[UMB2013] R-指定 v.s. Kowree

解説

UMB2013 BEST16 大阪代表 R-指定 v.s. 島根代表 Kowree

今回はUMB2013からこちらの一戦を取り上げたいと思います。

2012本選で地方から初出場で大躍進したKowreeと前年王者R-指定との組み合わせとなりました。

R-指定も1バース目で言及していますが、それまで全国レベルのタレントがあまりいなかった島根をrepして全国的な大会に数々出場していったKowreeですが、地元の島根だけではなく地方のシーンの隆盛という意味においてもその果たした役割は大きいかと思います。

そしてこの試合のKowreeはdisがもの凄く的確でした。前年の優勝時にアルバム製作宣言をしておきながら1年経ってまだリリースできていないR-指定を１バース目から痛烈にdisっていきます。

「おかわりは一杯目食ってからって決まってんだよ！」とのラインは「アルバムも出さないでまた優勝するつもりか」といった意味が込められた強烈なパンチラインになっていると思います。

このdisに対してR指定は「来年に出す」と返していますが、こちらはKowreeの言う通り、チャンピオンの座にある2013年中にリリースすることにこそ意味があったでしょう。シーンからの期待感もあったことですし、その点は決して少なくない方が思っていたのではないかと思います。

結果的にR-指定はこの年も優勝を果たし、UMBチャンピオンとしてアルバムをドロップすることができたのですが、リリースタイミングは年が変わって4月1日となりました。これでは優勝のインパクトもどこまでセールスに貢献できたか疑問が残ります。

また、この大会のDVDが2014/4/30に発売されたことを考えると、発売日をそちらに寄せたと取れなくもないですが、作品の評価も悪くなかっただけに、どちらにせよもう少し巧いマーケティングのやり様はあったのではないかと個人的には感じます。

さて、試合の方ですがそうしたdisをかわしつつ安定したパフォーマンスを見せたR-指定に軍配が上がります。オーディエンス的には「どちらのMCがこの後もバトルを見たいか」というのも判定基準の一つとしてあったかと思います。

そういった意味でもこの結果はやむをえないものと言えるかもしれません。また、負けてはしまいましたがKowreeはチャンピオン相手にしっかりと爪痕を残した試合だったと思います。