GOLBY v.s. LARD
戦極MC BATTLE 第6章 GOLBY v.s. LARD
今回は戦極6章からこちらの一戦を取り上げたいと思います。
大阪梅田サイファー対東京のハードライマーの対決。スタイルでいうとかなり似たもの同士の組み合わせだと思います。
私はGOLBYもLARDも好きなので、このバトルは非常に楽しめました。それでは試合の模様をご覧下さい。
[GOLBY]
LARDよろしく こりゃ初対面
とりあえず見た目がしょっぱいぜ
見たことねぇからまず外見から
ここがオマエの殺害現場だ
コイツ倒し掴みたい現ナマ
ぜってー負けねぇこの口喧嘩は
足りないのはアタマの回転かな
ヘタクソラッパーも大変だな
[LARD]
Yo ここはオマエの殺害現場だ
オマエとっちめる危ない刑事だ
わかるか? オマエはENTERは
来たことねぇから ちょっともう来いよ
言葉が軽いぞGOLBY
英国紳士気取り
それじゃダメさイケメン
行って来いよなバッキンガム宮殿
近寄って来んな バイ菌が伝染るぜ
[GOLBY]
Yeah 俺は言葉が軽くはないぜ
言葉の重みもちゃんとヘビー級
オマエ臭いから貼るぜメリーズ
俺のライブを出来ないレシーブ
大阪なんか行かねぇよ レペゼン東京
俺が東京で一等賞
獲って浦和でも一等賞だ
大阪のMCは一刀両断
[LARD]
まだまだ軽いよインチキおじさん
格好は英国紳士気取りか?
Yo やめてくれよなイケメン気取り
にやけ面似合ってねぇよ
ハットをかぶって
ヒヤリハットかわしてくぜ
ラット スキャットマンみたく
早口できなくてもリズム乗って
オマエの心臓ブチ抜くぜドカーン
[GOLBY]
OK オマエの熱意に免じて
同じビートで乗っかってやるよ
オンビート オフビート 気にせん特に
俺でも語尾踏む言葉が特技
オマエがハットに
オマエは発想に
俺は食い込む 忍者ハットリ
みたいにやってんだ
俺の発想なら豊か
オマエのお父さんは水谷豊?
時間の無駄だ
Yeah 俺はぜってーに媚なら売らない
[LARD]
俺の親父が水谷豊?
写真見せようか? チビでハゲだ
わかるか? リアルなSHIT
恥ずかしいから言わせんじゃねぇよ
ネタ物 色物 切れ者 強者 獣
すべてを飲み込むケダモノ
わかったオマエ マクドでグラコロでも食え
ライム突き立てるこの胸元
概要
8小節3本
勝者: GOLBY
解説
戦極MC BATTLE 第6章 GOLBY v.s. LARD
今回は戦極6章からこちらの一戦を取り上げたいと思います。このマッチアップから想像するのはもちろん押韻対決。
この試合はメローなビートではありましたが、実際に激しいライミングの応酬が展開されていきます。
まず先攻のGOLBY、「こりゃ初対面」「見た目がしょっぱいぜ」に始まり、1バース目からなんなく全小節を脚韻で通してきます。
文章で追ってもわかりやすいくらいキレイにライミングしていて、バトルを観ていても本当に気持ちいいくらいの滑らかさでrapしていきます。
対するLARDも非常に調子が良さそうで、GOLBYの言った「殺害現場」に合わせて「オマエとっちめるあぶない刑事」というアンサー。
文脈にキッチリ合わせた言葉を選んだ上で7文字のワードすべての音節にかぶせたライミングというこれ以上ないくらいにハマった返し方だと思います。
LARDについては、以前からR-指定戦や黄猿戦等を観て非常に巧いMCだと思っていましたが、やはり引き出しも多い上に瞬発力もある、これぞ大阪梅田といった感じの凄まじいスキルの持ち主ですね。
しかし対するGOLBYも負けておらず、3バース目には打って変わってビートに倍で乗っかって言葉を詰め込んでいきます。
後半は通常のフローに戻りますが、LARDのスムースなrapを前にGOLBYも火が着いてしまったといった感じでしょうか。
LARD、GOLBYともに相手の発言をしっかりと受けつつ文脈を維持したままライミングを多数織り交ぜ、さらに最後の最後まで対話が成立していて非常にレベルの高いバトルになっていると思います。
結果の方は僅差でGOLBYの勝利となります。ラストバースでの面白おかしいアンサーや着地までのキレイな流れなど、LARDもかなり素晴らしいパフォーマンスだったので個人的には延長でもよかったかな、という感じでした。
いかがでしたでしょうか。
戦極10章のKBD v.s. GOLBY戦のような素晴らしい押韻対決になっているので
まだ観ていない方は是非チェックしてみてください。
※ あぶない刑事
シリーズ化や映画化もした日本のテレビドラマ。
※ ENTER
韻踏合組合の主催するイベントで、MCバトルもある。
※ バッキンガム宮殿
イギリス、ロンドンの宮殿。バッキンガム公の邸宅として建造されたのが起り。
※ メリーズ
子供用紙オムツの商品名。
※ 浦和でも一等賞だ
本大会の会場となった浦和BASE。
※ 水谷豊
日本の俳優。