TK da 黒ぶち v.s. 磯友
戦極MC BATTLE 第8章 TK da 黒ぶち v.s. 磯友
今回は戦極の第8章からこちらの一戦です。
まさに戦極らしいといったマッチアップで、戦慄MC BATTLEの時期からシーンで名を上げている両者の対決となります。
[TK da 黒ぶち]
Yo rap始めれば一発で空気変えるぜ
ルーティーン開放のそう
オマエは逆指名で俺を選んだ
何回やれば済むんだよ
言いたいことあるか?
どんなメッセージが飛んでくるか
それが気になる リリカル
このrapで放つぜ
持ち技ワンパターンなドタンバタンなrap
[磯友]
そうだわざわざ逆指名してやったぜ
俺の韻踏む この隠し芸
オマエを簡単に倒しちゃう
だけどこれしっかり縦ノリちゃう
なんて関西弁も出ちゃうくらい
一発目はちょっとスローダウン スローダウン
しないぜ up up 戦極up
アスベストのあの曲 マジでよかった
[TK da 黒ぶち]
埼玉なめられんぞ
マジでパパとオマエはそうだろ?
子どもとママを置いて
土日つぶしてそんなこと言いに来たのかよ
戦極 気合い入れてけよ
オマエが隠し芸 ならば小堺
マジで小賢しいぜ オマエのライム
俺のスタイルには勝てない
スライスバック オマエを切り裂くmic
[磯友]
おめーいっつも自分の筋がどうだとか
話の筋だとか スタイルがどうだとか
同じ話ばっかりして
熱さ勝負 熱いさ勝負
熱いだけって実際のとこは寒いんだぜ?
それも分からない ライミング勝負
しっかりと実力勝負をしてくぜ
TK食い散らかす肉食恐竜
Like a Tレックス
磯友だcheck it out
[TK da 黒ぶち]
熱さと寒さの話
俺のアンサーには絶対に触れてない
ブレてない? 大丈夫? オマエ売れてない
そんなのは知らない 熟れた果実
Yo 冷静と情熱の間
そう俺はライマーとして
情熱を燃やしてるだけさ
別にオマエに熱さとかどうとか
言われようと関係なく放ってくだけさ
[磯友]
そうだな 冷静と情熱の間のグレイゾーン
磯友とTKの最終回のプレイボール
絶対俺は負けねぇ 今日は負けたくねぇ
オマエと俺 勝負は僕と僕
五分と五分? 今日勝つのは僕
なんて言いながらこれ無視した道徳
磯友のライミングはオマエより強力
概要
8小節3本
ビート: キエるマキュウ / DO THE HANDSOME feat. KASHI DA HANDSOME
勝者: なし(延長へ)
解説
戦極MC BATTLE 第8章 TK da 黒ぶち v.s. 磯友
今回は戦極8章からこちらの一戦です。
TK da 黒ぶち対磯友という戦極を代表するような組み合わせになってます。
そしてビートはキエるマキュウでDO THE HANDSOME。これは個人的に大好きなトラックで、もうこれだけでもブチ上がります。さすが戦極はビートのチョイスが毎度絶妙ですね。
試合の内容ですが、先攻のTKはリズムキープしつつ言葉を多めに軽快に乗りこなしており、非常にTKらしい滑り出しです。
スムーズなrapをさせたらたぶん日本一かもしれませんね。ライミングだけではなく、各フレーズや言葉のひとつひとつがまんべんなくグルーヴを形作ってる感じです。
一方の後攻磯友。こちらは「逆指名」「隠し芸」と相手の言葉に即座にライミングで切り返していて、さすがのスキルを見せています。また、2バース目には「いつも同じ話ばっかりして」とTKにとって手痛いdisを展開しつつ、「熱いだけって実際のとこは寒いんだぜ?」というかなり強烈なラインを放っていきます。
ここは本試合でも一番のパンチラインだと思います。いいですね磯友。「TK食い散らかす肉食恐竜」など、言葉の選び方もフレッシュで一文一文が際立っている感じです。
対するTKもパンチラインで対抗して、「子どもとママを置いて土日つぶしてそんなこと言いに来たのかよ」とこちらもカウンターとなる一撃を繰り出します。ここも強烈。
スムーズなrapの隙間にここぞというラインを挟んでいきます。最後の3バース目には熱さを揶揄されながらも「言われようと関係なく放ってくだけ」とブレずにそのままのスタイルを通したrapで応戦していきました。
磯友最後のバースもスタミナやクオリティが落ちることなく、相手の言葉を拾ってそれにライミングをかぶせていくというスタイルがありつつ、絶対負けたくない、とこちらも徐々に熱のこもったrapへシフトしていきました。
ちなみに「今日は負けたくねぇ」とのラインは去る戦極5章でのTK戦で放ったラインそのまんまで、背景を知ってる人にとってこういった部分にもストーリーを感じる戦いになっていますね。
そしてラストの「磯友のライミングはオマエより強力」ラインでは、ビートがフェードアウトする中でかなり強調された着地になり、最高の形でバトルの締めになっていたと思います。
個人的にTKは好きなラッパーですが、それにも増してこの試合の磯友はホントにかっこいいです。結果は延長になりましたが、プロップスでやや見劣りする磯友が食い下がったということはrapの内容や試合展開では強敵のTKにそれだけ肉薄していたといことなのだと思います。
もう何度も対戦しているであろう両者ですが、試合ごとにまた違ったスタイルの対立や試合展開があり、観る側を飽きさせません。TKも磯友も調子が良さそうで、この延長判定はお客さんと司会のナイスジャッジだったと思います。
※ 戦極up
アスベストによるSHINGO西成 / 大阪upのREMIX版。
※ 前も言ったな
戦極第5章、同じくTK戦でも「今日は負けたくねぇ」とのラインを言っている。