[JONY THE SONATA]
正直こんな状況は慣れてる
いつでも俺は逆境の本田
意味のねぇ韻なら踏むなよ
チプルソ 俺が相手
ザコで良かったなって安心してる顔
してるのわかってるけど 瞑想
俺は俺の宇宙を広げてく
[チプルソ]
Yeah 今日はオマエ
跳ね返す逆境
やっぱり俺が圧勝
井出らっきょみてぇなその見た目
Yeah 汚ぇそのマイク誰も持ちたかねぇ
Yeah 見極めろどっちが勝ってる?
コイツのrapはとっ散らかってる
どっちが勝ってるかなんか一目瞭然
大差開きすぎてヒッチコックのボーデン
[JONY THE SONATA]
どっからどう見ても俺の見た目が
井出らっきょに見えねぇだろ?
意味のねぇ韻踏むだけじゃねぇ
内容はいいけど韻はない
この踏んでる韻は 内容は無い
Do or Die じゃなく Die or Die
半端ないぜ 単調シラける
オマエは作詞してる言葉だけ
[チプルソ]
内容が無いようならば採用しないよ
あなたはクビだよ書いてこいよ履歴書
笑っちまうだろアンタの耳元
Yeah 愛しちまった若旦那 MINMIのこと
UMB 要らねぇぜ知名度
無名でも上がれる フリースタイル致命傷
イマジネーションに暇しねぇよ
マシなrap聞かしてよ
オマエには未来ねぇよ
来年のlive 依頼ねぇよ
概要
8小節2本
勝者: チプルソ
解説
UMB2011 BEST16 JONY THE SONATA v.s. チプルソ
今回はUMB2011からこちらのバトルを取り上げます。
JONY THE SONATAは例年金沢予選で無類の強さを発揮している非常にスキルのあるMCです。リズムを外すことなくライミングを畳み掛けていくスタイルで、個人的には非常に好きなタイプだったりします。
一方のチプルソは大阪の超有名MCで、ライミングスキルやボキャブラリーの豊富さ、バトルでの鋭い攻撃などで一躍名を馳せました。UMB本選へはこの時が初出場となります。
バトルが始まってまず先攻はJONY THE SONATA。疾走していくスピーディーなトラックにしっかりと言葉を落としていきます。
そして「一人の宇宙にこもってるだけ」と彼の音源のタイトルを揶揄したdisを展開。これはかなり巧い攻撃で、会場の反応はイマイチでしたが個人的にはもっと沸いてもよかったかな、と感じてます。
続いて後攻のチプルソ。こちらも速いビートに等速で合わせており、特に中盤の「見極めろどっちが勝ってる?」「コイツのrapはとっ散らかってる」というくだりはこれでもかというくらいビートにハマりまくってます。非常に効果的なラインです。
ただライムストックを切り売りするMCには絶対にできない類の芸当ですね。純粋にrapが巧いです。
そして2本目。先攻のJONY THE SONATA。ライミングしてるけど内容がない、とdisを打つくだりがありますが、そこからそのままの流れで飛び出した「Do or Die じゃなく Die or Die」というラインがこちらも気持ち良く決まって勝負は一進一退。
かなりいい展開のバトルをしています。BPMの高いビートにこれだけ合わせられる両者、拮抗している感じです。
続いて後攻のチプルソ、ラストです。ビートキープしながらのrapが続きますが、「愛しちまった若旦那 MINMIのこと」の辺りなど、拍を無視したラインが目立ちます。
意図してかどうかはわかりませんが、チプルソにはこういう展開がたまに見受けられますね。
そしてその直後、「要らねぇぜ知名度」から最後まで、同一のライミングで畳み掛けるようにスパートをかけていきます。
ここの辺りのバイブスと気迫は相当なもので、まだ見ていない方はできれば映像でチェックしてもらえたらと思います。
こうなったらチプルソを止めることは難しく、相手にしてみれば最後後攻でこんなことをされたら、という感じでしょうか。
というわけで結果はチプルソの勝利。とはいえそれほど大勝という印象もなく、個人的にはこのマッチアップもう少し見たかった、
という点も加味して延長でもよかったと思うくらいです
JONY THE SONATAも善戦かなりしていて、ビートの雰囲気もあいまって非常にスリリングな展開の一戦となりました。
※ 逆境の本田
サッカー日本代表の本田圭祐のことと思われる。2011年当時はCSKAモスクワに所属し、苦境に立っていた。
※ 一人の宇宙にこもってるだけ
チプルソの音源「一人宇宙」を揶揄したもの。
※ 井出らっきょ
日本のお笑い芸人。
※ ヒッチコック
アルフレッド・ヒッチコッック。イギリスの映画監督。
※ 若旦那
湘南乃風のMC。2007年にレゲエシンガーのMINMIと結婚している。