NONKEY v.s. ハハノシキュウ
戦極MC BATTLE 第10章 BEST16 NONKEY v.s. ハハノシキュウ
今回は戦極10章からこちらの戦いを取り上げたいと思います。なんとも異色な組み合わせ。
[NONKEY]
俺の乳首は何もねーよ
だけど俺のは 感度ええよ
コイツのLIVEは 反応無ぇよ
さっきも客演超ダセー
お客さんは全然 感動なし
反応なし どうにもならねぇ
俺がrapすりゃ万能だし
[ハハノシキュウ]
オメーのrapは語尾だけだろ?
ぶっ殺すわ もみあげ野郎
そういう感じで盛り上げたろう
まるで 僕はウルトラマンタロウ
キン肉万太郎 まるでマンガの話
仕込みのパンタロン
てめーを殺すの十分だろ
乳首切り殺すハハノシキュウさ
[NONKEY]
Ei yo もみあげ ハイ お土産
Yo ハハノシキュウ
君のもちろん母にもチュー
ハハ 君の母も夢中
そりゃそうだろ オマエ五里霧中
そこら辺にいる 自閉症
俺のrapで致命傷
[ハハノシキュウ]
おい イマジネーション 足りない僕は今自閉症
この場で乗せてく まぁどんな風?
オメーなんてもうクソな音楽
この場で吐くなら僕は殺す
とりあえずじゃあ違う話しようかな
ゴッドタンに出てた時
日村の隣にいたけど 全然オーラが無かったし似てねぇんだよ
[NONKEY]
Ei yo 俺は音楽家
だけど 音楽以下だろボンボクラ
Rapにもなってやしねぇ
さっきも言ったろ? LIVEは感動なし
俺昨日もLIVEで
Yo バトルよりも一番盛り上げちゃった
つまり俺の方が音楽家
わかりますか? コンダクター
[ハハノシキュウ]
オメー自分に自信あり過ぎなんだろ
もっと謙虚にエントリーしろ
この場で援護射撃すんぞ
この場所でふっとしゃべれねぇバカげてる
昨日のLIVE見てねぇ人ばっかりだから
コイツが嘘ついてる可能性も十分にある
とりあえずこの場でどっちがリアルかを決めるんだったら
僕はニセモノでも構わないよ
だけど絶対にこの中で
100人じゃなくて1人に届けたいの
概要
8小節3本
勝者: ハハノシキュウ
解説
戦極MC BATTLE 第10章 BEST16 NONKEY v.s. ハハノシキュウ
今回は戦極10章からこちらの戦いを取り上げたいと思います。
NONKEY対ハハノシキュウ。こういう異色過ぎるマッチアップが平然とカードに上がってくるところが戦極の良さでもありますね。
ある意味では始まる前からワクワクさせるような対戦だと思います。
それでは内容を見ていきましょう。
先攻はNONKEY。最初に断っておくとこの試合最大のパンチラインがこの1バース目先攻の冒頭から飛び出します。
「GOLBY 乳首 バンドエイド」「俺の乳首は何もねーよ」というラインなのですが、これは直前のGOLBY対mol53の延長戦、GOLBYの放ったラインからきているものですね。
本当にバンドエイドを貼っていて会場を大いに沸かせたGOLBYに対して、こちらは本当に何もなく、上の画像のようにただ素の乳首を見せているだけという(笑)
実はかなりハードなライミングと、いたって真面目にrapするNONKEYの表情なども作用して個人的にはめちゃくちゃウケました。
また、その後は「コイツのLIVEは反応無ぇよ」「俺がrapすりゃ万能だし」など、相手へのdisとセルフボースティングのラインが続くのですが、冒頭の突拍子の無さから思えばよくぞここまでスムーズに展開をもってきているな、という感じがします。さすがという感じでしょうか。
一方のハハノシキュウ、「語尾だけだろ?」というdisに続いて「ぶっ殺すわ もみあげ野郎」とこちらも笑えるアンサーです。
マンガの話なども出しつつ、最後は「乳首切り殺すハハノシキュウさ」と、乳首ネタを引きずっていながら妙にカッコいいラインで着地。展開としては非常に面白いのですが、1本目からかなりカオスな展開になってます。
続いて2バース目、先攻のNONKEY。
ここでも冒頭から強めのパンチラインなのですが、「もみあげ ハイ お土産」と自分のもみあげから毛をちぎって相手へ渡すような素振りとともに発せられ、会場も大盛り上がりです。NONKEY、rapで観衆に笑いを誘いつつ盛り上げていくことにかけては非常に天才的です。
笑わせることもそうなのですが、そんな中でしっかりと空気を作って盛り上げているのがスゴいと思います。
LIVEアクトなどでそうしたパフォーマンスにはもともと定評のあるMCですが、それを即興のバトルの場でも再現できてしまうのは圧巻です。これはもうスキルというより特殊能力と言っていいかもしれませんね(笑)
その後のrapも「自閉症」「致命傷」など、使う語彙やライミングも非常にシンプルながらオーディエンスを置いてけぼりにしないペースになっていて、その辺りは一気にガーっとまくしたてるタイプのハハノシキュウと対象的かもしれません。
続いて2本目。自閉症ネタを自虐的に受け止めつつのアンサーから入りますが、「じゃあ違う話しようかな」と話題を転換していき、NONKEYが似てると言われる芸能人、バナナマン日村の話題に絡めてdisを入れていきます。
NONKEYに負けずこちらもナイフを投げつけるような、エグい攻撃を仕掛けている感じです。
特にハハノシキュウのアンサーの独特さがわかるのは3本目で、「俺昨日もLIVEで バトルよりも一番盛り上げちゃった」というNONKEYに対して「昨日のLIVE見てねぇ人ばっかりだから コイツが嘘ついてる可能性も十分にある」という部分でしょうか。
相手のスキルやスタイルを貶めるdisが一般的かと思いますが、そこへきてハハノシキュウは相手の発言の真偽について淡々と問い詰めていくわけですね(笑)
即興でrapをやり取りしていく中、かなり意外性のある、斜めから切り込んでいくような視点で、他のMCとは似ても似つかない彼独自のスタイルと言えるでしょう。
そして試合後半。NONKEYは失速こそしていないものの、前半ほどの沸きどころや勢いを作り出せずにいるのに対して、ハハノシキュウは「オメー自分に自信あり過ぎなんだろ」と言葉にもテンションにもアクセルがかかった感じでいい具合に勢いを増していました。
後攻ということもあり前半で受けた借りをそのままお返しした感じでしょうか。結果としてはドローで延長という結果に終わったこの試合ですが、両者前半後半で優位が揺らいでいて、かなり展開の動きが激しいバトルになっていたと思います。
戦極の大会がいくつもある中で、私はこの10章をまず一番に推したいと思っているのですが、エントリを読んでこれを機にチェックしてくれる人が少しでも増えてくれたら嬉しいです。
延長のバトルは以下のリンクからご覧ください。
[戦極MC BATTLE 第10章] ハハノシキュウ v.s. NONKEY 延長
※ GOLBY 乳首 バンドエイド
同大会のBEST16 GOLBY v.s. mol53の延長戦より。
いつも見てます!
nonkyのワンバース目「100円」→「客演」ではないでしょうか、違ったらすいません、、
> かきぴー さん
コメントならびにご指摘ありがとうございます!
確かにおっしゃる通りですね、修正させてもらいました!