[戦極MC BATTLE外伝 TOKYO NAIKA杯] VANILLA v.s. MC KUREI

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VANILLA v.s. MC KUREI

戦極MC BATTLE外伝 TOKYO NAIKA杯 一回戦 VANILLA v.s. MC KUREI

戦極NAIKA杯_MCKREI_vs_VANILLA

今回は戦極NAIKA杯からこちらの一戦を紹介したいと思います。

NAIKA杯、地味にめちゃくちゃ面白い大会なんですよね。

[VANILLA]

Yeah MCバトルは久しぶり

MICは刀 いざ出陣

していくだけだぜ まるで戦国武将

オマエのMICは接触不良

なるようなもんだろ テクニカル

俺のrapのテクならエグい策

オマエescape

テクニックあるだけだぜ まるでFG


[MC KUREI]

わかった 俺が接触不良

コイツのスタイル結局不調

なってるだけだぜ

押韻職人か知らねぇが静岡ここで沈むさ

しっかりと言葉を載せるだけだぜ

俺はアンタの言葉拾いたい

しっかりとした会話をしていこうぜ

言葉放つはかいこうせん yeah


[VANILLA]

OK 熱い気持ちならみんな一緒

韻踏めなくちゃ意味ないっしょ?

だからこそDJミキサービート

見せつける俺だけの粋なHipHop

Keep on movin’

俺ならば届かせていくぜ日本中に

わかってんだろが届かす 中心地

レコードまわる12インチ


[MC KUREI]

わかったそうだぜ日本中に

Wack MCを一本釣り

してやるだけだぜ 言葉の中だ

しっかりと韻踏めてる わかるかな?

俺の言葉は オマエよりもdopeだ

ソープは行かない この勝負は

しっかりと勝つ 俺のやり方だ

オマエは一回戦敗退

バイバイ サンキュー

概要

8小節2本
勝者: なし(延長)

解説

戦極MC BATTLE外伝 TOKYO NAIKA杯 一回戦 VANILLA v.s. MC KUREI

戦極NAIKA杯_MCKREI_vs_VANILLA_2

今回は戦極NAIKA杯からこちら。これまた面白いマッチアップです。

VANILLLAはAdrenaline2014などでも活躍していた、比較的新しい世代の押韻重視なMCで、吐き出す、というよりは言葉を組み上げていくようなスタイルなのですが、そのボキャブラリーの多彩さから、個人的には非常に好みです。

ちなみにこのバトルはビートも雰囲気が良くて好みです。(最初は雰囲気からPUNPEEのChrono Trigerか、とも思いましたがどうやら違う模様。詳しい方いたら情報頂けるとありがたいです。)

まず先攻はそのVANILLAです。1バース目、前評判通りのライミングテクニックで、非常にキレイにバースをつなげていきます。

特に前半の4小節では、「MCバトルは久しぶり」「MICは刀 いざ出陣」という流れから、「まるで戦国武将」「オマエのMICは接触不良」と、かなり巧い具合に内容もまとまっています。

戦極NAIKA杯_MCKREI_vs_VANILLA_2

対する後攻のMC KUREIです。VANILLAが言った「接触不良」というワードを受けての「コイツのスタイル結局不調」と、こちらもさすがの対応で返していきます。手抜かりのないアンサーでVANILLAに対抗していきます。

両者をマッチアップで比較するならば、VANILLAが自分のボキャブラリーを制約なく発揮できる先攻優位型であり、KUREIの方が相手の材料を受けてカウンターを返していく後攻優位型という、という見方ができるかもしれません。

1バース目の応酬はまさにそんな感じで、互いの長所をぶつけ合っているように見受けられました。

続く2バース目、VANILLAは相手の言葉を意識しつつもライミングとリズムキープは崩さずに進みます。簡単にライミングは崩さず、と書きましたが4小節目まで「意味ないっしょ?」「粋なHipHop」と7文字踏み(5音節)で通してるのがスゴいですよね。

瞬発力の高さというよりは有機的に結びついたボキャブラリーの豊富さから来ている芸当なのだと思います。最後まで安定して押韻を含んだラインを供給して会場を盛り上げます。

戦極NAIKA杯_MCKREI_vs_VANILLA_4

そしてMC KUREIのラスト。こちらもライミング含みのアンサーで、VANILLAのラインから「日本中に」を受け、「Wack MCを一本釣り」というカウンターで返します。やはり即興性のあるアンサーという点ではKUREIが一つ上回る感じでしょうか。

ただしその後のバースをみると、脈略や1ラインごとのパンチの強さという点で、後攻のアドバンテージをうまく活かせずKUREIはそのまま逃げ切ることができなかったといった印象です。

戦極NAIKA杯_MCKREI_vs_VANILLA_3

そして結果の方ですが、判定は割れて引き分け。勝負は延長戦へと進んでいきます。

後攻のKUREIは最後に何か一発出せていればといったところですが、どちらも決定打がないまま8小節2本が終わり、「まだまだ見たい」というオーディエンスの総意がそのまま反映された結果となりました。

このバトルは一回戦の試合で、しかも両者ともに高いネームバリューがあるわけではない、そんなバトルなのですが、両者スキルやキャラクターも申し分なく、双方のバトルマナーに則った応酬は有名どころのバトルにも引けを取らない、見ていて非常に面白いバトルになっています。

延長戦もさらに面白くていいバトルなので、以下のリンクからご覧ください。

[戦極MC BATTLE外伝 TOKYO NAIKA杯] MC KREI v.s. VANILLA 延長

戦極NAIKA杯は、出場MCのキャラクターも強烈で、以前にアップしたBRIAN v.s. ACEなどのように、面白おかしいバトルもあって内容が非常にバラエティに富んでいます。

バトル好きなら観て損はないと思いますので、まだチェックしていないという方は是非ダイジェストから見てみてください。

※ FG

ファンキーグラマーユニットを指す。RhymesterやRIP SLYME、GAKU MCらを擁する非ハードコア系HipHopクルー。

※ はかいこうせん

ゲーム「ポケットモンスター」シリーズに登場する必殺技。

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