[NAIKA MC]
ようやく来たぜ全国
こいつが今夜ラストの試合さ
わかるかGOLBY
オマエは別に特に印象ねぇ
捨てるぞゴミに
ハァ もしくはドブに捨てちまう
オメーどうせ韻だけだろうな
中身がなにがあるか教えろ
さてさてどう出る? よく聞かせろや
[GOLBY]
韻だけじゃねぇよちゃんとある中身
墓穴を掘ったコイツに明日はない
狙い定めたら俺は外さない
腐ってるコイツの鼓膜破壊
ライムに懸ける想いはピカイチ
流されたりはしないよ時代に
30間近のオールドルーキー
その分読めるぜ勝負の空気
[NAIKA MC]
ハイハイハイ ありがとね
でも大体こっちに見ちゃってるよね
バトルじゃねぇ 確かにな
つーかなんかオシャレだねキミ
あ? よく見たらリリー・フランキー
『東京タワー』書いてろよ
Like a 使い過ぎ その韻は
俺がスカイツリー わかるかな?
[GOLBY]
俺の韻は努力の賜物
する気はねぇんだオマエとおままごと
ピーピーうるせぇオッサン ままごと
教えてやるよ バトルはナマモノ
熱い眼差しでガン飛ばす
しかできねぇただのオタンコナス
俺ならやっぱり断固韻
それならやってくよ ワンコインで勝負
概要
8小節2本
勝者: NAIKA MC
解説
UMB2011 一回戦 群馬代表 NAIKA MC v.s. 東京代表 GOLBY
今回はUMB2011からこちらの一戦を紹介。一回戦の最終試合となります。
ちなみに両者、どちらも各予選で活躍していてすでに相当なプロップスがありましたが、この時がUMB本選初登場となりました。
それでは内容を見ていきましょう。
まず先攻のNAIKA MCから。この頃も今とさしてスタイルは変わらず、よく通る声でがなり立てていきます。
あまり押韻しないのも当時からですが、それでもビートアプローチはイイ感じです。
対する後攻のGOLBY。こちらも当時からライミングに継ぐライミングで、小節ごとにキレイに韻を落としていき、そのスタイルやスキルをアピールしていきます。
特に冒頭はNAIKA1本目に対するアンサーになっていて、そこから3,4小節目までスムーズにつなげています。
これを見るだけでもただ単にネタを披露しているだけでないことがわかりますね。また、ラスト2小節はネタだとしても中々で、オーディエンスにも強いインパクトを残せたんではないかと思います。
そしてバトルは後半の2本目へ。先攻のNAIKAは「ハイハイハイ」とGOLBYの内容を軽くあしらった上で、帽子や風貌を「リリー・フランキー」と揶揄するラインを吐きます。
その際でも「『東京タワー』書いてろよ」とひねりを利かせて言ってるのがイイですね。ちなみにこれは余談ですが、この時のリリー・フランキーdisは後にADRENALINE2014という別の大会でR-指定に再び蒸し返されています。
[ADRENALINE2014] GOLBY v.s. R指定 延長
続いて後攻GOLBYの2本目。1本目に続き、NAIKAの言った内容をキレイにライミングを交えてアンサーしつつ、その後も8小節すべて丁寧に押韻を重ねていきます。この辺りのスキルはさすがに安定感があるのを感じますね。
それに加えて当時は初出場ということで、緊張も手伝ってか妙に力も入っていて、途中でNAIKAに凄まれても真正面からライムで切り返したり、インファイトでNAIKAとバチバチに渡り合っているのでそういう楽しみ方もできるバトルですね。
このバトルは1回戦ということで8小節が2本という短いものではありましたが、1回戦ラストを飾るにふさわしい熱い戦いとなりました。
結果としては、声もラインも強烈な印象を残していたNAIKA MCの勝利となりました。
今振り返るとこのUMB2011は、この二人以外にも呂布カルマやDOTAMAなど現在第一線で活躍しているような新しい世代も多数お披露目されたひとつの画期となる大会でした。そんな中での両者の対決でした。面白いですね。
※ 『東京タワー』
日本の作家・タレントであるリリー・フランキーによる小説で、映画化もされている。