MCニガリ v.s. VANILLA
ADRENALINE MC BATTLE 2014 MCニガリ v.s. VANILLA
今回はADRENALINE2014からこちらのバトルを紹介したいと思います。
[MCニガリ]
ぶっちゃけ知らない相手だけどさ
この後この後仲良くなれば
最高じゃねぇかまずはバニラアイス
飛ばしてやる一回戦足がかり
相手はVANILLA? 昇るぜ階段
目指すぜ明日
コイツはガイダンス
オレが頂くぜ今日の現場は
そのために来たぜ長野県から
[VANILLA]
覚えて帰れバニラ・ザ・ベビーフェイス
出来レースじゃねぇぜ ここが激選区
わかってんだろが ニガニガリ
あ? あの子と目覚ます
みたいなもんだrapバカ一代
オマエのこと破壊したい
わかってんだろこれ破壊衝動
大人が教えてやる社会構造
[MCニガリ]
オマエが俺を破壊したい
でもそれは無理
俺の方がヤバいみたい hey
その踏み返しのやり方すら
俺なら超えてく ビートのハメ方
から違うぜ 俺ニガニガリ
俺コイツに勝てる気しかしない
そういうとこだぜ クソな時代の中
狼煙あげていくぜ
[VANILLA]
狼煙あげる あげる狼煙
俺ならハイテクノロジー
よりもヤバいようなライミングスキル
見せつけるだけ
あ? ニガニガリ
俺VANILLAだ甘口
今日は立てる中指
持ってく生首
分かってんだろうが今日は
バトルに勝って当てる宝くじ
概要
8小節2本
ビート: Nas / Nas is like
勝者: MCニガリ
解説
ADRENALINE MC BATTLE 2014 MCニガリ v.s. VANILLA
今回はAdrenaline2014からこちらの対戦です。
高校生rap選手権から出て早くから大人の大会で好成績を残しているニガリ。対してこちらも戦極などで活躍する若いMCのVANILLA。どちらもライミングスキルとrapの安定感がスゴいです。
ビートはもはやバトル界隈でも重用されているNas is likeです。
さて、試合始まって先攻がニガリです。「ぶっちゃけ知らない相手だけど」とした上で「この後仲良くなれば」と、ややピースな雰囲気でスタートします。先攻でまったく知らない相手に対してrapしなければいけないのはやはり難しいのでしょう。
その後は「バニラアイス」「足がかり」と相手の名前でライミングを繰り出しながら勝負の流れを作っていきます。先攻1本目ゆえに、当然ながら自分のスキルをただただ披露することが一番のアピールになるわけですね。
続いては後攻のVANILLA。「ベビーフェイス」「出来レース」「激戦区」と最初から全開のライミングです。
また、続く「ニガニガリ」と「ding a ring a ring」の並べ方は言葉のチョイスが非常にフレッシュで、たとえストックだとしても使い回しを感じさせない、どこか唸らされるものがあります。巧いです。
その後もハードな押韻の連続で、このVANILLAというMCのスタイルやスキル、キャラクターを余すところなく出し切っていて「覚えて帰れ」という言葉に違わぬ濃密な1バースとなっています。
そして2本目、先攻のニガリ。「オマエのこと破壊したい」に対するストレートなアンサーとして、「俺の方がヤバいみたい」というラインで応じています。
こちらもライミングがハードでかつ意味も通っている非常にキレイなカウンターになっています。
また、その後も「俺ニガニガリ」と相手の言葉、それもこのバトルで初お披露目された語に対して「俺コイツに勝てる気しかしない」と、新たなライミングのバリエーションで、しかも意味の上でも上からかぶせていくような重たい一撃が続いていきます。
ここは本バトルでも最高潮の盛り上がりになっていて、まさに調子がいい時のニガリそのものといった感じの爆発力を見せている感じです。
対する後攻のVANILLA2本目。こちらもニガリに負けじと相手の言葉を拾って応戦。冒頭の「狼煙あげる」から「ハイテクノロジー」とつないだ上で、「怪傑ゾロリ」と七文字踏みによるアンサーも見せています。
また、その後の「ニガニガリ」から「俺甘口」というラインでは、意味上の転換を図りつつ「中指」「生首」といったライムストックへとつないでいて、非常にスムーズな戦い方を見せていると感じました。
スタイルが似通った者同士ということもあってか、熱の入り方も一段階上がっていて、かつスキルの面でもレベルの高い応酬が続いたところでバトルが終了します。
結果は2本目のやり取りで全体のピークを上手く持ち込めたニガリの勝利。
正面からぶつかり合ったメッセージの応酬、スキルのコンペティションになっていましたが、8小節2本を通して、ニガリの方がやや流れを掴み、終盤に上手く勢いをスパイクさせていた印象です。
ただし双方いい具合にエンジンがかかっていただけに、ここでバトルが終わってしまうのは少しもったいなく感じました。この後も2本ほど試合が続いればどんな展開になっていたかと思うと、延長でもよかったかな、という印象です。
※ ding a ring a ring
にがやかな騒ぎやベルの音など、大きな音が鳴っている様子を表す英語の語彙。
いつも楽しく読ませていただいています。
リクエストのお願いなのですが、UMB 2010のrhyme&bとd.d.sの試合についての記事をお願いしたいと思っております。
よろしければよろしくお願いします!
> 愛読者 さん
コメント頂きありがとうございます!
リクエスト承知しました。見応えあるバトルですよね!
ありがとうございます!
はい!2人とも自分のスタイルを貫いていてとても見応えがありました!