[MC松島]
Yo まず最初に言っとこう
俺髪の毛すきすぎて セットがなんかイマイチピンときてねー
こんな大舞台なのにちょっと恥ずかしい
けどrapも好きすぎるから大丈夫
そのKOOPA 拙者がSuper Mario
ちゃんとrapしろよ
[KOOPA]
Yeah pen-pineapple, fuck you bitch!
何が髪型? こんなところで無様な姿
KOOPAが食い散らかしてく 一撃で終わり
コイツは速攻北海道
ダッサいrapに興味が無いよ
埼玉代表 よくチェックしなよ
[MC松島]
英語でやるのは俺のパクり
後攻なのにちゃんとアンサーそこしか返せない
伝えたいことねぇんだな どうせ
お前のrapは滅茶苦茶フローするだけで中身が何にもねぇ
子どもたちが観てるんだぞ ちゃんとrapしろ
そのKOOPA ワシがSuper Mario
[KOOPA]
いいかい? rapっていうのは音とグルーヴ
これフローとライムの1点セット
分かんねぇ奴っていうか
ギャグばっか BEST4止まりでしょ?
俺はダークホース 穴馬
下から上 上げてく うわ出すぜ
お前は足りない バイブスと勝つための気持ち
気力ないTシャツ なんか見た目ダサい
概要
8小節2本
勝者: KOOPA
解説
UMB2017 1回戦 北海道代表 MC松島 v.s. 埼玉代表 KOOPA
今回はUMB2017から一回戦のこちらの一戦。「みんなの友達」、MC松島の初戦となります。
まず先攻はそのMC松島から。
冒頭からこんな感じです(笑)
さも重要なことを言い出すかのようなそぶりで脈略のない話題を展開していくといういつもの調子でスタート。
次の「rapも好き過ぎる」で内容的にはオチをつけていますが、松島のキャラクター全開という感じで、面白おかしくバースを展開していきます。
そしてそんな流れの中で着地がこちら。これは無論、さんざん話題にされていた晋平太の「その戦車 拙者が運転者」というラインのサンプリングで、対戦相手のKOOPA(クッパ)をいじる形でdisの材料にしている感じです。
ちなみに「Super Mario」をわざわざ英語表記にしているのは「スーパーメエィリオ」と英語っぽく発音してるからで、こういう面倒臭さ、芸の細かさまで含めてまさに松島ですね。
続いて後攻のKOOPAのバース。
まず冒頭のこのライン。ここは本試合でも最大の沸きどころになってます。
上記のラインはちょっと前日談があって、両者が以前に対戦した戦極15章でのバトルにて、先攻松島がPPAPの引用でスタートしたことへのアンサーになっています。
その模様は公式動画の方で確認してもらいたいと思いますが、その試合で松島が「No Japanese, only English!」と言っているんですが、今回のKOOPAのラインはそのくだりも含めて忠実にアンサーしていて、disとしては見事な意趣返しになっている感じです。
そんな事情を知っているお客さんはもちろんこれに大きく反応します。さすが本選といったところ。
沸くべきところでしっかり声が上がったり、逆にうすら寒いネタにはあまり食いつかなかったりと、近年の大きな大会では客側の耳も肥えてきた様子がはっきりと伺えます。
UMBで云えば2012から2013にかけての時期からその傾向が顕著になった気がしますね。
続く2バース目。「英語でやるのは俺のパクり」とこちらも前の試合を持ち出してKOOPAへと返していく松島。
1バース目同様、ややはにかんだ雰囲気の起伏を抑えたrapで、飄々と相手を攻撃していきます。
ふざけてる中にも真面目なラインも出していますが、こちらは試合の文脈や流れの中での当意即妙なアンサーを重視する松島らしい内容です。
対するKOOPAのアンサーですが、こちらはもう完全にスタンスが正反対で、両者のメッセージはくっきりとしたコントラストを成してます。
実際にrapの方も平板な調子で面白おかしく話題を展開していく松島に対して、KOOPAはテンションに起伏を入れつつ、連符を使ったりとビートアプローチを考えながらバースを展開するスタイルで、面白い内容で沸かせる松島と、rapの起伏やかっこよさ自体で盛り上がりを作るKOOPAとという、両者の戦い方の違いもこの試合の見どころのひとつになっていました。
そして勝ったのはKOOPA。色々な要素がありましたが、やはりインパクトがあったのは1バース目のPPAPのアンサーで、結果的にこれが勝敗を分けたのではないかな、と思います。
松島のバースも全体通してかなり面白くはあったのですが、一発で流れを変えるようなパンチラインらしいパンチラインが出せなかった印象はありました。8×2ということで、アンサーのチャンスが少なかったことも要因ではあるでしょう。
そんなわけであっという間に終わった試合ではありましたが、この二人はさらに再戦を重ねて欲しいところですね。