BRAVOO v.s. OZ
戦極MC BATTLE 第11章 一回戦 BRAVOO v.s. OZ
戦極第11章からこちらの一戦を取り上げたいと思います。
今更ながらというタイミングですが、以前にリクエスト頂いた試合からピックアップです。
[BRAVOO]
しっかり観ろ コイツと俺どっちがイケてるか
オマエらがしろ判断
どうなるかは分からん
連れにしっかりとここにおる
けどコイツなにやるか分からん
女連れとるので今日は
ちょっと しょうもない
[OZ]
今か 今かと待ちわびた奴
俺が今からこの街を沸かす
レペゼンOSKの用心棒
このおっきな小心者
速攻パンチライン一発で脳震盪
420 迎えてロックンロール
Wack消すMC 俺がS.S.Bからwack消す鉄人
[BRAVOO]
俺が名古屋から来たぜ
コイツは大阪 端くれだって一緒だろ
なのにあんなに 盛り上がらんなら
オマエの連れいないんだな(笑)
BNKR ヤラセ?
僕らの音楽 間違いないさ
HipHop 戦極 誰が頂く?
OZじゃないのは間違いないさ
[OZ]
さぁ今ここに 神が宿る
オマエのサクラも皆殺し
自殺ちゃうぜ 俺のマイクで今日もILL PLAY
すぐこのill skill, beats
腐っても鯛でいたい
これに尽きる like a BES
とりあえず消す このBRAVOO
つーか動画観たってあの動画アンタ負けてたでしょうが
概要
8小節2本
ビート: JUSWANNA / BLACK BOX
勝者: BRAVOO
解説
戦極MC BATTLE 第11章 一回戦 BRAVOO v.s. OZ
今回は戦極第11章からこちらの一戦を取り上げたいと思います。
大阪で開催された戦極11章ですが、その一回戦第一試合がこのバトルになります。BRAVOO(ブラボー)対OZ(オージー)ということで、関西方面のMC同士のマッチアップですね。
試合の内容ですが、出身の名古屋訛りを前面に出しつつ、トップオブザヘッドで言いたいことを飄々としたテンションで言っていくスタイルの先攻BRAVOOに対して、ライミングを多用するスタイルながら相手のラインへ器用に対応していくOZ、という展開で推移していきます。
特にBRAVOOの方は、「OZの動画 上がっとるの観た奴おる?」というくだりや、最後の「女連れとるので」「ちょっとしょうもない」など、最初から煽るような攻撃を仕掛けていきます。
また、続く2バース目では「あんなに盛り上がらんなら オマエの連れいないんだな(笑)」と、笑いながらサクラを匂わせるような非常にドギツいdisを放っていくのですが、ラストの「OZじゃないのは間違いないさ」という部分に至るまで、ナチュラルな会話と遜色ないくらいの言い回しで、本当に即興だということが伝わってきますね。
加えてBRAVOOはお客さんを巻き込みながら自分のペースを掴んでいくのが非常に上手く、相手に大きなプロップスやネームバリューがある場合だと競り負けてしまうケースもあるのですが、その話術のみでコツコツと試合の優位を構築していくところが大きな特徴ではないかと思います。
一方後攻のOZですが、こちらはライミングを始めとしたrapスキルやHipHopらしいリリックに重点を置いていて、例えば冒頭のバトルビートである「BLACK BOX」からの引用であったり、自身のクルーや周辺の名前が随所に出てくる辺りなど、BRAVOOと比較するとそのスタイルの違いは顕著に出ています。
そんな中でも「オマエのサクラも皆殺し」というライミングを交えてのアンサーや、ラストに放った動画のくだりへのアンサーなど、相手の内容に対して瞬発力で切り返していく場面が何度かあり、こちらも即興の上で自分のスタイルを貫徹していることがわかります。
OZがrapとして整った形式の中に綺麗に内容をまとめようと心を砕いていたのに対して、BRAVOOはもうとにかくその場その場で言いたいことを遠慮なく言っていくスタイルという感じで、時にはシラけたり、時には吹き出し笑いとともに攻撃したり、表情の強い出たバースで、8-2という短い試合の中、要所要所でうまくオーディエンスを巻き込めていた印象です。
そんなわけでこの試合はBRAVOOの勝利。rapとしてみればOZの方が遥かにかっこいい印象を受けるのですが、ビートを味方につけていたOZに対して、BRAVOOはお客さんを味方につけて戦っていたという感じでしょうか。Disもひとつひとつが鋭く、クレバーに戦って勝負を制したと言えるかもしれませんね。
※ OZの動画 上がっとるの観た奴おる?
この試合の1ヶ月ほど前に公開された戦極MCBATTLE OSAKA 8MOJI杯での早雲戦。
※ S.S.B
South Side Blocks。大阪泉州を中心に活動するクルー。
※ BNKR
BNKR街道。OZの所属するクルー。