[KING OF KINGS 2015] Lick-G v.s. 呂布カルマ

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Lick-G v.s. 呂布カルマ

KING OF KINGS2015
Lick-G v.s. 呂布カルマ
1回戦のバトルです。

KOK2015からこちらのバトルです。世代からrapスタイル、それまでの活動遍歴まで、まったく異なる両者の対決です。

[Lick-G]

まずは俺が勝つからそこどきな

とうとう来たな この時が

わかる? 俺のライミング漢気は

全然勝ってないから決める

オマエが劇場型

でもパンチライン足りねぇ

ここで液状化だ

イカれた言葉 飲み込むLick-G

オメーに勝つ それか

yack スキル ライマー


[呂布カルマ]

ン? なんて

最初から最後まで

なに言ってるか全然わからないんですけれども

君はアレやね こないだ高校生相手に

敗北を喫してここに立っている訳だけども

今日は日本一を決めに来るはずが

もう負けた臭いがプンプンしてる

一回負けたMCには

腐った肉の臭いみたいなのが染み付いてる

それは決して落ちないんだよ


[Lick-G]

Yeah 決勝 俺の言葉

聞こえねぇならまずビートに乗れない

それができることもできないんだ感覚

一言一句 盛り上げることもできない

オマエの オイ 呂布カルマ

全く韻踏んでねぇ

ライムポイントどうなってんの?

イカれた言葉 もっと韻を踏もうか

できねぇMC 民族浄化


[呂布カルマ]

オイ みんなワーワー言ってるけど

コイツなに言ってるか聞こえてるヤツいんのかな

俺は十何年マイク握ってるけど

コイツの言葉 一切入っちゃこねぇし

あと ジャッジになんか言わなくても大丈夫

韻とかいうレベルの話じゃねぇから

ガキが 大人に でけぇ口叩くのは

マジで十年早ぇんだよ


[Lick-G]

韻とかどうこうじゃねぇなら

ライムポイント存在してねぇだろ

なに言ってんの?

俺のスタンス 絡まったビートの上

繋いでくだけだ

十何年 やっても踏めねぇ

俺これ3年間の集大成

これでわかるか

パスはまず楽屋戻れ

このwackが


[呂布カルマ]

オマエが分別なく踏み付けてるライム

は すでに汚れてる

俺が踏む韻 息を吹き返す

まるで砂漠の中に散らばるダイヤモンド

コイツの踏んでる韻

なんかすでに誰かが踏んで

汚しちまってるもの

もう 味のしなくなったガムみたいなヤツ

オマエの肌の色と一緒だな

真っ白だ


[Lick-G]

真っ白さ そんなこと言っても

結局オマエ変わんねぇ

HipHop 肌の色 関係ねぇ

肌白い? それより内容だけで判断しろ

俺のスタイルは 変わらないのさ

だからオマエ 韻もっとちゃんと踏め

それもできねぇ 韻踏んでない

ならここでは勝てない

マジでオマエはバイバイ


[呂布カルマ]

ガキが頑張っているけれども

結局 しょうもねぇことしか言ってねぇ

白い肌と一緒 関係ねぇにしろ

頭ん中まで真っ白になっちゃってんじゃねぇの?

いい加減にしろ もう

使用済みのタンポンみたいに

真っ赤っかに染めてやろうか

ローカルからアンダーまで全部飲み込むのは

俺が今日それを証明するだけだ

概要

8小節4本
ビート: オリジナル
勝者: なし(延長へ)

解説

KING OF KINGS2015
呂布カルマ v.s. JAG-ME
2回戦のバトルです。

今回はKOK2015からこちらの一戦です。
もはやパンチライン製造機とでも言うべき名古屋の呂布カルマに対して、高校生rap選手権出身で、「大人の大会」でも多数活躍するLick-Gという楽しみな組み合わせです。

先攻はLick-Gで器用にライミングしつつ呂布カルマのスタイルを攻撃していくオーソドックスなスタイルですが、決して韻が先行しているわけではなく、内容的にも的確なところをしっかり突いています。

例えば「液状化だ」というラインの枕になった「劇場型」というフレーズも呂布カルマのスタイルを揶揄する言葉で、かつ「でもパンチライン足りねぇ」とけっこうストレートな表現をぶつけてますね。

また、全編通してライミングの重要性を説いていて、「もっとちゃんと踏め」という内容をしきりに呂布カルマにアピールしていくのですが、これは相手の土俵で戦わせまいとする作戦なのでしょう。

一方、後攻の呂布カルマですが、こちらはそんなLick-Gを意にも介さず大上段に構えたところからrapしていく、といった感じです。

「俺とオマエでは次元が違う」といういつもの流れですが、スタイルの違いを超えたLick-Gとの差異を強調していきます。なので大枠でいくといつもの彼の戦い方と言っていいかと思います。

「腐った肉の臭いみたいなのが染み付いてる」「オマエが分別なく踏み付けてるライム」など、強烈な印象を残すラインが随所にあって、この辺りは本当にさすがです。期待を裏切りません。

そして呂布カルマの言う通り、Lick-Gと比較して聞き取りやすさや通りの良さは群を抜いていて、その結果として、オーディエンスも意味を咀嚼した上でその場その場で瞬間的に声をあげることができている感じです。やっぱりバトルにおいても聞き取りやすさは重要ですね。

バトル後半に入っても話題の大枠は変わらずですが、その中でも両者割と沸きどころを作れている感じです。

Lick-Gは「肌白い? それより内容だけで判断しろ」という辺りのラインは非常に良く、歓声も上がっていたのですが、バース後半にトドメとなる一撃が出てこず、やや不完全燃焼といった感じですね。

一方の呂布カルマも「白い肌と一緒」という相手のラインを受けたカウンターを返していきますが、勝負を決定づけるまでは至らずでした。総合的な内容では悪くなかったものの、誰もが一発で決まるような重たい一撃を期待していた分、ハードルが上がってしまった感じかもしれません。

そして判定ですが、まずオーディエンスの歓声が割れてドロー、その後のジャッジでもLick-Gが2票に対してドロー3票という結果に。立ち位置変わって延長戦へ突入していくことになりました。

どちらもrapに目立ったアラもなく、決め手を欠いたまま終わったしまった感じでしょうか。これは妥当な判定だったかと思います。

このKoKという大会ですが、勝敗の判定方法が既存の他大会とは異なります。まずオーディエンスの歓声を1票と捉え、その他に計5人の審査員による評点が各1票の合計6票で裁定を下すというシステムになってます。

会場の歓声のみや、審査員のみの判定ではこのバトルは延長にならなかった可能性もあるので、一回戦から早速ジャッジによる10ポイントマストシステムが機能している感じですね。

結局このバトルは再延長までもつれる展開となっていますが、この一戦について言うと呂布カルマ相手に食い下がったLick-Gの伏兵感が強く、その実力の高さを改めて認識させられました。

※ とうとう来たな この時が

UMB2005より、MC漢のカルデラビスタ戦においてのパンチライン。

※ 高校生相手に敗北を喫して

本試合の数日前に開催された第8回高校生rap選手権での敗戦を指す。

※ ライムポイント

本大会の審査方式である10ポイントマストシステム。

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