビン
だかなりヤバ目な若手
マジ上昇気流 起こしてやるぜ
俺は朝青龍
そうなのさ この張り手を喰らえ
オマエはそのステージとここから落転
オマエに無いのは即興度
ひょっとしてオマエ高所恐怖症?
高いもんなぁ ここのステージ
俺のB-BOYスタンスをここで提示
午前0時からもう
俺の目はもう バッチリバッチリ
見たぜパッチギ
ヤバいぜ あの監督みてぇに
オマエをここでマジで撃ち抜く
俺の弾丸は一発限り
0.2秒 神の世界 そうアウト
[FORK]
Yo なに言ってるかわかんねぇ
その監督は井筒
わからしてやるぜ少しずつ
バッチリと射抜く つまりノーミス
ヤバい濃密
ヤバいオービス でも捉えられない
変えちまうか法律 高い勝率
もこの先どういくか知らねぇけど
倒立ぐらいもできちまう体育会系
かヤバいけどライム祭典
マジでヤバいぜこのライムさばき
だいぶ形になってきたこの準決勝
岡山から出てきたのもどうせ運でしょ?
マジで見てきたぜフリースタイルバトルの表裏
岡山で勝ったくらいでのぼせるな
この田舎もん どうせ暇だもん
マジでこの暇人 ヤバいイマジン
概要
8小節2本+16小節1本
ビート: LAMP EYE / 証言
勝者: FORK
解説
UMB2006 準決勝 FEIDAWAN v.s. FORK
今回はUMB2006大会からこちらの一戦を取り上げたいと思います。
今から10年以上前となるUMB2006ですが、バトル史の中でも一つの画期となった大会であることは間違い無いでしょう。
そしてその大会の中でも出色のパフォーマンスを見せ、ぶっちぎりで優勝したのがこのFORKです。一方のFEIDAWANはこの時が本戦初出場、現在もキャリア10年以上のベテランMCとして第一線で活躍するMCですが、当時はまったく無名で、勢いのあるヤンガンといった感じでした。
本試合のビートは証言。そして大会ルールとして、準決勝は3本勝負で、それぞれ8小節-8小節-16小節という変則的なルールとなっています。
さて試合の内容を見ていくと、これ以上ないくらいに声を張り上げて勢いに乗ったrapをするFEIDAWANに対して、FORKはクールなトーンで言葉の一つ一つをゆっくりと聴かせるようなrap、という構図になっていて、バイブス対ライミングというそれぞれのスタイルが端的にrapそのものに表れていました。
そしてFEIDAのバイブスはFORKのスキルに負けないくらい凄まじいもので、オーディエンスに強烈なインパクトを残していたと思います。
特に2バース目、「勢いに騙されるな」というFORKに対して「この男は俺と目も合わせれねぇ」と正面切って対抗する辺りや、バース最後の「岡山のみんな ちょっと待っとけよ」「Yo FORK そこで待っとけよ」の部分など、個々のラインが非常に印象に残るもので、気迫ではFORKを上回っていたと言っていいかもしれません。若手らしいナイスな戦い方をしていますね。
対するFORKはやはりICE BAHNでのスタイル同様、押韻主義一直線のスタイルを即興で繰り出しています。特にこのバトルは試合の後半に進むにつれてライミングの手数も即興度も増していて底なしのスタミナを感じさせる内容となっています。実はこの前の一回戦で大阪代表のHIDADDYと再延長にわたる死闘を演じていて、それでもこれだけのパフォーマンスを飄々としているわけですから、もうこの人無敵なんじゃないかと誰もが思ったことだと思います。本当にスゴかったです。
そしてこのバトルで最大のハイライトはやはりFORKの4バース目後半で、「だいぶ形になってきたこの準決勝」から続く一節になるでしょうか。ここから「岡山から出てきたのもどうせ運でしょ?」とドギツい一撃が飛び出します。
2006年当時にライミングとdisがここまで高い次元で両立したラインを出せるのがFORKでした。
また、その後も「フリースタイルバトルの表裏」「岡山で勝ったくらいでのぼせるな」と攻撃の手を緩めず波に乗ったまま攻め立てていき、追随を許さないパフォーマンスを見せていきました。
この時点で会場もかなり盛り上がっていて、勝負の流れは完全にFORKに支配されていたような状況でした。
結局そのままバトルは終了して、FEIDAWANには一人も声を上がらないほどで、結果はFORKの圧勝となりました。
この大会のFORKは山場となったHIDADDYとの一回戦を越えて以降、どの試合も完璧に近い内容で圧勝に次ぐ圧勝といった感じでしたが、その中でもこのFEAIDAWANとのバトルは終盤の流れが圧倒的で、記憶に残っている方も多いかと思います。
HIDADDYとの死闘同様に、シーンが続く限りは語り継がれていく一戦になるのではないでしょうか。
※ またも先攻
FEIDAWANは一回戦のTOSHI戦でもジャンケンに負けて先攻スタートとなっていた。
※ 大魔神
佐々木主浩。地元横浜で活躍していたプロ野球選手で、通称「ハマの大魔神」。
※ パッチギ
井筒和幸監督による日本映画。
楽しく拝見させて頂いております。
少し気になる箇所がありましたので何点か
(筆者様が分かっている事は文を呼んで見受けらるのですが、、、)
・「UMB2006FEIDAWAN v.s. FORK一回戦のバトルです。」
「準決勝」の表記でいいと思います。
・「この前の一回戦で大阪代表の〜〜〜演じた直後がこの2回戦で、」とありますが
二回戦は「25時の影絵」戦でこれは準決勝です。ちなみに二試合目
解説はとてもわかりやくす的を得ていると思います。
これからも更新頑張ってください。
失礼致しました。
> おにたろう さん
コメントありがとうございます!
ご指摘について修正させて頂きました、非常に感謝です!