[REIDAM]
俺はレペゼンストリートの代弁者
違ぇなアタマの回転が
もちろんオマエはマイメンさ
だがブチ込むサイレンサー
音も立てずに 地鳴りを上げて
キャタピラ全開で近づいてくぜ
俺のライムはすべて体験談
すべてをブチ込む 調子はどうだ?
[句潤]
どうしたREIDAM ガチガチだな
オマエ間近見たら 震えてねぇか?
オマエとやったな福岡サイファー
その時の方がまだ まだマシだった
Ah 俺はゆっくりフロー
していくフリースタイル 調子はどう?
なんてカンタンなmicrophone
まず先手句潤がかましてくぞ
[REIDAM]
Yo 先手とか要らねぇ 思い出せ
あの頃から一体何年と数ヶ月経った?
俺はDREみたく次に行くぜ
俺のロードはどこだ?
マジでありったけブチ込む場所はここだ
恵比寿で暴れるぜ 電磁ガンが
俺が腹から送ろうか
[句潤]
暴れ足りないから
ヤベーサウンドが泣いてるぜ
おめーのパーカー見て巻き込んでく
そんでコイツとんぼで帰ってく
新幹線代稼ぐのも無理だな
俺がここでトドメ ragga
歌ってくフリースタイル
学校みたく 真っ赤っか
fuckで悪化
中々だったがさようなら
概要
8小節2本
勝者: 句潤
解説
UMB2013 BEST32 福岡代表 REIDAM v.s. 逗子代表 句潤
今回はUMB2013からこちらの一戦を取り上げたいと思います。
本選初出場、神奈川の句潤に対して二度目の出場のREIDAM、という組み合わせ。これも非常に面白いバトルだと思います。
ビートはJAG-ME v.s. Dragon One戦と同様のものです。このビートがまたかなりいいチョイスで、バトルの盛り上がりに一役買っています。
さて、バトルの内容ですが、まずはREIDAMの先攻からスタート。「俺はレペゼンストリートの代弁者」「違ぇなアタマの回転が」と、非常にベーシックなスタイルのrapで、目立ったアラもなくスムーズでかっこいいです。
また、特に印象的なのがそのボキャブラリーで、「サイレンサー」や「キャタピラ全開で」など、一定のつながりを持った言葉を随所に織り交ぜていて、バース全体の統一感が醸成されているんではないかと思います。声もよく通っていて、正当でHipHopマナーに則ったrapです。
一方で後攻の句潤。こちらはいつもの通り、持ち味であるレゲエのリディムが入っているような独特なフローを見事にビートの上へ落としています。
「どうしたREIDAM ガチガチだな」「震えてねぇか?」など、相手への攻撃も忘れていなく、ノリにノった時の彼の良さが全面に出ている感じです。
バースの全編を通してビートアプローチにキャラが出ていてかつクオリティも高く、満点に近い内容ではないかと思います。それぞれに味が出ていて見応えがあります。
続く2本目も構図としては同様で、「あの頃から一体何年と数ヶ月経った?」など、センスの光る言葉を完成度の高いrapに順次落としていくREIDAMに対して、抜群のビートアプローチで独特なフローとキャラクターが前面に出ている句潤、という図式で戦いが続いていきます。
特にラスト、スムーズな流れの中での「中々だったがさようなら」のラインは大会全試合の中でも指折りのフリーキーさが出ていて、ここが本バトル一番のハイライトではないかと思います。
文字に起こすと先述の通りですが、実際には「なっかなか だったが さぁーよーなら」と、促音や拗音を含んだ短いライミングが強調されていて、とてもグルーヴのある着地となっていました。
そしてバトルの結果は句潤の勝利。オーディエンス、陪審員ともに一致しての判定となりました。句潤は乗りやすいビートに恵まれたという印象もありますが、そうしたアドバンテージを最大限に活かし切ったことが結果に表れているのだと思います。
このバトル、一回戦で短い試合ではありますが、両者とも非常にカッコ良いのでまだ見ていない方は是非チェックしてみてください。
※ DRE
Dr.DRE。USのラッパー、トラックメイカー、プロデューサーで、元NWAのメンバー。
※ Next Episode
Dr.Dre / The Next Episode ft. Snoop Dogg, Kurupt, Nate Dogg
※ 恵比寿
本大会の会場となった恵比寿LIQUID ROOM。
※ ragga
ラガマフィンのことで。レゲエから派生したサブジャンル